第179話:今度は松山市の坊ちゃんスタジアムに凱旋!
名古屋でドラゴンズと試合をした後、東京ドームで6連戦。この6連戦での橘周は、出たり休んだりで、無理しないモードだった。スランプではないが、11打数2安打とおとなしめの成績だ。
でも守備では、外野とファーストで好プレーを連発した。
その後、ヤクルトスワローズとの2連戦が、あの『坊ちゃんスタジアム』で行われる。ヤクルトスワローズの第2の本拠地と言える場所であり、6月中旬まで橘周の主戦場だった松山市の球場でもある。
愛媛マンダリンパイレーツからジャイアンツに電撃加入して、活躍している橘周を人目見ようと、すぐにチケットは完売していた。もちろんスワローズファンも、いつもより燃えている。
1戦目は、2番ライトで先発した。
第2打席で凄いプレーが飛び出した。ライト線のクッションボールが転がる間に、スピードに乗った橘周は、どんどん加速しそのまま本塁に戻って来た。
ランニングホームラン!!
橘周では、ある意味見慣れた光景ではあるけれど、俊足の部類に入る1塁ランナーを追い越すほどの勢いで駆け抜けて、球場全体が騒然となったのだ。
その後3-3で迎えた8回裏。1アウト2,3塁のピンチで橘周がマウンドに上がる。想定外のピンチで、3番4番の左バッターが続くとはいえ、ついにこんな最も痺れる展開でもマウンドに上がった。
予定外だけど、愛媛にちなんだ登場曲を用意していた。
Superfly 『タマシイレボリューション』!ボーカル越智 志帆さんの出身が愛媛県今治市。
さて、一昨年まで悩まされた腰の負担を減らすため、腰を曲げない、でも腰を落したサイドスローに変えたわけだが、ようやくそれがFITし始めていたし、ピッチングが腰痛につながる心配も無さそうだ。
そこで、ついにリミッター解除するのが今日なのだ。
40歳にして、サイドスローで最速155キロを計測!縦割れシュートと真横にギュンと曲がるパワーカーブも有効だ。前回使ったチェンジアップを使わずに、ヤクルトスワローズの3番4番を連続空振り三振に斬ってとった。
当然のように、スタンディングオベーションだ!!
9回表には、チャンスを広げるヒットも放ち、試合は4-3で接戦を制した。
試合後には、愛媛マンダリンパイレーツの選手・首脳陣と対面を果たした。
監督からは「活躍するとは思ってたけど、まさか本当に大活躍して、プロ野球でまたピッチャーとしても戦力になるなんて、やっぱり凄い」とありがたい言葉をもらった。
その後松山市一番町の有名ホテルのラウンジで、愛媛マンダリンパイレーツ、ジャイアンツ合同で、食事会が開催された。




