回想
きっとそれは万年住み着くこの孤独のせいなんだろうな。
また俺は責任転嫁をして、戦わなければいけないだろう敵から逃げ回る。
「俺さ。ずっといえなかったけどさ。」
四人で来たはずで、そのうち二人はサッカー部の人達だった。
冬休みだからと十二月にわざわざ宿泊プランをも考えてきたのだ、でも結果はその二人はサッカー部の中でもまだレギュラーで、受験のためにと自分から部活動を止めた聡明は、陸上の年度末大会なんて関係なかったし、俺は部活にすら所属していなかった。
結果、男二人のクサイ旅行になっている。
悪くは無いが。
「お前にすげぇ助けられた、本当に感謝してる。ずっといえなかったけど、まじでありがとう。」
「え?な、なんだよ、いきなり。」
「いや、お前は気にしてねぇかもしんねぇけどさ。
俺がお前に話せるようになったのも、みんなと話せるようになったのも、お前のおかげなんだよ。」
「俺が何かした?」
「ほら、俺らの高校って中高一貫校じゃん。
俺は転校してきたけどさ。
親の仕事の都合でのここに来なきゃいけなくなって、実は前のとこで通ってた学校もあってさ。なんなら、偏差値も低くはなかった訳で、
せっかく前の学校行ってたけど、親がビジネスマンでさ。
割とエリートな感じらしくて、昔から俺もビジネス本読まされたり、投資の本読まされたりしてたの。
そんで、せっかく行くならいい学校って言うのでこの中高一貫校に受験したの。
でもみんな頭良さそうでさ、水泳の授業の時、最後お楽しみタイムみたいなので、水中でものを伝え合う伝言ゲームやったじゃん。」
「おう。懐かしいね。」