第10話 メイドは友に恵まれた
10話です。
二桁に乗ったぜぇー、イエーイ。
いや乗らない事は絶対ないだろうとは思ったましたけどさ。
やっぱり一つの通過点みたいな感じなんですよ、10話とか20話とか30話とか40話とか(ry
それはそうと、今回少しばかり残酷な表現があります。
そう言うのが苦手な方、または文章からその光景を想像するのが得意な方は心を無にして何も考えずに読むことをお勧めします。
では、どうぞ。
「うへぁ……」
「なんて声上げてるの、フラン」
「クレア、あなたのお姉さんのせいですよ……」
朝から情けない声を上げて腰を抑えていたフランにクレアがキョトンとした目を向ける。
昨夜、結局夕食の時間になってもメリスの時間無制限リアル鬼ごっこは終わらず、フランが疲労でぶっ倒れるまで続いた。
どうもここ最近メリスのバトルマニアになる引き金が軽くなっているのか、ちょっとした事でメリスが肉体言語を実行するようになっている。
おそらく先日の一件がきっかけになってしまったのだろう。
「一晩寝て治らないなんて、姉さんも随分ときつくしたのね」
「ええ……」
特に昨日は酷く、未だに痛みが引かない状況が続いている。
「でもまあ、男3人吹っ飛ばすなんて日頃の訓練の賜物ね」
「それはそうでしょうけど……」
街中で銃をぶっ放したにも関わらず、昨日の一件は大事にならずに済んだ。その件に関してはメリスもフランを追いまわしながら褒めていたような気がするのだが、それを聞いていられるほどの余裕はフランにはなかった。
因みに、あの後聞いた話では、あの不良三人組は全員グローリア魔法学園の上級生だったとのことだ。いかに名門とはいえ、学園内にはああいう輩の数名、いて当たり前という事なのだろう。学園側からも厳重注意と罰則が与えられたそうで、フランとしては二度とレティアに近寄らなければ何もしない、という気持ちで一杯だ。
「グラントなんか少しにやけてたものね」
クレアが昨夜のグラントを思い出してクスクスと笑いを漏らす。
レティアがずぶ濡れになって帰ってきた事に対してバトルマニア魂を発動したメリスと違い、グラントはフランに「ご苦労さん」と労いの言葉をかけてくれた。
メリスとの追いかけっこでボロボロになったフランを部屋まで運んでくれたのはグラントだったそうだ。グラントはレティアが濡れる事よりも良からぬ人間に引っかけられなかった事に重きを置いたと言ったところだろう。メリスも自分がやりたい事をやった後だったからグラントには何も言っていない。
「メイド長もグラントさんも、お嬢様を想う心は同じなんですよね。ただ、メイド長は、ちょっと、怖いというか、なんというか……」
そこまで感情を表に出すのだから、メリスのレティアへの想いは相当のものだという事は容易に察しが付く。しかし、その度に阿修羅と化したメリスに追い掛け回されるような事は勘弁願いたいフランは二度とこういう事が無いように、と心に深く刻み込んだ。
「ふふ、人間離れしたフランも姉さんには敵わないか」
「メイド長もグラントさんも人類という括りにするのには甚だ疑問を感じます」
この場に2人がいたらどんな反応をしただろうか、と思い笑みを浮かべながらフランは床を拭いていたモップを動かす手を止める。
今日はフランとクレアが掃除当番、メリスは部屋に籠って何やら書類仕事に明け暮れ、グラントは庭の手入れをしている。
寒い冬を乗り越えた庭の樹木はまだ葉を出してもいないが、定期的に状態を確認するのも仕事の内だ。
「クレア」
「なぁに?」
大きなテーブルの中央に手が届かず、椅子に膝をついてテーブルの上に身を乗り出しているクレアに視線を向け、反対側からクレアの届かない部分を代わりに拭いてやる。
「クレアも何か武術をやってるんですか?」
