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幸せを。  作者: 白虎
幸せ探し中…。
11/13

~9~

遅くなってすみません(;´Д`)

今回は長めに出来た筈です。

誤字、脱字を教えて頂けると嬉しいです。

 「ありがとう。助けてくて!死ぬかと思ったよ。僕の名前はロイ!良かったら君の名前も聞いていいかな?!」 


 「はぁ……?」


 憎しみよりも呆れが勝るが、それは一瞬の事で直ぐに憎しみがに捕らわれる。無意識に、手のひらに魔力が集まり、段々と私が望む形に形成されていく。

 魔力で造られた氷が私の意思に沿った形になろうとしていた。そんな時。


 「ロイ!!あれほど1人で森の奥にいくなと……!!」

 

 「まぁまぁ、生きてたんだから別に良しとしようよ。……ん?ロイ、君の目の前にいる人は誰?」

 

 突然、横の背の高い草むらが揺れ、そこから目の前の人間の仲間らしき男2人が、姿を表す。

 私はそのことに酷く驚く。人の姿となった今でも、竜の姿よりは劣るが視覚、聴覚、嗅覚などの感覚が鋭い。なのに、人間2人(最初に喋った方を青髪男、次に喋った方をオレンジ髪男としよう)が来るのを気づくことが出来なかった。つまり、それ程、目の前の人間の(ロイ)を殺そうとする事に集中していたらしい。

 早速、約束を破ろうとした自分に腹立つ。だが、仕方ないじゃないか!!あいつらは皆を殺した奴らと同じ人間なんだよ?!そんな感情やお母さんとの約束、苛立ちがグルグルと私の中で渦巻く。


 「あぁ!!ランにヴァロ!!会えて良かった!此方は僕を助けてくれた…えっと、名前を聞いていいかなぁ…?」


 再びロイが私に名を聞いてくる。

 出来るなら、もう少し気持ちの整理がついてから話したい。本当はお母さんとの約束をきちんと守り、人間に復讐せずにいるのが良いことだと頭では理解しているが。だが、前世と今世の私が人格がそれ全てを否定する。

 嗚呼、どうすれば、どうすればいいの!!

 そんな事を考える間も刻一刻と時間が過ぎる。

 人間たちの顔に怪訝の色が垣間見え始める。

何か、何か、何か言わなければ!!なにがなんでも!!


 「えっと……あn「リアだ。」…ん?」


 ロイの不安な声に被せて名前を名乗る。勿論、偽名だが。だが、偽名だとしても名乗れて良かった。

 よくやった!!という思いと、何故人間なんぞに名前を教える!!という思い、対局の2つが私の中を占める。とても不思議な気分だった。 


 「だから、リアだ。」

 

 「そうかリアって言うのか!助けてくくれてありがとう!何か、お礼がしたいんだが。」


 ロイは、私の名前を聞くと否や、私の両手を無理やりとり、上下にブンブンと音がするほど振る。何故だろう。目が異様に輝いて見えるのだが。


 「ロイ!!そいつから離れなさい!」


 青髪男が私からロイを剥がす。青髪男は、まるで私が悪人であるかのように敵意剥き出しの目で睨む。

 私は、そのことに先程とは違った苛立ちが募り、睨み返す。しかも、少しずつ魔力を解放しながら。青髪男は、私の魔力を感じたのか、一瞬怯みつつロイを後ろに庇い、腰にある細身の剣の柄に手を掛ける。まさに一足即発の危機であった。


 「はーい。ストップ、ストップ。2人とも出したもの引っ込めて。特にリアさん?君のそれは少しばかり、いや、かなぁーり純度が高くて俺たちにとってちょっとばかし、刺激が強いんだよ。ほら、ロイも固まっちゃってるし。確かにランが最初に仕掛けたのが悪いんだけどねぇ~。」 


 そこへ、オレンジ髪男が飄々とした態度で仲裁に入る。言い方は軽い。だか、魔法の純度をこの一瞬で分かるなんて、普通じゃ有り得ない。このオレンジ髪男が1番侮れないかもしれない。そんな事を考えつつ青髪男を見る。すると、青髪男しぶしぶと剣の柄から手を離す。それを見終えてから、魔力をしまう。


