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わたしわあなたにあいたい。  作者: ぷりん
準備
92/108

洞察

「あ、ありがと。」


こめかみを伝う汗。


聡明からチラチラ見られている。

分かるんだ、視線っていうのは、じわじわ伝わる熱みたいな物で、多分、見られている。


気まずい空気が俺だけに流れていた。

俺は全てを飲み込むために一度携帯を手に取った。


ロック画面で通知を確認する。


me'inからの通知で、高嶋からだった。


俺の心臓は跳ね上がった。

まるで二日越しに餌を与えてもらう犬みたいだ。


高嶋:今年のお花見、どうするの? 他一件


俺は聡明の目を気にした。

また気恥しいことを言われると思った。


でも、違う。

俺はこのメールで安心した。


普段から毎年俺ん家は花見に行く。

家族総出で、近所の川沿いの桜が綺麗に咲く公園に行って、その時に高嶋の家族も誘うのだ。


きっとこの質問をするのに、いつメールをしようかと悩んだ末に俺を見てきたのだろう。


俺は文字を入力していく。

「知らないけど、今年も行くんじゃないかな。」


直ぐに既読がつく。


「そっか。ありがとう。」


俺は携帯の電源を切ってまたポケットにしまう。


すると聡明が「うわぁあああ」

と呻き声を上げた。


少しドキッとした。

高嶋と連絡を裏でとっていた事が聡明にバレたら茶化されて、好きなんだろとからかわれるからだ。


「どうした?」


何かを隠すみたいに俺が言う。


高嶋も携帯を消して立ち上がった。

「なんかお菓子とかあるか見てくるね。」


「おおお!ありがとぉ、丁度腹が減ったところだったんだよぉ、、」


聡明は机にだらけて、左手を伸ばし腕枕をしている。


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