第255話:来シーズンに向けて驚愕の姿を披露した橘周
身体のケアが終わった橘周は、2週間かけて体幹・筋力強化、柔軟性・動体視力アップ等を行った。ここには、宮脇修二とミッキー・シュナイダーも加わった。2人とも真価が問われる来シーズンに向けて、レベルアップを目指している。
その後年末にロスの自宅に集合したのが、ヤンキース所属、弟の橘壮太郎、桜井淳、チームメイトの宮脇修二、ミッキー・シュナイダー、それとトレーナーと撮影とブルペンキャッチャーをしてくれるスタッフ達。
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今年の橘壮太郎と桜井淳の成績に触れてみる。
橘壮太郎は、ヤンキースのエースとして、シーズン序盤にもたついたものの盛り返して活躍した。21勝5敗、防御率1.57のものすごい好成績で3年連続でタイトル独占。しかし過去2年の28勝、25勝の超人的な成績からすると見劣りする結果だが、それは仕方ない。
桜井淳は、2年目の今年、打率.323、ホームラン52、打点135で打点王に輝いた。日本人史上最高のスラッガーがまた一つ階段を上った。盗塁も25と俊足を証明した。MVPはギリギリ逃したが、来年には2冠王、3冠王の可能性を期待させる結果だ。
チームメイトの宮脇修二は、途中先発に復帰して、念願の10勝を達成した。来年は威力と精度をアップして15勝を目指したいと意気込んでいる。
橘周2世の左のアンダースロー:ミッキー・シュナイダーは、3勝2敗1セーブで、ドジャースに無くてはならないリリーバーに成長し、オフには、2年で約15億の契約を結ぶことに成功した。
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さて、今回のロスの自宅中心での合宿で、橘周が驚愕の姿を披露した!
それは今までにない本格的な、スリークォーターの投球フォームだ。シーズン中もバッティングピッチャーとして、スリークォーターで投げることはあった。でもそれはバッターの練習用として、マネごとのようなピッチングだった。しかし、この日のそれは、本格的なもの。腕の角度は45度よりはやや下。
振り返ると、小学生から22歳まではスリークォーターであった。しかし、超然強肩で抜群の身体能力を持つわりには、威力が足りないもの。
それを就職先の先輩である高井の助言で腕を下げていき、アンダースローが最も威力のあるボールが投げられると分かったことで、剛腕の左のアンダースローが誕生した。
でも、外野の返球等助走を付けた送球では、遠投130mの実力を発揮できていたから、いつか腕を上げたフォームでかつて投げていたスプリットやスライダーなんかを投げてみたいと、30代後半あたりから思うようになっていた。
そして、8月頃には、そのハマるフォームを見つけていた。
この日は、スリークォーターから、スプリット、スライダー、チェンジアップ、カット・・・。ストレートも152キロが出ている。
ただ、アンダースローとサイドスローでは決め球として大活躍した、手首を捻らないシュートは逆に投げにくくなっていた。
もう一つ皆を驚かせたのは、2種類のナックルをマスターしていたこと。
壮太郎「おいおい、またまた驚かせるのか!腕を上げてここまでのナックル投げるなんて、あんた凄すぎだろ!」
宮脇修二「これは驚きました。確かに以前試合で投げたけど、あれは冗談半分だったので・・これ完全に真剣勝負で武器になりそうですよ」
橘周「いや、まだまだだね。スリークォーターは気分転換で時々フォームを探していたのさ。今の腰を下げるフォームを探しあてたのは8月。ナックルを本格的に練習したのはワールドシリーズ終了後さ」
シュナイダー「僕も腕上げようかな?(笑)」
橘周「10年後な(笑)」
壮太郎「ナックルは浪人中から練習してただろ?」
橘周「そうそう。その時は遊び半分で、世の中の全ての球種を試したよ」
宮脇修二「来年は何狙ってるんですか?」
橘周「先発ローテーション!なんつって」
宮脇修二「ええ、俺ライバルになるじゃないですか!困ったなあ(笑)」
来年42歳シーズンになる橘周は、一体どんな姿でどんなプレーを見せるのか?




