第19話:3年目のシーズン前、WBCへ出場だ!
左のアンダースロー橘周の2年目シーズンが終わった。契約更改で、次の年俸が7千5百万と今年の2千7百万から3.15倍に大幅昇給した。
3年目の来シーズンは、100%近いパフォーマンスを出す年にするのだと誓っていた。なので、遊ぶことなく、休養を取ったのちに、トレーニングを本格化した。
住処も変えた。寮を出てトレーニング施設が充実したマンションで引っ越した
栄養士に加えて、トレーナーとも契約した。将来の自分への投資である。
来シーズンの目標は、20勝と防御率1.5未満の達成と定めた。
その前にビッグイベントWBC(ワールド・ベイスボール・クラシックが控えている。3月15日まで日本で6試合を行い、勝ち抜ければアメリカで準決勝と決勝である。
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■WBC
ただ橘周は、今大会今ひとつ調子が上がらなかった。そこで、日本ラウンドではショートリリーフとして2試合のみの出番となった。しかし監督には別の考えもあった。史上最強のアメリカ強力打線には、橘周をぶつけたいと考えていた。ホームランバッターが多く、しかも今はフライボール革命により、アッパースイング全盛だ。そこに下から上への軌道の橘周の高めストレートは非常に有効ではないかと・・・。
アッパースイングは、上から下への軌道に合わせて、フライを打ち上げることにより、ヒットの確率を上げるもの。下から上へのボールの軌道とは相性が悪いはずだ。
そして、野球日本代表 侍ジャパンは、日本で快勝を続けて、アメリカへと旅立った。橘周は、久しぶりのアメリカ本土に降り立ち、気分が高揚していた。
ドジャースタジアムでのアメリカ決勝ラウンド。メジャーのスーパースター軍団相手に通用するのか?