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わたくしレベルの悪役令嬢になれば婚約破棄フラグ管理は完璧ですわ!~今度はハッピーエンドを目指します~  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第一部

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「気にしないで、ランセルテ。……わたしが悪いのよ」


 きっと、誰かに供を頼み、図書室へと一人で行かなければ、お母様に怒られることもなかった。ランセルテに一切の非はないのだ。

 わたしの失敗を、自分から詳細に説明することはためらわれたけど、ランセルテがあまりにもしょんぼりとした顔をしているので、わたしは仕方なく、ちゃんと説明する。


「――というわけで、一人で図書室に行ったわたしが問題だったのよ」


 事情を把握できたランセルテは、わたしの失敗を笑うのではなく、露骨にホッとした表情を浮かべていた。

 ……まだあまりキシュシー家に馴染めていないようだし、ランセルテにとって、わたしは本家の人間、ランセルテ自身は分家の人間、という意識があるのかもしれない。

 分家の人間が本家の人間に逆らう、ということは、まあ、褒められたことではない。お母様の性格からして、非のある方を責めるだろうから、今回の件でランセルテや、ランセルテの実家がどうこうなることは考えられないのだが、その辺のことがランセルテには分からないのだろう。


「次からは気を付けるわ」


 そう言って、わざといたずらっぽい笑みに見えるよう笑えば、ようやくランセルテも緩い笑顔を見せてくれた。


「それにしても、旅行記とは良いものね」


 朝食を取るため、ランセルテと食堂に向かう道すがら、わたしは彼に話しかけた。

 ランセルテにおすすめの本を聞くのは、それなりに『前』からやっていたことだけれど、旅行記を勧められたのは初めてな気がする。いつもは無難な、恋物語だとか童話だとか、いかにも令嬢ウケしそうなものばかりだったのに。だからこそ、サマリが本を書いている、なんて今の今まで知らなかったわけだけれど。


「あ……、それは、サネアさまがガラス細工を大切にされていたので、旅ものがお好きなのかな、って」


 ……そういえば、デネティア様とセルニオッド様と、三人で白街に行った際に買ってもらった『夜旅』の小人を、凄く自慢した記憶があるわ。あまりにもヴィアラクテ工房の『夜旅』シリーズのガラス細工を手に入れられたことが嬉しくて。

 お母様とお父様は、セルニオッド様に買ってもらったものだから喜んでいる、と思ったようだけれど、ランセルテは、『夜旅』のモチーフになっている、旅そのものに惹かれたと考えたようだ。……どちらも微妙に違うのだけれど。


 でもそうか、今まで『夜旅』の作品を手に入れられることがなかったから、ランセルテがわたしを旅好きだと思わなかったから、旅行記を勧めてこなかったのか。

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