第81話:ショッキングな通達
日米で6年連続20勝が途切れた、剛腕の左のアンダースロー)橘周は、シーズン終了後、様々な精密検査をした。
結果、「今のアンダースローを続けるのであれば1試合当たりの球数は50球以内、できるだけ30球以内が望ましい」というものだった。
地面に近い位置まで身体を沈める無理な体勢でありながら、150キロの速球を投げ続けたことにより、腰や脇腹への負担が大きく、勤続疲労や年齢から来るものもあり、先発で50球以上は止めた方が良いとの判断となった。
ここに、23歳で始めた歴史上初の先発完投型の左のアンダースローの歴史は、丸10年で終焉を向かえたのだった。
高井「先発投手はもうやめろってか?」
橘周「そうすね。ショックですね・・・でも自分の身体なんでまあそうで
しょうねって感じです」
高井「どうするつもり?」
橘周「スリークォーター転向ですね。ってウソです(笑)。まず身体を改善
してショートリリーフで通用するように調子あげないとですね。
通用しなかったら引退ですしね」
高井「俺もトレーナーとしての腕を上げないといかん」
さあここから巻き返しが可能なのか?