「藪から棒だね、どうしてそんなことを聞くの?」
クレアは表情を崩さず、テーブルの上に置かれていたランプを移動させてランプが置かれていた場所を磨く。
「いえ、この屋敷の人は皆、人並み以上に武術に精通しているものですから、クレアはどうなのかとふと思いまして」
「なるほど、確かに姉さんもグラントも、ナトリも強いよねぇ。まあ、あたしからしてみればフランもその部類に入るけど」
デックスも含まれたことにフランは疑問を感じたが、とりあえずそれは置いておくとして言葉を続けるクレアに耳を傾ける。
「皆戦えるとなると、万が一の時皆戦うでしょう? 1人ぐらい、常にお嬢様の傍で一緒にガタガタ震える人がいた方が、お嬢様を安心させてあげられるかなって」
「そこまで考えてます?」
「失礼な。先輩に対してどうしてそう疑心暗鬼になるかな?」
両手を腰に置いて頬を膨らませるクレアを見ていると、どう見ても年上には見えない。
「ま、武道とか習ってないから、素人が戦う訳にもいかないからね。そういう荒療治はフランたちに任せる事にしてるんだ。後輩を信頼する先輩、なんて良い先輩なのかしら」
「自分で言いますか……」
あの童顔で言われるとどうしても説得力とか、そう言うものが欠如してしまうという事をおそらくクレア本人は気が付いていないだろう。
クレアはそれだけ言うと満足げに鼻歌など歌いながら自分の仕事に戻り、汚れた布巾を手の平の上で作り出した小さな水球の中に放り込むと回転させて汚れを洗い流す。
「水の精霊って便利ですよねぇ」
「水回りは任せなさい♪」
布巾の汚れを吸い出して少し淀んでしまった水球をクレアはバケツの中に落とす。そして布巾をバケツの上で絞って再び拭き掃除を再開する。
魔法を使うほどの事ではないのかもしれないが、軍事転用されるよりよっぽどマシなんだろうと内心思いながら、フランはモップをバケツに突っ込んでかき混ぜるようにして汚れを落とす。
クレアは水の精霊と契約しているため、掃除の時や食器洗いの時頻繁に魔法を使っているところを見かけるが、メリスは雷の精霊と契約しており、使いどころがないようで屋敷の中でも外でも使っているところを滅多に見かけない。
一度だけ特訓の際に雷魔法を使うところを見せてもらった事があるが、あまりの威力に茫然としてしまった。グラントが作り出した土の防壁を半分ほど抉り、粉砕したのだ。そもそも雷を使える場も限られているため、そうそうお目にかかれるようなものではないと痛感させられた。
軍隊に金髪金眼が多いのはそういう理由なのかもしれない。自分の力を思う存分使える場など、そこくらいしかないだろう。他だと精々警察関係の仕事だろうか。
「フランは大変だよね、全部手作業だし」
「ええ、ですけどもう慣れました」
大変だよね、というクレアの言葉には同情の念は感じられない。1年以上の付き合いだ、お互いの事は大体把握し合っている。
フランが初めてこの屋敷にやって来て、包帯でグルグルの頭をクレアが見た時、クレアはフランのそれを「個性的」の一言で片づけた。
メリスやグラント、レティアでさえ、フランを気遣ってその事は口にしなかったのだが、クレアは真正面からそう言い放った。
気遣いなどクレアには無いのだろうと思う人間がいてもおかしくはないだろう。
しかし、クレアはメリスたちとは対応という面で一線を画していた。メリスやグラントが手当てをしてくれるのであれば、クレアはそれをすぐそばで見守ってくれるという立ち位置だった。
どんな時でも、その言葉、素振りには遠慮など無く、代わりにあるのは親しみやすさだったのだ。
もちろん、メリスやグラントには言いようもない恩がある。だがクレアに対しては、それとはまた別の恩があるとフランは感じている。
クレアはいわばフランにとって唯一無二の友達と言える。
