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ヴァイラミー・バスターズ(第一部完)  作者: 鳥羽 こたつ
chapter:1 世界の歴史と妄想の今
7/43

chapter:1-5

とりあえず短めでも更新できそうならば頻度を増やしてみます。

……………………


 誰もが寝静まる夜の中、一人の少女が目を覚ました。同室で眠る人間を起こさぬよう、少女は静かに寝巻きから修道服に着替えて部屋を出る。

 少女に与えられた私室を抜けると、見えるのは神像が飾られている大聖堂だ。全てを許してもらえそうな神様の石像の前に跪き、以前教えてもらった祈りの言葉を呟いていると、どこかの扉がギィと音を立てながら開かれた。


「おやロール。おでかけですか」


 部屋から出てきたのはこの教会の主、神父だった。彼は夜中に起こされた身であるにも関わらず、にこやかな笑みを浮かべて少女を見る。


「すみません、起こしましたか」

「えぇ。夜中に起きるとは感心しませんね。夜は神の目が地上で過ごす我々には届かない時間帯です。危ないことが起きても、神は助けてくれませんよ」

「そうですね。そう教わりました。でも……」


 ロールは教会の外の方へと目を向ける。ここは山奥にある小さな村にある教会だ。少なくとも、こんな深夜に遊びに出かける場所などない。ロールが外へと出ようとするのは、自分の中で渦巻く感情を治めるためだった。


「わかっています。『声』が聞こえると言うのでしょう?」

「そうなんです。普段より、ざわざわと」

「えぇ。であれば外に出ることを許可します。そのかわり」

「いつもの約束を守れ、と言うのでしょう」

「はい、その通りです」

「わかってます」


 一度神父に目を向けて笑みを浮かべたロールは、すぐに教会の扉を開けて森の方へと飛びだした。

 誰も目を覚ましていない教会の中で、唯一起きている神父がボヤキを放つ。


「……彼女の行動だけは、どうも治りませんね」


 ベッドへ戻ろうかと思った神父だったが、出迎えがあった方が良いかと思い、少女の帰りを一晩待つのであった。

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