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わたしわあなたにあいたい。  作者: ぷりん
代役。
25/108

通話拒否。

雛子からメッセージが来た。

「このあと電話できる???」


夜ご飯の焼き鮭の風味がまだ残っている。

雛子は、私が夜ご飯を食べる時間も把握して、考慮した上でこういうメッセージをくれる。

嬉しいけど、自分の部屋でただぼーっと夜を見ていた私は、なかなかそういう気になれなかった。


まだ瀬戸が、私の心を握っている。

そして目の前に見える瀬戸の家が、私を突き刺してくる。

苦しいなら見なければいいのに、窓を閉めると瀬戸を受け入れていないようで、暑いのに窓を開けっ放しにしている。


me'inで来た雛子からのメッセージには、あまり考えないように勢いで「ごめん!今日は無理そう!」とだけ答えた。


空の星を見上げると、星が数え切れないほどあった。

こんな日に限って空が綺麗だ。

いや、こんな日じゃないと空を見上げたりしない。

動く星みたいな飛行機を見つけて、追っていると、星を通って、また違う星を通った。


満天の星空だから星の下を通るのは当たり前だけど

星と星を繋ぐ飛行機、なんだかそれは近くて遠い物のような気がした。


私はもう、自分の気持ちに嘘はつけない。


彼にキスをしたいと思った時にやっと気づいたけど、

私は瀬戸が好きだったんだ。


もし、自分に嘘を吐き続けなければ、


もし、愛し方を分かっていたら、私は瀬戸を愛すことが出来たのかな。


私は満足したようで、窓を閉めると冷房を付けて布団に入った。


明日になったとしても、きっともう私は学校に行けない。


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