chapter3-1
スプラ3とプロコンを無事ゲットしたのでやりながら書いてます。
「……この揺れは、堪えるなぁ」
森の中を進む数台の車。十数人が乗れるような大型車の一つに、ミシェル班の四人は乗り込んでいた。舗装されていない道を進む車は大きく揺れており、とある一人の人間はその揺れのせいで非常に苦しんでいた。
「君が苦しいのは二日酔いだからだろう」
「……おかしいか?」
「羨ましいと思っただけさ」
この車内で険しい顔をしているのはディーナだけではない。むしろ全員が沈んだ表情を浮かべていると言っても過言ではないだろう。だがその表情をしている理由はディーナと彼女以外ではまったく別物だ。
人類を襲う脅威と戦うこと、それは皆覚悟ができていた。しかし楽観的に考えられるような出来事でもない。一つの判断ミスが自分、または仲間を死なせることになるかもしれないのだから。
「……あぁ、また出そうだ」
そんな中、ミシェル班の四人は二日酔いのことしか悩み事がないディーナ・シトヒーのことを見て呆れていた。
「ナコ! そこ離れなさい! 跳ねますわよ!」
「え、は、はい!」
「うっ」
ポジティブな考えをするのであれば、緊張感が解れたともとれるが。
窓から胃液を撒き散らしたディーナはそのまま深呼吸をすると、ふらふらとした様子で皆に顔を向けた。まだ本調子ではなさそうだが、それでも先ほどまでと比べるとスッキリした顔をしている。ように思えた。
そんな中、彼女の行動を見慣れていない一人の少女がアワアワとした様子を見せる。
「あの、ディーナさん大丈夫なんですか?」
「気にするな。彼女は酔っている状態とこれから酔うかという状態しかないんだ」
「基本的にシラフの時がないんですの。それでいて何故か戦闘は普通にこなせるから納得がいかないのですわ」
「ハンドルは握らせたらダメなのに、銃の扱いは正確なんだ」
「あぁ……。そういえば昔、運転訓練を受けていた時に盛大に事故ってましたわね」
「こいつは自業自得だが、教官はかわいそうだったな」
「確かその時の教官って……」
話をしていたミシェルとマオの視線が運転席へと向かう。その先でハンドルを握っていたのは、四年のクラスの担任であった。




