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共感
「そうそう、それでお前は俺に、パスタっていう伝言を伝えたんだけど、俺は分かんなくて。」
「あー、あれか。」
「そうそう、その後お前がジェスチャーで指でなぞって教えてくれて、それでも俺がわからなくて、時間切れになったけど、お前は俺を責めないで、「こんなん分かんねぇよ」って苦笑いで庇ってくれたじゃん。」
「そうだっけ。」
「うん。そのおかげで俺は、こいつ良い奴だなって思って、お前に少しずつ話しかけられるようになって、結果として、色んな人と仲良くなれた。
きっとそれがなかったら俺は今こうして遊ぶことすらできてない。
ほんとにありがとな。」
乗り物なんかはどれも待ち時間の札が立てられるほど行列で、最大では二時間待ちもあったのに、そんな疲れより、みんなに別れを言おうとしているかのような聡明のこの発言に、有り余る程の切なさを覚えた。