表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたしわあなたにあいたい。  作者: ぷりん
孤独の靄
62/108

意図

僕は今のお母さんから産まれたけど、兄ちゃんは二人目から産まれたらしい。

親が違うから、顔つきも全然違かった。


そんなお父さんは、僕にたまにいう。

「ごめんな。アイツは失敗作だ。」


僕はその言葉が怖かった。

人を、作品として見ていること、何度でも作ればいいとでも思っているかの様な発言を笑いながら僕に言えるのが怖くて、首に回された手に、鳥肌を立てているのが伝わらないように願った程だった。


「そうなんだね。」

僕がそう言うと、父さんは真剣な表情になって、

「だから、お前には生き方を変えてもらう。」

と言った。


それから僕の部屋には大量の教材と大量の鉛筆が置かれるようになった。


日本で一番偏差値の高い大学に合格できるように。


お父さんは遊び人だったけど、それをわかっていて、今のお母さんも家に入ったらしい。


お父さんには子供が何人もいる事を教えてくれた。

それでもここに僕と兄ちゃんしか居ないのは、女が産まれると綺麗になるように育てて自分の遊び道具にするんだとか、綺麗にならなかったら処分と言って人にあげてしまうんだとか。


それで残った子供は、顔の整った僕と兄ちゃん。


兄ちゃんがお母さんを殴っている所を見て笑うのも、お父さんもやっているかららしい。


それでも僕に優しくしてくれるから。

僕は口を出せなかった。


いや、その優しさに裏付けるように恐怖があった。

人を殴るという事、それで泣いているのを見て笑うこと。

うるせぇと蹴飛ばす事。

好き放題女の人を道具扱いする事。

人を道具としてしか見ていないこと。


この広い日本家屋や、子供からねだられた物は何でも与える事。

働いていないのにお金を大量に持っていること。


何かが裏で動き続けているのが怖かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