表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

3 誘拐事件

「誰か!? 誰かおるか!?」


 衛兵が待機している詰所へ押し入る。


「――ッ!? 何か用か、おっさん!? 話なら外で聞くぞ!」


 息を切らした部外者など即座に締め出される場所だ。当然の如く衛兵の一人が立ち上がり、威圧的な態度で詰め寄った。


「ちょっと、何の騒ぎ……?」


 置かれた状況を強引に吐き出そうとしたところ、一番会いたくなかった見覚えがある女性と目が合ってしまう。


「――ッ!? ぬお!?」


「……あれ? あなた、クルリの友達の……?」


「クルリの母君殿!? どうしてここに!? いや、そんな場合では!? ……いや、いや、……………何でも……ござらん、邪魔をした」


「そうは見えませんけど? 何かあったんですか?」


「………う、あ。…………これを、読んでもらいたい」


 強く握りしめ、くしゃくしゃになっている一枚の紙を手渡そうとする。


「いやいや、後は俺に任せてくださいよ。こんなおっさん、ばっちり締め出しとくんで……おい、こっち来い!」


 それを先ほどの衛兵が遮ろうとするのを跳ね除け、クルリの母親は奪い取るように受け取り、満面の笑みで尋ねる。


「…………これを、どこで?」


「吾輩の前を歩いていた男が落とした物だ。すぐに拾い届けようとしたが見失ってしまった。ちなみに吾輩には妻子も子もおらん。物騒だと笑い飛ぶすことも出来ようが――いや、クルリが……攫われてしまった」


「……お金の受け渡し場所、日時――これ、誰にも話さず必ず一人で来いって書いてますけど?」


「つい先ほどの出来事なのだ。受け渡し場所をすぐに包囲すれば助け出せるかもしれん。吾輩一人ではどうすることも……我が街の衛兵は優秀であろう? ……手伝ってほしい。この通りだ」


「最近、子供が行方不明になる事件が増えてますが、身代金を要求されたって話は聞かないですね。子供を遠方に売り飛ばすよりも、この金持ってそうなおっさんを脅した方が儲かるとでも思ったか? 欲が出たな」


 横から紙を盗み見た別の衛兵が事件のあらましを語る――そして、続けた。


「どうします、団長? とびっきりの手がかりですよ? ……ちょっと、聞いてます? あー、駄目だこりゃ。おーい、みんな集まってくれ。外で見回りしてる奴も全員集めろ――戦争だとさ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