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第52話 気分が高揚すると何を言い出すか…


お久しぶり(?)です。


期末テストとかいろいろあって更新が遅れました。


まあ、あと他にも原因があるんですけどねw


では、どうぞ。



『いよいよ、この時がやってまいりました……』


カミラの声にいつになく緊張した様子が感じられる。


その空気を感じ取ったのか、観客席も静まり返っている。


『2日にわたって行われた武闘祭、コンビ戦、個人戦共に白熱したバトルが繰り広げられましたが、それも次の1戦で最後です。個人戦の優勝は学園の女番長ことウルティが他の生徒、教師を寄せ付けぬ強さで優勝を掻っ攫いましたが、コンビ戦の優勝争いはさらに熾烈を極めます。優勝候補筆頭だった教師組が相次いで敗北し、なんと、生徒同士の決勝戦が実現しました!』


太陽は既に傾き始めており、雲の切れ間からオレンジ色の太陽が覗いている。


日暮れに備えて武闘祭会場には大型の照明器具が備わっており、今はそれがステージを真昼のように明るく照らしている。


『片や怒涛のファイアーカーニバルを繰り広げた姉弟、片やメイドと共に試合前予想をひっくり返してきた2人、双方がぶつかり合った時、そこに待ち受けるのは一体何なのでしょうか!』


「……まったく、あんな大声がよく2日も続くものじゃ……」


観客席からカミラの演説を聞いていたテトが半ば呆れながら見上げている。


既にフランから朝受けた怪我は治っており、いつもと変わらない姿をしている。


「情報のプロ、どうすればより盛り上がるか、どうすればより目立てるかを心得ているんだろうさ」


その隣には、先ほど個人戦で優勝を決めたウルがこれから始まるタッグ戦決勝を楽しみにしている表情で待っている。


「そういうものなのかのう……、まあ、フランが目立ってくれれば我はバッチグーなのじゃが」


「……結局、結局フルで付き合わされるなんて……」


フランという言葉を自分で言って自分で笑顔になるテトのウルとは逆に座っているテルは、流れで2日間ずっと2人に付き合わされたことに対する疲労からかぐったりとしている。


「さあて、どちらが勝つかね」


「当然、フランじゃ。あんな若輩に負けたら承知しないのじゃ」


「はは、相変わらず、あんたのその姉御一筋にゃ、敵わないな」


もはやこの2人、意気投合もいいところである。















テトたちとは別の場所で、同じく決勝戦の様子を観戦しようとしている者たちがいた。


観客席の最上段、関係者以外立ち入り禁止と書かれたプレートがある柵の先、教職員用の休憩室でジョブはガラス越しにステージを見下ろしていた。


「おお、こんな所におったのか」


ふと背後から声をかけられ、ステージに向けていた視線を休憩室に戻すと、そこには校長であるドランクが立っていた。校長の突然の登場に、休憩室にいた他の教員たちもソファから立ち上がり挨拶をする。


「校長、どうされたのですか? てっきり執務中だと思っていましたが」


「ほほほ、あんなもの、パパーッと終わらせたわい。それよりも、先刻はすまなかったのう、試合を棄権させてしまって」


あらかた休憩室の教員に挨拶を済ませるとジョブの隣までやって来て、そう言いながらステージを見下ろせるソファに腰を下ろす。


「いえ、仕事ですから。教員として当然です」


「そう言ってくれると助かるわい。先方も泣きつく様にこちらの協力を仰いできたのでな。十分な実力を持った者を出すしかなかったのじゃ」


ドランクは心底申し訳なさそうにジョブに言う。


「とはいえ、今日の捕り物・・・は失敗、後方待機していましたが、結局出動もありませんでした。このままではこの町に入られるのも時間の問題です」


「うむ、あやつ・・・は隠れるのが上手い。陰から闇へ、闇から陰へと動き回る。教え子を守るためにも町への侵入は防ぎたいのじゃが……」


そこでドランクは言葉を濁す。


それだけ、事態が困難を極めているという事がジョブにもひしひしと伝わってくる。それは、今日「捕り物」に参加した彼自身も良く分かっていた。


「最悪の事態だけは避けたい。ジョブ先生にはこれから度々仕事が来るじゃろうから、覚悟をしておいてくれ」


「もちろんです。何のために昼間の授業中に仮眠を取っていると思っているんですか」


少しだけ冗談めかしてその事を言うと、ドランクもわずかに微笑を浮かべる。


「頼むぞ、ジョブ先生。まだ事態は公にされておらん故、表だって行動することも出来んのじゃ。よもやここまで接近されるとは、この町の警察も自警団も考えてはおらんかったのでな」


