表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ~相棒誕生~

西暦20××年。日本では、『インセクト・バトル・ゲイム・システム』。

一般通称『ムシカゴ』というゲームが空前のヒットを飛ばした。


ホログラムで構成された自分と相手の『ムシ』を戦わせるゲームだ・・・・。




~~~~~~~~~~




【・・・本社の製品である『IBGSインセクト・バトル・ゲイム・システム』、通称『ムシカゴ』は、ホログラムによって生成された『ムシ』のデータを使用して戦います。

 この製品を使用していただく点でいくつかご注意が・・・・


「(そんなものはいいや)」


『僕』はそう思うとその注意書きの書かれたページを読み飛ばしてしまった。

次のページにはこう書いてあった。

はした金の小遣いをほとんどはたいて購入したのだ。一刻も早くやりたい。


【本製品で生成されるムシは、お客様の思考回路、性格、その他の情報より、初期生成される『ムシ』の型が決定されます。】


【初期生成される『ムシ』は、以下の一覧より選ばれます。

○『カブト、クワガタ』 タイプ


○『ハチ』 タイプ


○『チョウ』 タイプ


○『バッタ』 タイプ


○『トンボ』 タイプ


これ以外にも、稀に『レアタイプ』というタイプに派生します。】


「(へえ、面白そうだな)」


男心をくすぐられる。特に『レアタイプ』というのは興味深い。

早速、デバイスを手に取り、先端の起動スイッチを押す。

ルービ○クキューブの様な形をしているな。


(ポン)


起動音らしき音とともに、僕の目の前に電子画面が表示された。


【このたびは『ムシカゴ』をお買い上げいただき有難うございます。

 お名前をご入力ください。】


「『音羽おとはね ひびき』っと・・・。」


【個人情報をご入力ください。】


「20××年6月30日生まれ。14歳・・・・。」


表示されていく質問にあわせて次々と回答を打ち込んでいく。

電子パネル式入力もなれたものだ


(ポン)


【それでは、『ムシ』を生成します。

 質問にあわせて回答していって下さい。】


「(キタコレッ)」


【あなたの性格を一言でいうなら?】


【好みの色は?】・・・・・・


随分と簡単な質問だな、と思いつつも、さっきと同じ、いや、早い速度で回答を打ち込む。

さあて、どんな『ムシ』ができるかな~。


(ポポン)


【『ムシ』を生成中・・・『ムシ』を生成中・・・。】


「よっしゃ、あとは待つだけだな。」


一からホログラムを生成しているためか、時間がかかるらしい。

その合間に月曜の宿題を片付ける。数学は敵だっ!!




~~~~~~~~~~20分後~~~~~~~~~~




【テレッテン!】


【『ムシ』の生成が完了しました。】


【ステータスを確認して下さい。】


「お、出来たか。」


軽快な音とともに生成完了のアナウンスが流れる。

デバイスに駆け寄り、電子画面を覗き込む。


《カブトムシ(ヤマトカブト)》

カブト・クワガタ タイプ

突撃力:55

甲殻力:55

回避力:20



「・・・・まあ、初期段階だとこんな感じだろうな。」


説明書によると、『ムシ』のパロメータは、200までで決定されるらしい。

戦闘を重ねる事によって、増加していくようだ。

初期段階にしては、カブトムシらしく、突撃と甲殻が高い。

しかし、カブトムシ(ヤマトカブト)とは、随分とありふれたものだ。自分だって飼ったことがある。

もうちょっとひねった奴を・・・



「うん?」


パロメーターの下に見慣れない文字が書いてある。


《特殊能力》

【底力:ピンチ時、全ての能力が底上げされる。

 硬化:一定時間、甲殻が硬くなる。】


手元の説明書をめくってみる。


【特殊能力】

【『ムシ』に付属している能力です。

『ムシ』のタイプによって種類は様々です。

特殊能力にもレベルがあり、戦闘を重ねるごとに強化されます。

初期段階では、最大で2つの能力が付与されます。

※特殊能力《底力》はカブトムシ(ヤマトカブト)のみ付属します。】


ほう、これも面白いや。特に、このヤマトカブト限定付属のスキル、《底力》がついてる事も嬉しい。

かなり使えそうな能力だ。前言撤回。このままでいいです。




ステータスの確認も適当に終わらせて、まずは、ホログラムで姿を確認する。


・・・・・見慣れたカブトムシの姿が浮かび上がった。

僕が飼っていた個体よりも赤みがかかってかっこいいじゃないか。

こいつがこれから、ぬるぬる動いてくれるのかと思うと、ワクワクだ。




「うおっ!」


突如、デバイス全体が赤く光りだす。

どうやら、バッテリーが不足しているらしい。

『ムシ』の生成というかなりの作業を行なったためだろうか。

こんな事もあろうと思って、すでにアダプターは用意してある。


「接続完了っと。」


しっかりと、充電中の文字が表示された事を確認して、布団に入り込んだ。


すでに夜中の零時ちかい。

もっといじっていたいが、学業に支障が出るのはさけたい。



明日は早速バトルでもしてみっかな・・・・・。





僕は眼を瞑って眠りについたーーーーーーーーーーー。



図鑑:カブトムシ(ヤマトカブトムシ)

主人公・響君の『ムシ』。今も昔も皆の人気者。

一本角がカッコイイ。

北海道を除いた多くの範囲に生息する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