chapter2-12
スプラ3に興味を持ってプロコンを探してますが、本当に見つからないです。
「ヴァイラミーの討伐依頼か。それは予想していたが……」
「数が多すぎですわね。不自然なほどに」
「監視に引っかからなかったのか」
「引っかかっていたらこうはならないでしょう。それか引っかかった結果がこれ」
通常、ヴァイラミーは各エリアに設置されている監視塔からの連絡でどこに出現したかが測定されており、一匹から多くて五匹の個体が見つかることがある。ただし奴らが群れを成して行動することは少なく、二匹以上の報告は年に数回あるかないかだった。それが今回は二桁以上の数が出現したと言うのだ。学生であるミシェルらが出撃するのも仕方のないことだろう。
納得はできても覚悟ができない生徒は多かった。特に四年の生徒は実践訓練をまだまともに受けられていない。体育館の中、数名の生徒が悲痛な泣き声をあげていたが、それも仕方のないことだとミシェルは感じていた。
「君たちには申し訳ないとは思っている。しかし入学式の時にも話したはずだが、君たちはいつ命を落とすことになるかわからない職に就く道を選んだんだ。その時の覚悟を思い出せ」
シムカの言葉を皮切りに、先ほどまでの通夜のような空気が徐々に消えていく。確かに彼女は入学式での挨拶も任されており、入学した生徒に対しての覚悟を問うようなことを話していた。
皆、その時に一度覚悟を決めていた。一部の忘れかけていた生徒たちの心に、過去の情熱が灯っていく。
悲しみに暮れていた者はやる気に満ちた戦士へと変貌する。その様子を見たミシェルは、シムカの指揮を高める有能さを実感していた。




