~9~
遅くなってすみません(;´Д`)
今回は長めに出来た筈です。
誤字、脱字を教えて頂けると嬉しいです。
「ありがとう。助けてくて!死ぬかと思ったよ。僕の名前はロイ!良かったら君の名前も聞いていいかな?!」
「はぁ……?」
憎しみよりも呆れが勝るが、それは一瞬の事で直ぐに憎しみがに捕らわれる。無意識に、手のひらに魔力が集まり、段々と私が望む形に形成されていく。
魔力で造られた氷が私の意思に沿った形になろうとしていた。そんな時。
「ロイ!!あれほど1人で森の奥にいくなと……!!」
「まぁまぁ、生きてたんだから別に良しとしようよ。……ん?ロイ、君の目の前にいる人は誰?」
突然、横の背の高い草むらが揺れ、そこから目の前の人間の仲間らしき男2人が、姿を表す。
私はそのことに酷く驚く。人の姿となった今でも、竜の姿よりは劣るが視覚、聴覚、嗅覚などの感覚が鋭い。なのに、人間2人(最初に喋った方を青髪男、次に喋った方をオレンジ髪男としよう)が来るのを気づくことが出来なかった。つまり、それ程、目の前の人間の男を殺そうとする事に集中していたらしい。
早速、約束を破ろうとした自分に腹立つ。だが、仕方ないじゃないか!!あいつらは皆を殺した奴らと同じ人間なんだよ?!そんな感情やお母さんとの約束、苛立ちがグルグルと私の中で渦巻く。
「あぁ!!ランにヴァロ!!会えて良かった!此方は僕を助けてくれた…えっと、名前を聞いていいかなぁ…?」
再びロイが私に名を聞いてくる。
出来るなら、もう少し気持ちの整理がついてから話したい。本当はお母さんとの約束をきちんと守り、人間に復讐せずにいるのが良いことだと頭では理解しているが。だが、前世と今世の私が人格がそれ全てを否定する。
嗚呼、どうすれば、どうすればいいの!!
そんな事を考える間も刻一刻と時間が過ぎる。
人間たちの顔に怪訝の色が垣間見え始める。
何か、何か、何か言わなければ!!なにがなんでも!!
「えっと……あn「リアだ。」…ん?」
ロイの不安な声に被せて名前を名乗る。勿論、偽名だが。だが、偽名だとしても名乗れて良かった。
よくやった!!という思いと、何故人間なんぞに名前を教える!!という思い、対局の2つが私の中を占める。とても不思議な気分だった。
「だから、リアだ。」
「そうかリアって言うのか!助けてくくれてありがとう!何か、お礼がしたいんだが。」
ロイは、私の名前を聞くと否や、私の両手を無理やりとり、上下にブンブンと音がするほど振る。何故だろう。目が異様に輝いて見えるのだが。
「ロイ!!そいつから離れなさい!」
青髪男が私からロイを剥がす。青髪男は、まるで私が悪人であるかのように敵意剥き出しの目で睨む。
私は、そのことに先程とは違った苛立ちが募り、睨み返す。しかも、少しずつ魔力を解放しながら。青髪男は、私の魔力を感じたのか、一瞬怯みつつロイを後ろに庇い、腰にある細身の剣の柄に手を掛ける。まさに一足即発の危機であった。
「はーい。ストップ、ストップ。2人とも出したもの引っ込めて。特にリアさん?君のそれは少しばかり、いや、かなぁーり純度が高くて俺たちにとってちょっとばかし、刺激が強いんだよ。ほら、ロイも固まっちゃってるし。確かにランが最初に仕掛けたのが悪いんだけどねぇ~。」
そこへ、オレンジ髪男が飄々とした態度で仲裁に入る。言い方は軽い。だか、魔法の純度をこの一瞬で分かるなんて、普通じゃ有り得ない。このオレンジ髪男が1番侮れないかもしれない。そんな事を考えつつ青髪男を見る。すると、青髪男しぶしぶと剣の柄から手を離す。それを見終えてから、魔力をしまう。
「はいはい、お2人さんありがとう。それと、ラン。リアさんに謝りなよ。リアさん、ロイの恩人なんだし。」
オレンジ髪がそう言うと、青髪男の後ろで固まっていたロイがはぁっ!!という顔をして
「そうだよ、ラン!!リアさんに謝って!!」
「何故、私が、こんな身元もわからない奴に謝罪など!!例え、ロイを助けていようと……ん?ロイを助けた……?」
2人に言い寄られた青髪男は、途中で言葉が詰まる。私は不思議に思い首を傾げる。
すると、青髪男は
「す、すみません!!!まさか、ロイの恩人だったとは!!先ほどのご無礼お詫びもうしあげます!!」
と言いながらきっちり90度に腰を折り曲げる。
おーい、さっきの態度はどこ行ったと、言いたくなるほどの身の変わりよう。ある意味凄い。というか、ロイは私に助けられたと最初に伝えた筈なのだが……?聞いてなかったのか?
