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chapter:2-4

 イクサが言うように、討伐隊の人がやってくるのは時々ある出来事だ。しかし、それはつまり同じイベントが次にやってくるかはわからない、ということでもある。少なくともミシェルの中では、昨年に同じイベントが発生したという記憶はない。

 せっかくもっと強くなれるチャンスが目の前にある。だというのに、今ミシェルはそれを棒に振ろうとしている。私用か、それとも目の前のチャンスか。どちらを優先するべきかを、顎に指を添えて数十秒ほど真剣に考えたミシェルは、ゆっくりと口を開いてこう言った。


「申し訳ありません。でも、やっぱり」

「外出の方を優先するってことだよね。はいはい、オーケーですよ」


 イクサはミシェルが差し出した紙を机の引き出しにしまうと、その胡散臭い顔のパーツで笑みを作った。そのどこか信用できない笑顔を横目にして、ミシェルは職員室を出た。

 ミシェルがこの時期に学校を休み、外泊届けを出すのは墓参りのためだった。それは血縁のものではないが、それでも彼女にとって大切な人たちのお墓だ。そこに行って一年の出来事を話すことが、ミシェルの年に一度の、最大の楽しみでもあった。

 わざわざ自分を推薦してくれた教師たちに心の中で謝罪をしたミシェルは職員室を出ると、代わりにもっと強くなるべくトレーニングルームへと駆け出すのだった。

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