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chapter3-14

そろそろ一区切りつきそうです。

「ロール。ロールだよね」


 普段の彼女とは違う、まるで子供の頃に戻ったような口調でミシェルは少女へ声をかける。


「私だ、ミシェルだよ。わかるでしょ」

「……?」


 どこか嬉しそうなミシェルとは反対に、金髪の少女は不思議そうに首を傾げる。そしてそのまま問いに答えずにどこかに去ろうとしたが、慌てたミシェルがその細い腕を捕まえた。


「待って!」


 自分の手が汚れることも気にせずに少女の腕を力強く掴むと、ミシェルは顔を近づけて唾を飛ばすような勢いで少女へと話しかけ始めた。


「ロールでしょ。そうだよね。間違えるわけない。生きてたんだ、生きてたんだね! ずっと会いたかった! 八年前からずっと! 今までどうしてたの? あんまり背伸びてないね。ちゃんとご飯とか食べてる? そうだ、ロールが生きているってことはおばさんとおじさんも無事なの? 夢じゃないよね。だってこうして触れられるもの。あぁ良かった。夢じゃなくて本当に良かった! 実は同じ夢を何度も見ててね、最後はロールがね」

「おいだれかアレを止めろ。見てられん」


 少女が迷惑そうな顔をしているのにも関わらず、ミシェルは一方的に捲し立てる。普段の様子からはかけ離れているその姿を見て、ディーナを含む三人は頭を押さえることとなった。


「……あの」

「なぁに?」


 ミシェルを止めたのは言葉のサンドバッグとなっている少女だった。満面の笑みを浮かべているミシェルだが、次の一言でその表情を崩壊させることとなる。


「どちら様ですか……?」

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