あいつ・・・の恐ろしさは対峙した者しか分からないでしょう。噂だけが1人歩きする、という表現がありますが、まさしくあいつは噂そのものです。どんなに誇張されても実際を上回らない」


「犠牲者が出るような事だけは絶対にあってはならん。登下校、特に部活などで下校が遅くなるようなら教員が途中まで送るという手段も考える。まだ夏前、日は早い」


実際、今日もまだそれほど遅い時間帯ではないが、周辺はうっすらと暗くなっている。


「問題は、人員不足、ですね」


ジョブもステージに視線を戻しながら、今現在彼の頭を悩ませている問題を口に出す。


「この学園から出せる人員はジョブ先生のみ。戦闘・戦術に精通した君なら、この事態の解決策を見出してくれると思ったのじゃが、よもやそれに周囲がついていけないとは思わなんだ」


「仕方ありません。ヘラの町は警察や自警団があるとはいえ、今の今までこれほど重大な危機に直面したことがありません。精々コソ泥の逮捕が関の山でしょう。それほどまでに平和だったということです」


ヘラの町の治安の良さは王国内でもトップクラスだ。


だからこそ、王都で働く政府関係者や、大きなビジネスに従事している者たちが屋敷を建て、ベッドタウンという一面を持ちつつヘラの町は大きくなってきた。人柄の良さもあってヘラの町で起こる犯罪は月に一度あれば多い方、過去には半年間無事故無犯罪という記録を打ち立て、これは未だに王国内で破られていない。


しかし、平和が長く続いてしまったが故に、町を守る警察機関も自警団も特別な訓練のようなものは一切してこなかった。せいぜい、町の構造を頭に叩き込み、道に迷った人たちの道案内が出来るようにしておくことくらいだった。巡回中の警察官が八百屋の店主と話し込んでいても、別に問題はなかった。


「ジョブ先生1人が強くても意味はない。捕り物は連携が命、追い込み漁と同じじゃな」


ジョブはその仕事柄危ない経験も多くしている。


外部からの依頼で他の地域の協力に向かう事も多々あったし、今日の1件も似たようなものだ。まだこの町の管轄になっていないだけの話だ。


「よもや、学生を引き抜くなど、しないでな?」


ステージに向けられるジョブの視線に、そんな不安を感じたのかドランクが厳しい表情になる。


ジョブは苦笑しつつ首を振り、ドランクの懸念を否定する。


「そんなこと、たとえ校長が勧めてもしませんから、ご安心を。ですが1人だけまともに戦えそうなのがいるのは確かです」


「……ファルケン家のメイドかの?」


「っ! ご存じだったとは意外です」


ドランクの口から出てきた単語にジョブは軽い驚きを覚える。


「ファルケン家には内々に協力を打診しておってな。あそこのメイド長と執事の戦闘経験は軍レベルじゃ。頼もしい味方になると思ったのじゃがな」


「断られましたか」


ジョブの言葉に今度はドランクが苦笑し、わずかに肩を落とす。


その行動が答えのようなものだった。


「あっちはあっちで問題を抱えておってな。とてもじゃないがこちらに協力する暇はないそうじゃ。まあ、その問題に関して言えば、儂も内容を知っておるから、強く要請することも出来なんだ」


「と、言いますと?」


ジョブの言葉にドランクは小さく首を振る。


つまりは、話せない、という事だ。


ファルケン家現当主であるクラウス・ファルケンは赤男爵レッドバロンと言われるほど凄腕の政治家だ。そうでなければ国のナンバー2である大臣の座にまで上り詰めることは出来ないだろう。


ジョブも、問題というのは政治的なものなのかもしれないと考え、それ以上追及することはしない事にした。政治的な事であれば、一教員がどうこう口を突っ込める問題でも、その事実を知るべき事でもない。


