過去
疲労感
「暴力への渇望…か…」
フォレアから聞いた俺の討伐する
魔王アヴェルの異名について考えていた。
明らかに強そうな名前だな…まぁ魔王が弱かったらそれはそれで拍子抜けだが…
そしてもう1つ俺は考えていることがあった。
それは俺のギルドカードの情報があまりに無さすぎる事だ。ほとんどがNoか不明とか意味がわからんぞ、
そう考えながら歩いていた俺とフォレアは
今アヴェルの支配領域の近くにあるように村の宿に居た。
「ソーローモーンー」
隣でフォレアが喋りかける
「なんだよ…」
「アナタ攻撃魔法とか使えないの?」
「使えるけど…」
「見せて!」
はぁ…そう来ると思ったよ、
もう少し考えたい事もあったから面倒だと思いながらも、渋々フォレアに承諾した。
村から少し離れた平地へきた
「ところで何を見せてくれるの?」
期待の視線を送られても困るぞ…
「何でもいいんだよな?」
「できるだけ派手な野打ってよ!」
注文が多いと思ったが…
「そんじゃまぁやるか」
派手なのがご所望な様なので
特別でかい爆破でも起こしてやろうかな
「ふふっ、フォレアよ、腰を抜かしてもしらんぞ!」
いくぞ!
『釈楽享落・嵐電破滅万!』
どデカい爆発音とともに一瞬で前方が消し去り、
爆風で辺り一体が更地になってしまった。
生き物がいない平地を選んだが、前方をほぼ消し去ってしまってはあまり意味がなかったか?
「久しぶりに打ったけど成功して良かった〜、
見たか〜フォレア!どんなもんよ!」
フォレアを見るとあっけらかんとしていた
そしていきなり質問を投げ掛けてきた
「アナタ…魔王討伐、ホントに私いるの?」
「ま、まぁサーポトや回復魔法は
俺よりフォレアの方が上手いしさ!」
フォレアは納得していなかった。
こうなることはなんとなく予想出来た。
そしてこの先のセリフもな…
「私に」
「遠慮しときます」
「まだ言ってないんですけど!」
はぁ、まぁこうなるよな…
「正直俺は魔法を教えるのは得意じゃない…」
「それでもいいの!お願い!」
「まぁ戦力が強いことで悪いことは無いし
別に構わないが、ホントに俺でいいのか?」
「逆にアナタ以外の誰に教えてもらえって言うの?」
「ご最もな意見どうも」
はぁ…なんだかなぁ
〜王都プロレリアにて〜
「冒険者ソロモンと魔法使いフォレアが王都をでて討伐に向かいました。」
「うむ、報告ご苦労。いや待て…ソロモン?。」
「その件で王に報告があります。」
「なんだ?言ってみよ。」
「王が呼んだ冒険者のギルドカードは彼のでは無く、彼の義理の父の物だった事が分かりました。」
「なんだと?彼はあと有名な〈再乱〉の子か。
しかも義理の子とはな…」
「彼をどのように?」
「うむ…とりあえず今は動向を伺おう。義理とはいえ、あの最強と呼ばれた人の子だ。」
「了解しました。あともう1つご報告が。今年はまた『あれ』があるそうです。魔王たちの大議会が……」
「厄介だな…」
「こんな時にあの人は何をしてるんだ…
〈再乱〉のアズマネは…」
「とりあえずもう1人くらいは仲間が欲しいな」
「まぁそれは後々探しましょ。そういえばソロモンに聞きたいことがあるのよ。」
「なんだ?」
「アナタが持ってるそれ、剣じゃないよね?
片面しか刃が無いし、剣より薄いし…」
「ん?あぁこれか。これは刀って言うんだ。」
「カタナ?」
「俺の故郷に伝わる武器らしい」
「らしいって何よ?」
「いや俺17から前の記憶飛んでんだよな〜」
「へ?」
まぁそんな反応するだろうな
「気づいたら村の畑で寝てたんだ。なぜ畑で寝てたのか、なぜ記憶が無いのか全く分からないんだ。」
「ふーん」
ふーんって、興味無さすぎないか?
「まぁきっといずれ思い出すわよ」
「まぁそうだな」
〜〜数年前〜〜
き……君……大…っ………
誰だ?
君…大丈夫…き……………
なんだ?体が動かない?
君………君!!
ダメだ…意識…が…
「……!!」
目覚めると知らない部屋のベッドにいた
「どこだ?ここ?」
何をすればいいのか分からず、ぼーっとしていると
部屋のドアが開いた
「起きたのかい!!怪我は?大丈夫なのかい?」
50〜60くらいのまぁまぁガタイのいいおじさんが立っていた
「まぁ特に異常は…」
「良かった…ホントに良かった…」
そう言うと、泣いてしまった
「お、おいおっさん!何泣いてんだよ!」
「いや、もう助からないと思っていたからね」
助からない?俺にないがあったんだろうか
「とりあえず何があったか覚えてるかい?」
「いや…なにも…」
そう言うとおじさんは今までの経緯を
説明してくれた。
おじさんが言うには、おじさんの家の庭にある畑に倒れてたらしい。しかも、大量の血液を飛び散らせて。おじさんいわく「なぜ生きているのか分からなかった」と言っていた。
何度も呼びかけたが返事がなく、とりあえず大急ぎで治療してくれたそうだ。
「そうか…なんかすまなかった。ありがとう。」
「いいんだ、君が生きてる事が1番嬉しいよ。」
それにしてもこのおじさん、なぜ見ず知らずの俺なんかに、ここまで…
「そういえばまだ自己紹介をしてなかったな。俺の名前は東峰龍也。」
「リュウヤ…」
その瞬間酷い頭痛が俺を襲った
「がっ…ぐわぁぁぁぁぁ」
「君!大丈夫かい!」と
頭痛とともに脳裏に浮かんだ霧の様なものが
なぜか頭から離れなかった
「落ち着いたかい?」
気がつくとベッドに横になっていたようだ
また眠っていたのか
「すまない、取り乱してしまった」
「いいんだ、俺も無理に怪我人と話そうとしたんだ。俺にも非がある。とりあえず今日はゆっくり休みな。」
おじさんはそう言うと部屋から出た
疲労感からか俺はまた眠りについた
読者の皆様
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