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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
ニューヨーク・ヤンキース編
129/216

第129話:ついに橘周は、世界で最も有名なスポーツ選手になった!

とてつもない成績と印象的なプレーに終始した、橘周のメジャー8年目のシーズン。弟まで驚異的な成績を残したこともあり、ワールドシリーズ終了後も話題が尽きない。


優勝パレードも全世界にLIVE中継されるフィーバー振りだ。


橘周は、この時すでに、世界で最も有名なスポーツ選手になっていた。サッカー、バスケ、ゴルフ、テニス、陸上全てのスターを押しのけ、世界一有名なスポーツ選手となっていたのだ。世界中のあちこちでアンダースローのマネがされていた。まるでドラゴンボールの「かめはめ波」が流行った時のようでもある。


しかし、来年のために、少しでも早く静養したいので、テレビのインタビューは兄弟揃って会見でまとめて実施した。


橘周は、橘壮太郎家族、高井家族を引き連れてプライベートジェットでイタリアに飛んだ。今回イタリアが静養先だ。


ただ橘周は、観光は少しにとどめて、サウナとマッサージ中心ですごした。

自分へのご褒美で、遊びと暴飲暴食だと、肉体への負担が大きいし、老化現象も早い。「好きな物食べないとストレスで早死にする」は、堕落したいものの言い訳に過ぎないのだ(笑)。


しかし、この時は橘壮太郎家族と高井家族には思い切りご褒美である。


11月後半は、CM撮影をこなして、3人はロスの橘周の自宅に集結した。そしてロス市内で日中は体幹強化等をこなし、夕方は自宅で技術面の分析や議論をするのだ。


来年へ向けては、まずは今年調子良かったストレート、シュート、ツーシームの維持。次に、ストレートが調子悪い時のために、ライジングカッターの精度アップだ。ライジングカッターは、ストレートより遅くて大きく浮き上がるが、イマイチ制御仕切れていない球種でもある。思い通りのスポットに投げることができれば、投球の幅が広がる。


来年は久しぶりのWBC出場だ。それは初の兄弟同時出場でもあり、非常に楽しみになったいる。若いメンバと合流し、語り合うのも楽しみだ。


弟の壮太郎も3年目の来年は、4年目以降の巨額の契約を結べるか否かの重要な年になる。若く実績のある先発投手として、充分可能なことだ。そのためには、ケガをしないでいい成績を収めたい。「俺も年俸50億で年収100億とか稼いでみたい」とこっそり野望を抱いていた。


年が明けて2月には、沖縄のWBCのキャンプ地に向かった。


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