「その話の流れで1年ほど前から奉公するようになった少女の話が出てきてな。この武闘祭にも参加しているので、よもやと思ったのじゃが、当たりのようじゃな」


「彼女の実力は初戦から見た感じでは申し分ありません。惜しむらくは魔法を使わないのでそちらの実力が未知数なことですが」


一瞬、ジョブの言葉にドランクが表情を曇らせたが、ステージに視線を向けていたジョブはそれに気が付かない。


「とはいえ、ファルケン家がそう言っているのであれば、他を当たるしかないようですが……」


「その点は問題ない」


ドランクの言葉でフランを諦めようとしていたジョブに意外な言葉がかけられた。


「ファルケン家はフランというメイドに関してのみ、危険が及ばない範囲で協力を要請することは認めた。本人の意思を尊重するとのことじゃ」


「どういう、事ですか?」


それでは、先ほどドランク自身が言っていた事と矛盾してしまう。


ファルケン家は今何かしらの問題を抱えており、それに対処するため人員を割くことが出来ないという。それならば、フランも同様に外部に情報が漏れる恐れを減らすという意味でもそう言った協力は受けないものだと思っていた。


しかし、ファルケン家はフランに限り、協力要請をすることを許した。


(……その問題とやらは、フランに関係することなのか?)


自ずと、そんな考えがジョブの頭の中に芽生える。


そうであれば、「フランに限り」という点に合点がいく。フランを問題から遠ざける、もしくはせめて気づかれないようにするために、彼女の関心、視線を外部に向けておく、そんな意図があるのだろうか。


(……とはいえ、余計な詮索は無意味か)


ドランクのさっきの反応からして、ファルケン家の問題が口外出来ないものである事は理解できている。それについてジョブがあれこれ勘ぐるのは迷惑となるだろう。


ならば、今出来る事をやるのみだ。


「分かりました、学園祭の後、頼んでみます」


「うむ、じゃが彼女も本来であれば学園に通うべき年齢じゃ。くれぐれも危険が及ばぬよう、気を付けよ」


「ええ、彼女はもはや教え子のようなものですから。レティア共々心配をかけてくれます」


ジョブは苦笑しながら今朝の出来事を思い出していた。


まるでデジャヴを見ているかのように二度も説教をする羽目になった事を思い出し、フランとレティアが似た者同士であるという認識をジョブは持っている。


しかし、今のドランクの言葉で1つ引っかかるものを感じた。


(本来であれば、つまり学園に通えない理由があるということか。眼帯程度でそうはならないだろう)


フランの詳しい年齢は知らないが、どう考えてもレティアと同世代だろう。


そうであれば、この町にいる以上レティアと一緒に入学していてもおかしくはない。


しかし、そうはなっていない。


(まったく、考えれば考えるほど、訳の分からない事だらけだな、君は)


