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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第十二章 - 再会





牧師とニコルバの策を聞いて居たタンは、旅の途中で拾った名もわからない綺麗な石を差し出した。

これで秘密兵器が完成すると同時に、

タンの本当の旅の目的も達成しようとして居る。

兵器のお披露目の後のその夜、タンは古屋に居る。

ニコルバには叱られるけど、旅に出た時から今と言う瞬間を待って居た、このために生きて来た。


賢いタンは、コメ粒大になった石を一つにせず体中あちこちに付けておいた。ニコルバに渡した一つだけではなかった、ピンッと立った耳のから一つを取り出し装置に付ける、小屋にある物で何か試しにと探して見ると、薪割り用のナタを見つけた、ナタの方向に装置を向ける。ジッと見つめて狙いを定めるタンはボタンを押し直ぐに安全な物陰に隠れた。



カタカタカタ‥

ヒューーーーン‥

ピーッピーッ‥

ヒュイーーーーン‥

ピッピッピッ‥

‥ゴーーッ‥ピカッ!



暗かった古屋中が光に照らされ、青光りの稲妻が所狭しと走った後、また薄暗くなる、一瞬の出来事だった。


これでいいのかな?

タンは恐々、装置に近づく。

勢いよく光と稲妻を発した装置は大きく傾いて居た、隣のハンドバッグくらいの大きさの木箱が動き出す。

ガタガタ‥ゴソゴソ‥


タンは上蓋を開けてみると、

暗い中から白い物が動いている

やがて震えた二つの耳が出て、

少し怖がった顔が出て来た。

ここは‥?

その白くて怖がっている顔は、

ペルだった。


「やぁ!元気そうだね?

もう大丈夫だよ、ここは安全だから」

タンがペルに言った。


「貴方は‥タン。よく無事で!

知らない間に変な箱に入ってたみたい、ココはどこ?!」

「ココは、ぼくの街。

ぼくが君を呼んだんだよ?」

「そうなんだ!子供たちは元気だよ!わたしは、おばあちゃんになったけどね。」

「そか!良かったー皆んな無事で元気なんだな?」


タンとペルの再会、

タンが預けた石によってこの装置を動かし連動してテレポート出来た仕組みだった。

タンのおじいちゃんが、昔話の様によく話していた事を旅の始めに思い出して今、その事が実現した。


タンは、その後の経緯とここでの情勢をペルに話す。宿命的な生い立ちとペルとの運命的な出会い、どれも今、ここに再会した事が現実だった。

ペルは冷静に話しを聞く、そして口を開く。


「わたしも力になりたいな。」

「‥うん、ありがとう!」


二匹とも満面の笑みになる、

暫く寄り添う二匹の猫たち。

古屋の外は、寄り添う二つの月灯りで昔と同じとても明るい夜空だった。





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