2.すまないっっっ
すみません。遅れました。
「すまないっっっ。」
もし今カメラがあったら今すぐ写真を撮りたいぐらいポカンとした皆の顔はさておき、
「はじめまして、国王陛下。僕は日本国で学生をしております佐藤陽介と申します。佐藤が名字で陽介が名前でございます。」
「ほう……。やはり名字が先か。」
「?」
「いや、良い此方の話じゃ。」
「ところで国王陛下、ひとつ……いや幾つか質問してもよろしくでしょうか?」
背後からクラスメートのお前マジか………みたいな視線を受けながら俺は正面の国王を見据える。国王は目を眇めると、
「かまわぬ。ただその応えをワシが知っているとは限らん。」
保険か……?俺はそう勘繰るが喋り方を見た感じ本当に知らない事は応えられないと言う事なのだろう。
「それではまずこの世界は僕達が居た世界ではないですね?」
内心、俺はほぼ確定しているだろうと思っている事をあえて国王に聞く。クラスメートの皆は恐らく現状が殆ど分かっていないであろうから。
「うむ。この世界はアスモディアと呼ばれている。」
そして俺はもう一つ確定しているだろう質問をする。
「陛下は何故我々をこの世界へ呼ばれたのでしょうか?我々はただの学生です。」
俺は相手から出てくるであろう言葉を読んで先に言葉を出す。
「君たちには勇者になって魔王を倒して貰う。」
クラスメートは皆はポカンとしていた。翼ですらポカンとしている。俺以外でポカンとしていなかったのは熾盛院さんと翔ぐらいだ。まぁただこの3人は共通して予想が外れてほしかったという苦々しい顔をしていたが。
「と、言いたい所なのだが。君たちは勇者だが勇者ではない。」
俺は言葉の意味が分からず少し考えるが結論が出る前に国王が説明する。
曰く、この世界では勇者を国家ごとに呼ぶらしいのだが1番最初に呼ぶ国は決まって今の俺らの様に三十人程いるらしい。
そしてその後の勇者は決まって1人らしい。そしてその集団で呼ばれた方と1人で呼ばれた方には強さの差がとても在るそうだ。
それ故に集団で呼ばれた俺らは勇者部隊と呼ばれ各国の色んな意味での勇者の露払い的な意味で馬鹿にされて呼ばれるらしい。
そしてそれを不憫に思ったランク王国初代国王が自分の国で最初の勇者を呼ぶ事を決めたらしい。
「つまり我々は勇者として呼ばれたが強さとしては他の勇者に及ばないと言う事ですか?」
「1人1人ではな。ただ、此処で呼ばれた全員が共に戦えば勇者に匹敵する強さになる。」
なるほど、勇者でも皆でヤれば怖くない、ということか。
「更に言えばこの世界の学者の研究によると勇者とはこの世界に呼ぶ際元々の才能の上に神から才能を与えられているそうだ。」
と、宰相が補足してくれた。この世界では集団で呼ばれた勇者は馬鹿にされ辛い目にもあってしまう。それ故に国王は最初に謝罪したらしい。
それなら勇者を呼ばなければいいと思うかもしれないが勇者を呼ばなければ他の国で集団の勇者が呼ばれ辛い目にあってしまうかもしれない、それなら自分達の国で責任を持って面倒を見ようとしているらしい。
「ふむ、まだ状況が上手く飲み込めてない者もいるだろう。場所を変え皆だけで話し合うが良い。アリシア頼む。」
「は、はい。それでは皆様此方です。」
俺等は国王の隣に立っていた少女(王女らしい)に連れら俺等が入るには充分な部屋に入る。王女は俺から質問が
質問があれば応えられるようこの場に残るらしい。