ジョブはステージにこれから現れるであろう少女の事を思い、そんな言葉を心の中で呟く。















『それでは登場してもらいましょう。まずはこの2人、ホムラ・レイナとホムラ・ミコトの姉弟コンビです!』


歓声が沸きあがり、スポットライトの1つが会場内に姿を現したレイナとミコトに向けられる。


真紅の髪をたなびかせながら、レイナが颯爽と姿を現し、それに付き従う様にミコトが姿を現す。今朝の事もあってミコトの頬には小さな絆創膏が張られている。


『続いては、レティア・ファルケンとフラン・ショーンの主従コンビです!』


再びの歓声。


「うわ、眩し……」


頭上から向けられたスポットライトの眩しさにレティアが目を細める。


「決勝戦ともなると、演出が派手ですね」


「まったくよ……」


生徒の力でよくここまで完成された催し物が出来るものだ、と驚きと感心の混じらせながらそう呟いたフランに呆れた表情のレティアがそう返す。


「おかげでこの2日間は、今まででも一番楽しかったですよ」


「フラン、そういうのはね、優勝した時に言うのよ」


「その時は、またその時です」


笑みを返すとレティアはため息をつくが、その表情は笑っている。


そしてすぐさま表情を引き締めると、視線を反対方向からステージに上ったレイナたちに向ける。


「レイナは溜めの必要な高火力、ミコトは低火力だけど速射性能に優れた攻撃をしてくるわ。レイナの攻撃は1発が要注意だけど、注意しなければならないのはミコトの攻撃よ」


レイナが聞いたら怒り心頭になりそうな台詞だ。


とはいえ、レティアの表情は冗談のつもりでその言葉を言っているわけではない。


「1発の威力が低い分、連射と命中精度がレイナの比じゃないわ。嘘か本当か、毎分240発だとか」


つまり、毎秒4発の魔法を放つことができるという事だ。


その連射のすさまじさにフランは舌を巻いてしまう。


「まさしく、弾幕ですね」


「ええ、反撃のチャンスすら潰し、レイナに特大のを撃たせる……、ある意味、あたしたちと似た戦法ね」


フランたちも、実際にやって来た事は別として、フランが牽制する間にレティアが巨大な1発を食らわせるという筋書きがセオリーだ。


故に、この決勝戦は自分と戦っているようなものになる。


それも、血気盛んなレイナと冷静なミコトのコンビ、苦しい戦いになる事は容易に想像がついた。


「お嬢様は、力勝負でレイナさんに勝てますか?」


「そうね……、真正面からならゴリ押せるわ。だけどミコトの掩護が入ると話は別よ」


単純な火力ではレティアが上、ただしレイナはレティアと違って相方であるミコトから掩護を受ける事が出来る。


2人が姉弟という事で、使用する魔法が同系統であるため、レイナの魔法にミコトが底上げを図る事が可能だ。レティアに対してフランが同じような事が出来ないのと比べれば、レイナたちにはアドバンテージがある。


「けれど、代わりに向こうには近接でフランに敵う道理はないわ」


所持しているものを見る限り、そして今までの試合を観戦してきた限りでは、2人とも引き撃ちのように戦う事がほとんどであった。


相手の接近を許さず、アウトレンジに、一方的に攻撃をする事で相手の反撃を受けることなく風船を割ってきたのだ。故に相手が接近しようとすれば、レイナたちは後退し、ステージ上を円を描く様に移動しつつ決して距離を詰められるような事はしなかった。両サイドから挟まれたとしても、接近を最小限に留めて相手の包囲を突破する。それだけの機転と実力も持ち合わせている。


「相手が誰であろうと、あたしは負けないし、フランと一緒なら負ける要素はない、そう思ってるわ」


「そう言っていただけると、光栄です」


ステージに上がり、中央付近でレイナたちと相対する。


レイナはこの瞬間を待ちに待っていたように目を爛々と輝かせている。まるでお預けを喰らった犬が目の前の餌を我慢しているかのようにうずうずとしている。今すぐにでも戦いだしそうな雰囲気だ。


