そいつとわたし
ふと思いついた殴り書き。
もともとはパラレルワールド系が書きたかったのに途中から自分でも何が書きたかったかよくわからないもの。
’’今日のおすすめの本’’
そう書かれたコーナーに足を運ぶ。
そうして、気に入った本を見つけ出し、手に取ろうとしたその瞬間。
一瞬だった。
瞬きを一度するかしないか。
その程度の時間で全てが変わっていた。
別に、特に周りの風景が変わったとか、そういうことじゃない。
’’私’’の意識が、世界に対する見方が、変わっていたのだ。
そうして、私はしってしまった。
ーーーここは、パラレルワールドだ、と。
気が狂ったのかもしれない。
夢ならあまりにも悪趣味だ、早く覚めて欲しい。
でも、どんなに願ってもこれはまぎれもない現実のことで。
そうして、それは告げていた。
’’逃げろ’’と。
一目散に走った。
どこに行くか、なんてあてはない。
ただ、ここから早く離れなければ。
だから走った。
どれだけ周りから見られ、目立っていても。
命と変えられるわけじゃないから。
そうして、もう少しで安全だというところで、出会ってしまった。
あの、悪魔に...。
「そこから先は覚えていない。気づいたら全ては終わっていたんだ」
私の話を冗談半分に聞いていたそいつは聞き終わるとこういった。
「…そいつの顔はもしかしてこんな感じかい??」
「…は」
そう言ったそいつの顔はあの男にそっくりだったーーー。