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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第十章 - 黒い群衆





教会の長椅子で居眠りしてるタン、

外が騒がしくて気になり窓から様子を伺うタンに異様な光景が写って居た。

空には、青空を覆い尽くすくらいの黒い風船の様な群衆だった。

騒ぎに気が付いた住民たちは、空を見る。


「な、何だコレは?!」


牧師もニコルバも同じ声をあげて空を見て居るとやがて一つ、二つと割れ始め霧の様な物が降ってくる。


「ん?‥あっ!皆逃げろ!!」

ニコルバが叫ぶ。


「コレに触れてはダメだぁーッ

早く逃げろ、逃げろーッ!」


何が何だかわからない住民たちを大声で避難させるニコルバ。

次々と割れて降り出す謎の霧、

一人、二人の住人がその霧に触れてしまう、すると苦しそうな声をあげ暫くして消えてしまった。

あっという間の出来事で牧師と住人、タンまでも唖然として居る。


ニコルバが言う、

「これは、パロ軍が開発した最新の化学兵器だ!穀物で採れた酢と酸、それに死んだ者の骨がら出来ている。

前に聞いた事がある、これは死の霧だ!王家の呪われた死人の骨でできているからだ!触れた者を、この世から全て消し去り死の世界ではなく時空を超えて他の世界へ連れ去ってしまう恐ろしい物だ!」


血相をかいて説明するニコルバ、

そうとは知らない住人は雨のあまり降らない地に恵みの霧だとまだ外に居る。何名かわ消し去られてしまった後だった。土地柄、傘など持ち合わせて居ないので家へ避難するしかない。

タンもこの状況下では、家中で避難さながら外を見守るしかなかった。

まだまだ浮遊している沢山の黒い風船群、風が無いおかげ通り過ぎるのも時間がかかる。


「これはもううかうかしてられないな、奇襲をかけてくるパロ軍の様子ではこの街を壊滅させたくて仕方ないんだろうと思うぞ。だけど、こちらも考えて居なかったわけでは無いからな、策を練ろう今夜は。」


ニコルバは声のトーンを低くしてそう呟く、教会内でその声だけが緊張の空気の中で不気味に響いていた。







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