 「はいはい、お2人さんありがとう。それと、ラン。リアさんに謝りなよ。リアさん、ロイの恩人なんだし。」


 オレンジ髪がそう言うと、青髪男の後ろで固まっていたロイがはぁっ!!という顔をして


 「そうだよ、ラン!!リアさんに謝って!!」

 

 「何故、(わたくし)が、こんな身元もわからない奴に謝罪など!!例え、ロイを助けていようと……ん?ロイを助けた……?」


 2人に言い寄られた青髪男は、途中で言葉が詰まる。私は不思議に思い首を傾げる。

 すると、青髪男は

 

 「す、すみません!!!まさか、ロイの恩人だったとは!!先ほどのご無礼お詫びもうしあげます!!」


 と言いながらきっちり90度に腰を折り曲げる。

 おーい、さっきの態度はどこ行ったと、言いたくなるほどの身の変わりよう。ある意味凄い。というか、ロイは私に助けられたと最初に伝えた筈なのだが……?聞いてなかったのか?


 「まぁ、ランもちゃんと謝った事だしリアさんも許してくれないかなぁ?」


 オレンジ髪男が、青髪男を庇うように、私に許しを求める。


 「あぁ、別に構わない。」


 本当にどうでもよくなっていたので直ぐに返事を返す。


 「リアさん本当ごめんね?ランは思い込みが激しいだけで、本当はいい人だからね。あっ!!そうだ!まだ、ランとヴァロの紹介してなかった!えっと、こっちのオレンジ髪がヴァロージャで、こっちのちょっと思い込みが激しいのがラングレーだよ!」

 

 ロイがそう言うと、オレンジ髪男ーーヴァロージャと、青髪男ーーラングレーが、


 「気軽にヴァロって呼んでね」


 「(わたくし)の事は、ランとお呼び頂けると嬉しいです。」


 と、追加する形で軽く自己紹介をする。

 

 「ところでリアさんって、どうしてこんな森の奥に??」


 ロイが今頃な質問をする。


 「身内とこの奥で住んでたんだが、身内が殺されて私だけが残されてしまったので、どうせならっと家を出てきたんだ。」


 私は色々端折っているが、真実を伝える。ここで嘘をついても良かったが、後々ぼろが出て自分が困るのが嫌なだけで……ん?なんで、この3人と一緒にいるのが前提に考えているだ?

 私は、こんな事を考えていただけだったが、相手は私が思い出して落ち込んでるように見えたのか、ロイはオロオロしだす。


 「ご、ごめん。嫌なこと聞いちゃって。……ねぇ、リアさんって今後の予定とかある?もしなかったら、僕達と一緒に街まで来ない?助けてもらったお礼もしたいし……。」


 街か……。行ってみたい気もするが、いつ私の気持ちが爆発してしまうか分からないし、人間の中に紛れる自信がない。でも……。


 「今後の予定は何もなし、逆に貴殿らと一緒に行けるのは有り難い。」


 私は、Yesと返す。これで、私が何故3人について行く前提で考えてたのかわかるかもしれない。そう考えて、無理やり黒くもやもやした気持ちを奥に押し込んだ。


 「良かった!!じゃあ、改めて宜しくね!リアさん!」


 「よろしくねぇ~。」


 「宜しくお願いします。」


ロイに続けてヴァロージャとラン言い、ロイが手を差し伸べてくる。


 「宜しく頼む。」


 私は、ぶっきらぼうに言いながら、これで何かが変わるかも知れないと思いながらその手を握る。

 そして、私は3人の仲間となる選択をした。

 だか、この選択が、運命の歯車を大きく動かしていたなんて、この時はまだ知るよしも無かった。






読んで下さってありがとうございます(*^-^*)

なお、この作品はスマホから投稿しているので、パソコンなどで読みにくい場合は申し上げありません。

途中で魔法の純度の話を出しましたが、同じ魔法を撃つにしても魔法の量が、純度が高ければ少量で済み、純度が低いと大量に必要になるという定義でやっています。

もし、言っている事がわからん。って、言う方はお手数おかけしますが、感想欄に書いて下さい。

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