「まぁ、ランもちゃんと謝った事だしリアさんも許してくれないかなぁ?」
オレンジ髪男が、青髪男を庇うように、私に許しを求める。
「あぁ、別に構わない。」
本当にどうでもよくなっていたので直ぐに返事を返す。
「リアさん本当ごめんね?ランは思い込みが激しいだけで、本当はいい人だからね。あっ!!そうだ!まだ、ランとヴァロの紹介してなかった!えっと、こっちのオレンジ髪がヴァロージャで、こっちのちょっと思い込みが激しいのがラングレーだよ!」
ロイがそう言うと、オレンジ髪男ーーヴァロージャと、青髪男ーーラングレーが、
「気軽にヴァロって呼んでね」
「私の事は、ランとお呼び頂けると嬉しいです。」
と、追加する形で軽く自己紹介をする。
「ところでリアさんって、どうしてこんな森の奥に??」
ロイが今頃な質問をする。
「身内とこの奥で住んでたんだが、身内が殺されて私だけが残されてしまったので、どうせならっと家を出てきたんだ。」
私は色々端折っているが、真実を伝える。ここで嘘をついても良かったが、後々ぼろが出て自分が困るのが嫌なだけで……ん?なんで、この3人と一緒にいるのが前提に考えているだ?
私は、こんな事を考えていただけだったが、相手は私が思い出して落ち込んでるように見えたのか、ロイはオロオロしだす。
「ご、ごめん。嫌なこと聞いちゃって。……ねぇ、リアさんって今後の予定とかある?もしなかったら、僕達と一緒に街まで来ない?助けてもらったお礼もしたいし……。」
街か……。行ってみたい気もするが、いつ私の気持ちが爆発してしまうか分からないし、人間の中に紛れる自信がない。でも……。
「今後の予定は何もなし、逆に貴殿らと一緒に行けるのは有り難い。」
私は、Yesと返す。これで、私が何故3人について行く前提で考えてたのかわかるかもしれない。そう考えて、無理やり黒くもやもやした気持ちを奥に押し込んだ。
「良かった!!じゃあ、改めて宜しくね!リアさん!」
「よろしくねぇ~。」
「宜しくお願いします。」
ロイに続けてヴァロージャとラン言い、ロイが手を差し伸べてくる。
「宜しく頼む。」
私は、ぶっきらぼうに言いながら、これで何かが変わるかも知れないと思いながらその手を握る。
そして、私は3人の仲間となる選択をした。
だか、この選択が、運命の歯車を大きく動かしていたなんて、この時はまだ知るよしも無かった。
読んで下さってありがとうございます(*^-^*)
なお、この作品はスマホから投稿しているので、パソコンなどで読みにくい場合は申し上げありません。
途中で魔法の純度の話を出しましたが、同じ魔法を撃つにしても魔法の量が、純度が高ければ少量で済み、純度が低いと大量に必要になるという定義でやっています。
もし、言っている事がわからん。って、言う方はお手数おかけしますが、感想欄に書いて下さい。