レティアは主、メリスとグラントは上司。同じ目線に立っているのは実際クレアだけなのだ。だからこそ、より親近感を覚えることが出来る。
「魔法が使えないことを不便に感じたりしないよね、フランは」
「世界が世界ですから、多少は感じますよ? でも、別に死ぬほどの事じゃないですからね」
「はは、そりゃそうだ」
クレアの笑みに釣られてフランの口元も緩む。
その時、部屋の扉が開いてグラントが軍手を外しながら入ってきた。
「グラントさん、庭仕事は終わりましたか?」
「ああ、なにぶん楽な仕事だからな。着替えたら中の掃除を手伝おう」
「お、助かるよ、グラント」
布巾を手に嬉しそうな表情をするクレアに、グラントが「だからって怠けるんじゃない」と釘を刺す。
「まあ、早く終われば自由時間を確保することも出来るだろう。昼食までは時間があるしな」
壁掛けの時計に視線を向け、グラントがそう言うとクレアは俄然やる気を出し、キレのある動きで掃除を進めていく。
「ほら、フランも急ごう!」
「あ~、はいはい」
クレアに急かされるがままにフランも掃除に戻る。
その様子をグラントが笑いを堪えながら見ていた。
鈍痛。
とてもじゃないが形容することが出来ない、身体の芯から全身を痛みが駆け巡る。
その意味を理解することは出来ない。
いつものように、少女は目を隠され、外の情報は音ぐらいでしか入手することが出来ない。
(なんだ、これは……)
フランはその少女のようだ。
だが、妙に他人のような感覚があり、まるで自分を自分で眺めているかのように感じられる。
(夢……?)
そうであれば合点がいく。
そう思ってフランは深く考えずに夢の中の少女となってぼんやりとしてみる。
「……痛いわよね」
不意に、声が耳に届く。
それは記憶の底に埋まっていたあの時の夢で聞いた声。
酷く鮮明に聞こえるが、相変わらず視界は真っ暗なままだ。身体を動かそうにも縛られているのかピクリとも動かせない。ベッドか何かに横にさせられているらしく、声は上から降ってくる。
「ごめんね、何もできなくて。ごめんね、こうするしかなくて」
女性は少女に何かをしたのだろうか、1人嗚咽を滲ませながら謝っている。
フランにはその理由は分からない。そもそもこれは夢なのだ、理解できるものなど少なくて当然なのかもしれない。
ふと、手の平に温かい感触が生まれる。
「でもね、いつか、いつかきっと助け出すからね? たとえ、そのために全てを犠牲にしてでも」
女性が少女の手を握っているのだろう。震えてはいるが、ギュッと強く握りしめている。
「だからね、絶対に死なないで」
(この人は、一体……)
とてもじゃないが夢とは思えない鮮明さになってきている。声だけなのに、なぜか心の奥底に何かを感じさせている。
「時間だ」
女性の声とは違う、男性の声が響く。
「……ええ」
先ほどまでの声とは違い、女性の声にはどこか怒りすら感じさせる。だが、男の声に従い、少女の手を放すと女性の足音が少女の耳に伝わってくる。
身体全体が揺れ、ベッドか何か分からないがそれと共に移動させられている事に気づく。
(病院……なのでしょうか?)
だとすると、この男女は医師なのか。乗せられているのは担架で、手術が行われる直前という設定なのだろうか。
(いや、それなら縛る理由が分からない)
少女は縛られている。両手両足を身動き取れぬほど頑丈にだ。
病院がそんな事をするとは考えにくい。
「今日のプランは?」
男の声が聞こえ、現在少女、女性、男性の3人でどこかへ移動しているという状況だと見当をつける。
「……パンドラニウム接種による覚醒実験です」
「パンドラニウムか、実験による生残率は?」
実験、あまり良い響きのしない言葉だ。
どうやら少女は何かの実験の被験者のようだ。
「……3%」
(なっ!?)
