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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第十七章 - 聖戦





街を出て幌馬車に揺られて二時間弱、

ここから王の砦までは数百メートル。

砦の周りには小規模の村がある、

いよいよあと少しで目的よ時が来たと思うタン。

あと少しで昼食の時間、怯んでる時が狙い目だ、前の黒い風船の群衆のお返しを今日、この日、この時は十字軍から奇襲をかける番だ。


「牧師、わたしたちは東側から攻めるから西へ周ってくれ。この村にもわたしたち村と同じ様に修道院がある、その鐘を投石して鳴らすからそれが奇襲の合図だ!頼んだぞ牧師。」

「了解だニコルバ!

幸運を祈る‥じゃあな。」


そう言って牧師とニコルバは二手に別れた。タンや他の猫達も籠に入れられ二手に別れる。

砦の周りにはお堀がある、今は農耕者が食材を、はこんで居る最中で唯一の通り道である門に橋桁が降ろされていつでも通れる状態だ。


やがて二手に別れた十字軍は、鐘の音を待つ。


昼食時、10分前。

「コーン‥カーーンッ」

鐘の音二つ、奇襲の合図だ!


「ワァーーッ!ヤァーーッッ!!」

十字軍は、東西から砦を囲み奇襲をかけた。

砦の門番は、

「ぇ、アッ!奇襲だぁー奇襲だぁー」

と取り騒ぐ。

弓矢の矢先が重石になったものでショックを与え、吹き矢の痺れ薬で攻撃して進む、ある者はY字のパチンコで撃ち進む、格闘技が得意な者は素手で敵をねじ伏せる。


タンと他の猫たちも籠から出され目的の悪しき王の所を目指す、この砦に居る兵士や人間たちは、王の人選で皆猫嫌いや猫アレルギーだったからたまらない、城の中は大パニック。

殆どの城内の者は外へ逃げ出したりお堀の水の中へ飛び込む。


「王は何処だぁーッ悪しき王ッ!

出て来いッ邪悪な王よッ!!」

ニコルバが叫びながら突き進む。


東西に分れて居た、タンとペルも途中で合流し王室を目指した。

螺旋状の石段を駆け登り、他の階とは少し造りが違う廊下に出ると、その奥に王室を見つけた。

その後に続いて牧師やニコルバ、数人の兵士が到着する。


ニコルバは、ランドセルの様に背負った機械からラッパ状の形をした物を王室に向けてゆっくり進む。

王室らしい部屋の扉を開けると、王の椅子の横で狼狽えた様子の悪しき王が居た。


「お前の最後だっ!

これでも喰らえーッ!!」

そう叫ぶと、ニコルバは機械のボタンを押した。


ヒューーン‥

ピーッピーッ‥

ヒュイーーーーン‥

ピッピッピッ‥

‥ゴーーッ‥ピカッ!


部屋中に、外の明かりより眩しい閃光が照らされると、悪しき王は消えた。

それと同時に、下の階で闘っている同士の猫たちも消えた‥、

十字軍の首輪を着け、それぞれにタンから貰った石も着けていた猫たちが、消えた。

タンとペルは、王室の階までの戦闘と持っていた石をニコルバの機械に取り付けたので身に着けて居なかったので無事だった。


「‥終わったな‥ニコルバ?」

「あ‥あぁ‥これで‥終わりだ。」

牧師はニコルバの肩を叩き、その後笑いながら抱き合った。


「悪しき王はもう居ないッ!

我々十字軍の勝利だぁーーッ!!」

ニコルバは、王室の窓から高らかと勝利の雄叫びをあげたのだった。


タンとペルも、王室のカーペットの上で静かに隣り合って座り毛繕いをして居た。





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