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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第十三章 - 招集と結束






タンはペルと再会し、暫く月夜の中で懐かしさと喜びを分けあって居る。

ペルも何事かと思っていたが、タンと出会った時からある意味で覚悟はしていた事だったからとても冷静だった。


と、突然タンが口を開く。

「ん?‥あ、そうだッ

いい事を閃いたぞっ!ぼくとペルだけでは物足りないから、今までぼくが渡り歩いた港街の猫たちもココへ呼ぼう!そうすれば怖いもの無しだぞッ

いいだろ、ペル?」

「わたしは平気、でもその猫たちは大丈夫かな?!」

「平気さぁー!

だって皆ぼくの子どもたちだからねッ!」

ペルは少し不安だったが、タンを信頼してその一言に任せた。


タンは、ペルがテレポートした箱の代わりにこの古屋を使う事にした、幾つもの港街で石を置いてきたのでペルがココへやって来た箱では狭すぎたからだった。

ペルに手伝ってもらい、タンと二匹は装置を外へ引っ張り出す、そして箱に付いていた管やら配線やらを古屋の扉よノブに結ぶ。

これなら一度で何匹もこの古屋へ召集できるからだ。

徐に、片耳の中から隠していた石を取り出すと装置に取り付けるタン。

ペルは怖々教会の長椅子に座り窓から古屋の様子を伺う。

準備が出来たタンは、外にあった木製のバケットに照準を合わせて装置のボタンを押す‥オーーーンッ!!

さっきと同じ動きと音がし出した装置を見つめるタン。



カタカタカタ‥

ヒューーーーン‥

ピーッピーッ‥

ヒュイーーーーン‥

ピッピッピッ‥

‥ゴーーッ‥ピカッ!


一瞬に辺りが明るくなり、青光りが家々に跳ね返って稲妻が走った後、また薄暗くなると、元の月灯りに照らされる教会と古屋や家々。


暫く静粛な時間が流れた、ところが古屋の中でガタガタドンドンと騒ぐ音が聞こえ始める。

世界あちこちから、石を持っていた猫たち、タンの息子や孫、家族がテレポートしてきた。


「やったー!

これで悪しき国王をやっつけられるぞッ!皆んなー、よく来たなぁー

ウエルカムッ!!」


古屋には数十匹のネコねこ猫たち。

無事に召集は完了!

この時からタンは、父親や親族代表ではなく、十字軍のネコリーダーとなった。ざわついてる猫たちに説明を始める、ほとんどはペルの様に内情を理解して居たので結束の意志は直ぐに確認したタン。


ペルの元へ向かうタン。

「勇者たちを集めたのはいいけど、

牧師やニコルバにはどうやってわかってもらおうかな?」


ペルには名案があった。

「十字軍の旗のシンボルを首輪代わりに着けておけばどう?」

「‥おーっ!グッドアイデアだーペル!!ガーゼと赤インクがそこにあるなっ、早速作って着けさせよう!」


この夜、古屋で夜通しをかけて十字軍シンボルの首輪を作って居た猫たちの姿があったのを住人たちは誰も知らなかった。







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