水族館の作り方。
体育館に行ったらきっと高嶋に怒られるな。
そう思いながら、重い足取りでカンカン照りの太陽の下を歩く。
何かと俺が一生懸命やったものは女子に怒られる。
あいつらはきっと俺を憎んでるな。
なんでもケチつけやがってよ。
「おはよー。」と何も知らないフリをして体育館に入る。
すると、今に待っていたかのように、
「瀬戸!!!」と高嶋の女子にしては低い声が耳に刺さる。
「なになに、どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!」
彼女は俺を譴責した。
だいぶメンタルがやられる。
「まじか。ごめん。俺としては頑張ったつもりだったんだけどな。」
「まったく。いい加減にしてよね。」
セットは、景色パネルだけで11枚作らなくてはいけない。それでも減らした方である。
計画的に1枚ずつ終わらせるプランを壊されたのだから怒るのは当然だろう。
「あれで一生懸命は無いでしょ。」
体育館の入口で俺にブツブツと不満をぶつける高嶋をみた聡明は駆け寄ってきた。
「まぁまぁ。人によって一生懸命って違うし。な?」
「そうかもしれないけどさ。」
「それより仕事、適材適所で分担することにしようぜ。」
「わかった。じゃあ、瀬戸も雑用ね。」
まだ多少の不満が残っていたのか、俺を雑用に回すなり振り向いて水族館の元に帰って行った。
もう既に水族館の周りに2人女子がいたので、きっと俺と聡明は水族館役ではなくなったのだ。
「ありがとな。」
「まぁ、お前も悪いけどなあれは」
そう言って聡明は笑う。




