64/108
羨望のその先。
それも羨ましいなぁ。
誰にも縛られずに一人になれるなら心地いいだろうなぁ。
友達が多そうで、お見舞いも沢山来てくれただろうな。
僕にはあの男子が羨望の塊に見えた。
羨望の象徴と言うべきか、気づけばいつも意識していた。
学校でどのように振る舞えばあの男子のように友達を増やせるのか、青春というものが出来るのか。
僕はひたすら模索した。
でも、僕とあの子では何かが大きく違ったと思う。
僕は、足を動かせなかった。
だから僕は一人になりたかった。
ただ一人になれればよかった。
誰の監視もないところに行きたかった。




