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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第十四章 - 勇者たち





夜通しで戦う前の準備が終わり、

二つの月が沈み太陽が昇り始めた。

タンが招集した勇者たちは少し前まで自分たちの十字軍のシンボル入りの首輪を完成させ眠りについた。

猫たちは夜行性、しかし少しの仮眠でまた起きられる器用な動物、いや勇者たちだ。タンやペルも一緒に作り上げた、タンが置き土産とこの招集の為に渡した石も首輪に括り付けて居る、

余ったガーゼでリーダーの旗も作った。後は、悪しき王様に闘えるようニコルバと牧師を猫なりに説得するだけだ。


この日三度目の、修道院の聖務日課になる一時課の鐘が街中に鳴り響いた。

その後、普段と様子がおかしい事に気付き古屋を訪れた、猫たちは起き出していつもの猫背から姿勢を良くし勢揃いした、勿論タンもペルも其処に居る。


牧師がタンの影に気が付き古屋の扉を開け、

「おはよー‥あれ?お前、

この時間は寝てる時間じゃないのか?‥おや?!‥ぁ、わぁーッ?!」


牧師は数十匹居る猫たちの群れに驚く、まさかパロ軍の次の兵器は動物兵器か?!と思い慌ててニコルバを呼びに行こうとするが、よく目を凝らして見ると、十字軍シンボルの首輪に目が止まる、そして暫く悩む、考える‥

そしてタンとペルを見る。


そして胸をなでおろした様子で言う、

「なんだ、タン!お前も我が家の十字軍同士だったな‥わかった!

宜しくな!タンも他の皆んなもッ」


タンは一声鳴き、それに連られて招集した猫たちも鳴き始めた、これで人間との結束も完了だ。


その場をそそくさと離れてニコルバの元へ向かう牧師。

何故、牧師は多くの猫たちを直ぐにタンの仲間とわかったかは十字軍シンボルの首輪だけではなかった、タンも家族の息子たちも体の模様は白黒のブチだが、顔に特徴があった。ブチ顔の下半分は白だが上半分は黒で皆、右耳だけは白かった、そして首輪、これなら猿でも理解できることだった、半分白耳の勇者たちだ。


牧師がニコルバを古屋まで連れて来る。







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