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署名集め
それもあったのだろう。
卒業祭を開催するのに、署名を大量に集めて回った。
聡明は受験もあるんだから無理だろうと言ったが、強行した。
皆の署名を集めて、参加の有無を個人で決められればいいのだろう。
そう思い切ってからは早かった。
学校のパソコンを借りて、学校のプリンターでプリントを作る。
署名と、学年、クラスと確認項目の同意の記入欄が入ったプリントを大量に持って、五つあるクラスを回る。
学校のパソコンやプリンターを使うのには、担任の茅野先生のおかげで反対を受けなかった。
そもそもこの学校には新聞部というものがあって毎日プリントを大量にするからと言うので、あなた達の好きにしなさいと、パソコン室の鍵を渡してくれた。
三百五十枚刷った。
かなりの時間をかけて、刷りきって、桐谷と一緒にそれを持つ。
「おっっも!」
「な!」
ただの紙切れがこんなにも重くなるとは。
何とか自分の教室に運び込むと、入る限りを自分たちの机の物入れに入れて、入り切らない分は教卓の物入れに入れさせてもらった。