それに対して隣のミコトは冷静沈着。小さくお辞儀をするとニコリと笑みを浮かべた。


因みに、風船を付けているのはレイナだ。


「ようやく戦えるわね、レティ」


「はあ、あなたが今何を考えているのか手に取る様に分かるわ、レイナ。あと少しだから我慢しなさい」


フラン同様、レイナの様子に気が付いていたレティアが、呆れつつも嗜めるようにそう呟く。


「あなたを倒すためにミコトと三日三晩考え抜いた戦術がようやく使えると思うと、心が躍るわ」


「それで目の下の隈、酷かったのね……」


「このあたしの『レイナ・スペシャル』が炸裂した時、あなたはあたしの前に跪き、赦しを乞い、あたしの下僕と成り下がるのよ!」


「あ~、すいません、姉さんは対戦を前にちょっとここがアッパッパーになってるようです……」


まるでどこかのお姫様にでもなったかのように高らかと勝利宣言をするレイナに、ミコトが少し疲れた様子で詫びを入れる。


「とはいえ、僕も負ける気はありませんので、全力で行かせてもらいます。どうぞよろしくお願いしますね、お2人とも」


姉であるレイナにも欠片でも良いのでミコトの礼儀正しさがあれば、と思ったがさすがに口に出すことはしない。


「フランさんも、この試合に負けたらあたしのメイドになる、なんてどう?」


「は、はいぃ?」


気分が高揚しすぎて自分でも何を言っているのか分かっていないのではないだろうか、と思ってしまう。


フランが返答に困っているとフランとレイナの間にレティアが割って入る。


「フランはあたしの・・・・メイドよ。だ~れがあなたなんかに渡すもんよ」


「あ~ら、言うじゃない。ならこの勝負、勝った方がフランさんを好き勝手出来る、という事で良いかしら?」


「いいじゃない、その勝負受けようじゃない!」


「あ、あの、あたしの意見は……」


売り言葉に買い言葉、という奴だ。


レティアも先ほどまでの冷静さが嘘のようにレイナに噛みついている。


「ね、姉さん、あまり下手な事を言うと、後が酷いよ?」


ミコトもさすがに止めに入るが、今やレイナとレティアは2人の間で壮絶な火花を散らしていた。


「やはり、レティ、あなたフランさんとこういう仲・・・・・なのかしら?」


「な゛っ!!」


レティアの身体が陰になってフランからは見えないところで、レイナが何かの仕草をし、それに対してレティアが喉がおかしくなりそうな悲鳴じみた声を上げる。


そしてあっという間に顔が紅潮していく。


「あら、その様子だとあの新聞記事は嘘八百というわけじゃなさそうね……」


その様子にレイナもそれまでの高慢な態度が消えて普段の彼女になる。


「……も、もう許さない! 泣いて謝って懺悔して後悔して地獄に落ちて針山地獄で『レティ様ごめんなさい!』と懇願しても絶対に許さない! 生きている事を後悔させてやるわ!」


散々にまくし立てて自らの動揺を誤魔化そうとしているようだが、さすがに無理があった。


レティアの言葉をぽかんと聞いていたレイナは最後まで聞くと意地汚い笑みを浮かべる。


「はっはーん♪ これは、楽しみね。レティの集中を削ぐためにネタを集めてきたんだけど、フランさんのネタ一本の方が確実そうね」


「姉さん……」


さすがのミコトもこれには突っ込みを入れざるを得なかったようで、即座にレイナのポケットに手を突っ込むと中に入っていたメモ帳を引っ張り出して焼却処分してしまう。


「はあ……、正々堂々、やりましょう」


「そ、そうですね。ミコトさんも大変なんですね」


「お互い様ですよ、フランさん……」


「ちょ、あたしがいつフランに迷惑かけたのよ、ミコト!」


何故か、フランとミコトはお互いに似た何かを感じ、お互いに労いの言葉をかける。


それに納得いかない2人が何か騒いでいるが、今の瞬間だけは無視する。















『あ、あの~、ボチボチよろしいですか?』


話の切りの良いところを探っていたカミラが、ようやくその隙を見つけて降りてきた。


「ええ、いつでも良いわよ。おっぱじめましょう」


「フラン、加減はいらないわ。あのお馬鹿さんに1発ブチかますわよ」


「姉さん、熱くなりすぎないでね」


「お、お嬢様、とりあえず試合前から魔法唱えないでください。ルール違反です……」


『え、ええと、ああもう! とっとと始めますから、後は試合でやって下さい!』


最初の真剣な空気はどこへやら、ステージ上の4人にいい加減我慢できなくなったのか、カミラはそう叫んで高度を上げていくと、高らかに腕を振り上げる。


それを見てようやく4人は戦闘モードに入り、お互いに距離を取る。


カミラがそれに満足げな表情を浮かべると、マイクを口に近づけ、満面の笑みと共に振り上げていた腕を真下に振り下ろした。


『決勝戦、ゴーッ!』


親知らずを抜きに行ってました、どうもハモニカです。


右の頬が腫れて結構辛い日々を送っています。


しかし、左も抜かなければならないので8月、9月は物凄く憂鬱です。ああ、早く終わらせたい。






えー、そんなわけで、決勝戦入れませんでしたw


今回はとりあえず学園祭以降のフラグをチラホラ(むしろあからさまに?)立てておく回でした。はい、ようやく本筋が見えてきます。


そういえば、以前話していた番外編なのですが、ここ最近テトが暴れまわっていたのでもう少し先にしたいと思います。番外編もテトが大暴れするので、さすがにこうも連続だと作者の気分が、ねw


では、また次回。


誤字脱字報告、ご感想などお待ちしております。

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