女性が声のトーンを落として言った数字にフランは驚愕する。
生残率3%、よほどの幸運の持ち主でもない限り、それは死に等しい数字だ。そんな実験を躊躇いなくこの男はやろうとしているのだ。
「3%……、まあゼロよりよっぽどマシだな」
「ですが、既に3名の被験者が再起不能になっています。これ以上の実験は無意味かと……」
女性はそんな場所にいるにしては随分と良識の持ち主のようだ。その言葉の節々から少女を殺させまいという必死さが滲んでいる。
「1%でも0.1%でも可能性があるのなら、それを断念する理由にはならない。なんだ、お前はこの子に情でも移ったのか?」
女性は返事をしない。
「ふん、まあいい、さっさと始めるぞ」
再び身体が揺れ、移動が終わり、担架から何かの台に身体が移される。そして今度は身体を何かベルトのようなもので縛られ、台に固定される。
人の気配が多く、周囲に数名別の人間がいると分かる。
「では、時計を」
「はっ、11時00分、実験開始」
「記録、頼む」
「分かりました」
別の男の声が幾つかして、金属が擦れる音が響く。
「パンドラニウム、投与」
腕に何かが押し付けられる。
そして次の瞬間、押し付けられた何かの先端から少女の体内に鋭い針が差し込まれる。痛みが身体を襲うが、悲鳴すら上げる事を許されていない。
(なんの、ためにっ……!)
痛みを感じながらも、何もできない自分が腹立たしい。
「投与、時間の経過を知らせ」
「10秒経過」
「ああ……」
女性の狼狽えるような声が聞こえてくる。
「あがっ……!」
その時、それまで聞いたことのない声がフランの聴覚が捉えた。
「あ、ああ……」
だが、随分と聞き馴染みのある声だ。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
そして、脳が焼かれるような痛みに襲われる。
身体の中を何かがはい回るようなおぞましい感覚に襲われ、必死に身体を動かそうとするが固定されているその身体は台の上でわずかに背中を浮かせることしかできない。
痛みという生き物が身体を食い荒らしている。
皮を、肉を骨を、内臓を、脳を、抗う事の出来ない暴力に蹂躙されていく。
「20秒経過、右腕の断裂」
「肩を抑えろ、この程度で壊れる事はない」
何故、自分がこんな目に合わなければならないのか、少女の心の叫びが聞こえてくるのが分かる。
何故こんなにも苦しみ、痛みに苛まれ、その身を壊されなければならないのか。
「25秒経過、右腕結合、続いて腹部に裂傷」
腹の上に生暖かい液体が広がる。おそらく血が腹から噴き出しているのだろう。
「おい、誰か腹を抑えろ。腸がはみ出ている」
グチュ
「うが、あああああああああああああああああああああっ!!!!!」
自分の腹に当てられた何かが外に飛び出た何かを少女の体の中に押し戻す。
激痛などというレベルではない。
死んでもおかしくないレベルでもない。
確実に、死ぬ。
「30秒経過、腹部裂傷治癒、内臓破壊進行中」
だが、少女は今なお耐え難い痛みに悲鳴を上げ、苦しんでいる。
身体の破壊と再生が同時に行われ、死ぬことすら許されていないかのようだ。
「あ―――――――」
少女が何かを言いかけ、その瞬間こと切れるようにその悲鳴が止まる。
背中を生暖かい液体が包み、台の上で少女が血の海に浮かんでいるであろう光景が容易に想像できてしまう。
「被験者、意識を失いました」
「素晴らしい! 死なない奴は初めてだ。これは見込みがあるぞ!」
男が高揚した声で拍手をしている。その拍手は痛みに意識を失った少女に対して贈られているものなのか、自画自賛によるものなのか、フランには分からない。
「この子は素質があるようだな。ええと、……エネアか。エネア、君は選ばれた人間になれるかもしれんぞ」
その瞬間、フランの意識もブラックアウトした。
「……ラン、フランってば!」
不意に、声が響いてきた。
何事かと目を開けると、目の前に心配そうな表情をしたクレアの顔があった。
「クレア……? それにグラントさんまで」
