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野次馬
製作で作る小道具などに色を塗る作業をしていたが、誤って違う色を塗ってしまった。
俺の漏らした声につられて野次馬達がやってくる。
「うわぁ、なにやってんの!」
「え、どうしたん?」
口々に言うそれらについニッカリ笑って、「へへ、まちげぇた。」と言った。
野次馬たちは肩を叩いてきたり、小突いてきたりした。
きっとあそこで笑わなければ俺はこいつらを嫌っていたな。
そう思いながらなんとか塗り直す。
そして制作最後の日は終わった。
明日からは役作り、台詞合わせなどをするのでもう役は変えられない。
結果的に俺は二つの役を調整してもらった。
しかし二つの役が抜けただけでもかなり楽になったとは思う。
高嶋や瀬戸がいればこんな苦労も、焦りも無いのにな。
はぁ。
溜息をついた俺は割り切った。
あいつらが元気になるまで頑張るしかねぇな。
しかしよく考えるとよ、
そもそも瀬戸が倒れた次の日から高嶋がこねぇのはなんかあんだろ。
雛は、「瑞希ちゃん具合悪いみたい。」なんて言ってたけど。
まぁいいか、今は目の前のことだけってな。
製作が終わり役作りなどの期間に入る。




