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chapter:2-7

trickってアマプラで見れるんですね。

今の作業用BGMとなってます。

 ピンク色のインクはミシェルの、オレンジのインクはマオのペイント弾のものだ。それぞれのインクがヴァイラミーを模した的を染めていく。


「おっと」


 ミシェルが狙いを定めて撃とうとした的が橙色に染まり、木々や岩を模したパネルに隠れてしまった。マオの方が早く的を撃ち抜いたため、パネルが引っ込んでしまったのだ。

 二人の射撃の腕前を比べたらミシェルのほうが上だ。少なくとも四年進級時に今やっているような射撃テストを行った時、ミシェルはクラスで最高の得点を取っていた。真面目な性格のマオがテストで手を抜いていたとは考えにくいし、考えられない。と言うことはこの数週間の間で猛特訓をしたのだろうか。

 なるほど、きっとそのはずだ。ミシェルは一人で納得をする。今日だって学生は休みのはずだった。その休日を返上してトレーニングに勤しんでいたということは、上に食らいつくために努力を重ねていることの証明のはずだ。


「あら、この程度ですの? あなた、学年トップのエリートでありませんこと?」


 意地悪く笑いながらマオは次々と的を撃ち抜いていく。パネルの後ろに隠された的を全て撃ち切ったら試合終了だ。このままではマオの方が多く的を撃ったこととなり、ミシェルは勝負に負けて空き教室の掃除をすることとなってしまう。それはごめんだ。

 面白い、とミシェルも笑う。ならばここから逆転して見せよう。一瞬だけ大きく息を吸って呼吸を整えたあと、自分の意識を全方向に向けた。銃声、呼吸音、心臓の音、全てのノイズを排除して機械が動く音だけを意識する。そして背後のパネルが動いたその瞬間、ミシェルは振り向いてそのパネルを撃ち抜いた。


「早っ」

「さぁ、ここからが逆転だ」


 そうミシェルがかっこつけたと同時にサイレンの音が部屋に鳴り響く。それはこの部屋の仕掛けではない。学校中に設置されている、非常用のものが鳴り響いたのだった。

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