うっかり寝てしまっていたようで、ソファで横になっていた自分の身体を起こすと目の前にいるクレアとグラントを交互に見つめる。
「物凄くうなされてたから、心配したんだよ?」
「ほら、汗を拭くと良い」
グラントが乾いたタオルをフランに手渡し、それを持った瞬間、自分がどれほど冷や汗をかいていたのか教えられる。
徐々に戻ってくる感覚が背中もびっしょり汗をかいている事を知らせ、タオルを首筋から中に突っ込むととりあえず届く範囲で汗を拭う。
「大丈夫か? 顔も真っ青だぞ」
「大丈夫、だと思います。なんか嫌な夢でも見たんでしょう」
笑みを浮かべてみせるが、顔面蒼白で笑われても無理をしているようにしか感じられないだろう。
そして案の定、そんな笑みで2人は安心してはくれなかった。
「まだ昼前だが、風呂で汗を流してきた方が良いな。クレア、風呂を沸かしてきてくれ」
「分かったよ。ついでに着替えも持ってきておくよ」
「すみません……」
黒を基調としているフランのメイド服は外見からはその色の変化が分かりにくいが、背中は濡れてとてもじゃないがこのまま着続けて半日過ごすわけにはいかない状況だ。
「なぁに、問題はない。風呂に入って、気持ちを切り替えて昼食にしよう」
グラントが手を差し伸べ、フランを立ち上がらせると、フランはクレアの後を追って部屋を出ることにした。
「…………」
フランが出ていった後、部屋でグラントは自分の手を見つめていた。
フランを引っ張り起こした時、フランの手は尋常じゃなく震えていた。本人はそれを隠そうとしていたが、それで隠せるほどのものではなく、逆に隠そうと力んで手が強張っていた。
寝ていたフランが突然苦しみだしたのに気が付いたのはクレアだった。ソファの上でもがき苦しむので必死に起こそうとしたが、なかなか起きなかったので一時は騒然としてしまった。
幸いしばらく呼びかけた末に目を覚ましたが、その顔は1年前のあの日のように青ざめていた。
「何ともなければいいのだが……」
グラントはただただそう願うしかなかった。
「エネア……」
クレアが即席で風呂を沸かしてくれたおかげで、フランは湯船に浸かって汗を洗い流すことが出来た。先ほどクレアが着替えを持ってきてくれた際に、心配そうに声をかけてきたが、身体の方に異常は見当たらなかった。何かの影響なのか若干の鈍痛が身体に残っているが、とりあえずは問題ないだろうと判断する。
夢の中の記憶がこんなにもはっきり残っているのは久しぶりだ。
言葉一つとっても、あまりに痛烈過ぎて逆に忘れることがでいないのではないかと思ってしまうほどだ。
そして一番最後に呼ばれた、少女の名前のような言葉。無機質な言葉だったが、それでもあの少女には名前があったのだろうか。
「少し、調べてみますか……」
幸い午後は時間が空いている。たまには自分の事を考えてもいいだろう、と思いながらフランは湯船の縁に後頭部を置いて天井を見上げる。
「……っとわっ!?」
あまりにボーっとしていたせいで、湯船の底を滑って頭までお湯の中に突っ込んでしまう。慌てて顔を出し、目を擦って目を開ける。
「はあ、何してるんでしょうね、あたしは」
ため息をつきながら水面を見つめていると、左右から黒い髪が漂ってくる。自分の髪の毛だと気づくのに随分と時間がかかり、苦笑してしまう。
「……さて、そろそろ上がりますか」
あまりクレアたちを待たせるのも悪い。
自分のためにわざわざ風呂まで沸かしてくれたのだ。仕事に戻って後れを取り戻さなければ、と思い湯船から出ると、フランは大きく深呼吸して浴場を後にしようとする。
「って取り戻すも何も仕事がないのか……」
仕方ないので、フランは部屋で横になって体調を様子見することにした。
前半と後半のギャップが酷いww
ううむ、まいったまいった。
こうやって少しずつ物語を進ませてるから、全然進まないのかもしれませんね。
ああ、今書いてる回で応募があったキャラの1人目が登場します。
あと数話したらお目見えです。
では、誤字脱字報告、ご感想などお待ちしております。