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もう戻れない

作者: 増田和崇

もう戻れない……

当たり前だが1分前にも、昨日にも。


もう過去のあの時には戻れない…

当たり前の事。そうやって生きてきた。

眠れない夜にFMラジオをに電源を入れると懐かしい映画音楽が流れてきた。

中学生の頃にヒットした映画だったかな…

特徴のあるなんとも言えないメロディー。

その頃の自分を思い出す。その頃の家族の事を思い出す…

今は死んでしまった人達が頭の中の映像として登場してきた。

その死んでしまった人達の事を可能な限り思い出してみた…

超高速なビデオ映像として頭の中を駆け巡った。

急に寂しくなった…

もうあの人達には会えない…

過去には戻れない…

急に猛烈に不安になった。押し潰されそうな不安。怖い。

まだ実家の両親は健在だ。帰郷してもいつもと変わらずにいるだろう…と思いたい。


去年親戚の叔父さんが突然死んだ。ついこの前元気に会ったばかりの人が突然死んだから驚いた。

だから親父や母さんが突然死んだら…と少しだけ想像してみた…


猛烈な不安が押し寄せて来た…


世の中には早くして両親を亡くしてしまった人達はごまんといる。今更ながら思う…よく正常な精神状態でいられるなと。


3年前に祖母が亡くなった。その少し前に祖母が死んだ時の事を想像した時もやはり不安になった。


もし、死んでしまったら写真を撮ることも出来ないから今のうちに今度帰ったらたくさん撮ろうとか、会話を記録しようとか…


今考えると、亡くなった後の思いより亡くなる前にそうなる事を想像する方が不安な気持ちになったような気がする。


だから「今」リアルに親父や母さんが亡くなった時を想像すると、精神的支柱というか安住の地が無くなると言うか、帰る場所が無くなる、頼る場所が無くなる怖さが大きい……


大海に小さな舟で一人に漂うような孤独感…


天涯孤独の人は前からこういう心情なのだろうか。

恐ろしい…


不安というものは、まだわからない未来を想像するから不安になる。

1分未来も解らないのだ。何が起こるか誰も予測できないのだ。予知能力でもない限り。

だから不安になる。わからないから怖い。怖いから不安。そして明日になり、また明日の不安に悩まされる。

1ヶ月後は?6ヶ月後は?1年後、10年後、20年後は?恐ろしい。わからないから怖いんだ……




戻れないから、過去に固執しても仕方がない。未来に生きよう。未来を想像して、今を生きよう。

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