☆~6~☆
遅くなってすみませんm(_ _)m
リアルが忙しくて…。
あとから色々変更するかもしれません。
また、最初はエルト。最後は前に書いた人間視点です。
ーーーなん、で……
まるで頭の中で鐘を鳴らしているかのように頭がズキズキと痛み何故こうなったのか考えられない。目頭も熱くなる。
『何でなの……』
さらに頭の痛みが酷くなり、視界も歪む。もう、訳が分からない。私は、私は、私は、私は、私は、わたしはっ!!!……………………………どうすれば、いいの?
つぅと、頬に生暖かいものがつたる。汗なのか涙なのか、はたまた返り血なのか判断する余裕すらなかった。
『エ、ルト……。よく、ね、聞き……なさい。』
突然聞こえてきた、聞き慣れたその声はわたしの頭の中で鳴り響いていた鐘の音を少し弱めてくれた。
『お母さん…?』
『えぇ、そ…うよ。エルト。よく、聞いてほしいの…。』
お母さんの声は弱々しいかったが、とても凛としていてこの場を包み込んだ。
ふと、目の前の状況が確認できるようになった。お母さんの体が可笑しなことになっている事に気づき、また頭が痛くなりそうになったが何とか頭を降ってそれを抑える。
私は、竜の姿から人間の姿に戻りお母さんのもとに駆け寄った。
「お母さんっっ!!」
近づくにつれて、お母さんの怪我の酷さがわかる。片方の翅は根元からなく、お腹からは先有り得ないほどの血が流れ出し、神竜族の心臓と言える神魔石が半分ほど見えている。
ひと目で、もうお母さんが助からないことに気づく。それと同時に頬に生暖かいものが沢山落ちていく。
お母さんのもとにたどり着くと、目を合わすために顔と顔を近づけてお母さんの額をゆっくりと撫でる。お母さんは、気持ち良さそうに口を緩めて目を細める。
『エルト、ありが、とう。普通は、ぎゃく、なんだ……けどね…。』
「どう致しまして。そんなに喜んで貰えて嬉しいよ。じゃあ、お母さんはこの倍、私を撫でてね。」
このお願いはもう叶えられる事はないだろう。そう分かっているが、口に出さないと気がすまなかった。
『ふふ。ええ、分かった…わ。じゃあ、あた、しから、もお願いする……わね…。エルト、忘れ、ないで……。憎しみに、捕らわれては……いけない。例え、どんな事があろうとも、決して……。』
どんどん、お母さんの瞳から光が消えていく。私は、それに気づきつつ、知らないふりをする。
『そして、エルト…。あたし達、は、あなたを、これ、から…も、ずっと…心から、あい、し…て、いま…す……。』
瞳から、完全に光が消える。
「うん、私も愛してる。愛してるよ…」
私は、静かにお母さんの頭を抱きかかえる。
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「ちっ!こんなにしくじるとはな…。」
王子が普段は使わないような言葉で現状を罵る。
しかし、本当に王子の言う通りだと思う。俺達は人間の中で一番実力を持っている隊だと自負している。しかし、それが油断に繋がった。
今や、12人中8人は死に、残り4人は全員骨を3カ所以上折り、脚を一本無くすなど今こうして生きていられることが不思議なくらいだ。
俺達も一度死を覚悟したが、殆どの怪我の原因である神竜が、何故か俺達を庇った神竜に気をとられている間にプライドも捨て必死になって逃げた。
「どう、あいつに言い訳をすればよいのか…。」
王子が辛辣に呟く。いや、王様をあいつって…。流石に王子でも罪に課せられるぞ…。
はぁ、でも本当に帰ったらどうなるんだろうか…。英雄と呼ばれるか、はたまた愚鈍と呼ばれ蔑まれるのか…。
「はぁ……。俺らどうなるんだろうか。」
俺の呟きは、誰にも聴かれることはなく空へと消えていった。
『』→竜の姿での念話的なもの
「」→人間の姿で話すor人間達の会話