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わたしわあなたにあいたい。  作者: ぷりん
優しさ
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再訪

作中では主人公とヒロインのお父さんは、一度も顔を合わさない。

丁度良かった、配役がすこしでもずれると準備が間に合わなくなったり、はたまた役が被ってしまったりする。

どうしたんだろう。


「失礼しますねー。」


半澤が帰ってきた。

手には、番号の振られた紙が入ったファイルを持っている。


「えっとね、瀬戸くん。」


「はい。」

次は声が出た。


「君はもう退院は出来るんだけど、あと三日くらいはいて欲しいな、ほら検査とかあるから。」


「はい。」


「何か不便はある?腕が曲がらないとか、力が入らないとか。」


「大丈夫です。」


「そう。じゃあ、ご飯は食べられそう?」


「はい。」

なんだろう。

頭に力が入らないのか、喉に力が入っていないのか、はいとか、いいえとかばっかりで大した答えが出ない。

ぼーっとしているというか、あぁ。


「時計、そこにあるんだけど今は十一時でさ、ご飯いるんだったら持ってくるよ。それとも、少し待つ?」


「待たなくても、大丈夫です。」


「よし。わかった。」


「あの。親は、友達は、来ましたか。」


「お友達は誰も来てないけど、親御さんつい昨日も来てくれたよ。あ、そうだ、瀬戸くんが起きたこと、伝えないとね。」


「…」


お友達は、来ていないのか。

そうか、そうだったか。


お見舞いの一つや二つ、来てくれていると思った。

期待をしたのだ。


淡い期待を、抱いていたのだ。


皆忙しいよな、そうだよな。

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