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くもりのちはれ。  作者: Kiyomiya
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疲れ目かと思ったらそうじゃなかったみたい

 夏頃、私は今まで務めてきた仕事とは別に、仕事を一つ増やした。子どもがある程度大きくなって、日中に時間ができたからだ。


 まだ夜が明けきらない時間から仕事に行き、子どもが学校に行く時間には帰宅する。毎日が大掃除並みに掃除する家庭は別だが、我が家の家事は午前の二時間くらいで終わってしまう。午後は子どもが帰宅するまで暇だった。

 早朝勤務の仕事を辞めて、普通の昼パートをしようとしようと求人に応募してみるも、核家族にありがちな、子どもの学校が無い日や早退、子どもの病欠、子どもの持病などの面で休みを希望するとどれも不採用になってしまった。だから、現在の職をやりながら内職というものをやってみることにした。いわゆるWワークというやつだ。

 日替わりで違うものを加工できる内職は楽しくて、ついつい時間を忘れて没頭してしまい、昼ごはんを食べ忘れるなんてこともあった。

 細かい仕事が多くて、目を酷使している自覚はあった。

 ふた月くらい経つと疲れが出たのか、肩こりや頭痛、目がしぱしぱするなどの症状が出始めた。夫や友人は内職を辞めるように言ってくれたけれど、内職は本当に楽しくて、ある意味ストレス解消にもなっていたから忠告を聞かずに続けた。

 そんなある日、ふと目にしたバーコードが波打って見えた気がした。じっと見るとそれはすぐにおさまり、「ああ、疲れ目か」と思った。その状態はその後も頻繁にあり、左右の視力に差がでている様な違和感を感じ始めた。日が経つと、近くのものが見にくくなる時があるなどおかしいと感じたが、若くても老眼になると聞いたことがあり、つい放っておいてしまった。

 そして、更に日は経ち、自分の左眼が明らかにおかしいと気付いた。

 気がついたきっかけは、普段は左から外しているコンタクトを、右側から外した時だった。

 明らかに見え方が変だった。コンタクトが付いているのに、左眼の中心部分が灰色にぼやけて見えなかったのだ。幸い、見えない部分は小さくてそこまでの恐怖感は湧き上がってこなかったけれど、自分に無頓着と言ってもいいくらいの私でも流石に驚いた。

 夫が帰宅し、ごく軽い口調で打ち明けた。

「前からおかしかった目だけど、片目の一部分が灰色に抜けてて見えない部分があるんだよね。老眼ってそんな症状あるのかな」

 その時、夫の瞠目というものを初めて目にした。

 

 そして私は夫に急かされて、近所のクリニックに受診することになる。

 

 

 

 

 

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