6 読者置いて行き過ぎなんでまた回想シーン
俺らは全員が戦う事を決めた後、王女さまに今後の事を尋ねる。
「んで、この後はどうするんですか?王女さま」
「この後皆様おつかれでしょうから、お食事をとって頂き浴場にて疲れをとって頂きます。」
「能力の測定的な事はしないのか?」
「そういった事に付きましては明日行ない潜在能力を見極めさせて頂いた後適任者の方の顔合わせを行ないます。顔合わせの後にこの世界での一般常識をお教えさせて頂きます。」
「なるほど、戦闘訓練やそういったものはこの世界の常識を知ってからという訳ですか。」
最悪、俺たちだけで生きていけるようにする為か?
「あなた方は勇者"部隊"です。部隊という事は私達王国側の人間が見ていない所で任務を遂行しなければいけない場合があります。そういった際あなた方にこの世界の常識が無いと問題が生じる可能性があるので。」
めっちゃ正直に言うなぁ。まぁ、有り難いが。
「では、まず勇者様がたの寝室にご案内します。」
王女は立ち上がり俺らに付いてくるよう、促す。
全員が従い王女について行く。少し歩くと渡り廊下がありそこから別の建物に移った。
「男性の方々には1階を、女性の方々には2階をお使いになって頂きます。なお女性陣の部屋には部屋主の許可なく男性が入った場合詰所に通報する仕組みになっておりますので男性陣の方々はくれぐれも私達に勇者を捕まえさせるという事をなさいませぬよう、お願い致します。」
女子達が目を輝かせる一方、男子側は顔をひきつらせていた。また少し歩くと広い場所に出た。
「こちらは食堂になります。6時から夜の11時まで利用可能です。ではまず勇者様がたは御自身のお部屋をお決めになって頂き、1時間ほどあとこちらの食堂に集まって頂きお食事をとって頂きます。では、解散。」
なんか修学旅行の先生みたいだなと思ったのはさておき、男子陣は部屋決めを行う。
「出席番号順でいいだろ。」
「確かに特に問題は無いしね。」
翔が同意する。ちなみにだが、この世界には時計があるらしい。部屋に1つある壁に掛ける時計程小さくは無いが廊下に1つ振り子時計程の大きさの時計が1つあった。食堂にも1つあった。
部屋割りも特に問題は無さそうだったので各自が自分の部屋に入る。
しばらくすると部屋の扉がノックされる。
「陽介、居る?」
翔だった。
「どうした?」
「いやぁ、暇だったから遊びに来た。」
「遊びに来たつったって、俺の部屋にもなんもねえぞ。」
「いやぁ、こうやって話してるだけで時間は過ぎるからさ。」
「ほー。ま、入れよ」
「うん、失礼しまーす。」
コイツ、こういうとこで律儀なんだよなぁ。親しき仲にも礼儀ありっていうか、仲良くなってもしっかりこっちのプライベートを守るというか。ま、そういうとこがモテるんだろうな。
「で、彼女の話どう思った?」
「どうもも何もそのまんまだろ。」
「うーん、僕としては少し正直過ぎる気もするけど……」
「まぁ、俺らの信用をはやく勝ち取りたいってのと………多分だが、あの王女さま顔はいかにも冷静を装ってるが緊張して頭回ってないぞ、多分」
「ん、なんで?」
「相手は異世界から来た魔王を倒すかもしれない集団、緊張して当然だろう。」
「なるほどね。…………なんでそれだけの想像力があって彼女達の好意に気づかないのか甚だ疑問だけど……………」
「ん?なんだそんなボソボソと」
「いやぁ、別になんでもないさ。さてそろそろ時間だろうから行こうか。」
なんか、露骨に話を逸らされた気がするがまぁいいか。
案の定、主人公は鈍感系です。