表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたくしレベルの悪役令嬢になれば婚約破棄フラグ管理は完璧ですわ!~今度はハッピーエンドを目指します~  作者: ゴルゴンゾーラ三国
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/77

39

 鳥は、アルテフにとって大切な生き物。父親との数少ない思い出の一つに、大きく関わっている。具体的に言えば、もう一つの世界で、アルテフのファンは、彼を表すときに鳥のマークを使う程度には、アルテフ=鳥、という図式ができるほど、アルテフと鳥はつながりが深い。


 ゲーム内では幼少期からの思い出、と語っていた。回想では、店番に出るような年齢よりも前な風だったから、きっと、既に今の彼にとっても特別なものになっているだろう。

 だから――絶対に食いつくはず。


「……鳥! お嬢様、センスがいいね」


 わたしの予想通り、アルテフは分かりやすく表情を変えた。


「これも何かの運命。オレが誠心誠意、責任を持って、素晴らしいハンカチを作ってみせる」


「よろしくお願いしますわね」


 やった、とわたしは内心で拳を握る。

 アルテフが作ったハンカチを持ち歩いていれば、学院に入った際、アルテフと出会ったら会話のタネになるだろう。


「セリ、わたくしからはハンカチを贈らせてくださいな。今日の記念に」


 そして、おそろいのハンカチを持っている、ということは、セルニオッド様に対してのアピールにもなるはず。


 案の定、さっきまですねたような表情を浮かべていたセルニオッド様は、パッと顔を明るくさせた。


「ありがとう! ずっと大事に使うね!」


 それはもう、にっこにこだった。ここまで喜ばれると、打算でハンカチを選んだ、という事実から、罪悪感がわいてくる。


 どうにもやりにくい。

 いつもの、『わたくし』をおとしめたセルニオッド様だったら、淡々と進められたのに。


 もやもやとしながらも、メイドに頼み、注文の手続きを進めていく。完成したら手紙を届けてくれるらしい。

 手紙を届けるための住所を聞き出したアルテフが、我が家の住所を聞いて、硬くなっていた。表情の移り変わりが分かりにくい顔をしているが、相当焦ったに違いない。


 一応はお忍びという体のわたしたちは、高位の貴族に見えなかったのだろう。結構馴れ馴れしい態度だったから、今更ながら、対応を間違えた、と思ったのかもしれない。

 わたしはアルテフがそういう人物だと知っているし、セルニオッド様はどう思ったのか知らないけど、少なくとも、不敬罪に問うほどではなさそうだ。


 わたしたちがそんな風だからか、護衛やメイドも何も言わない。

 わたしたちが露骨に不快感をあらわにしているのならまだしも、そうでないから、彼らも言うのがはばかられたのだろう。セルニオッド様なんかは『お忍び』を楽しんでらっしゃるから、それを台無しにすることもできないだろうし。


 無事に注文を終え、わたしたちはデネティア様と合流。

 初めての白街のお出かけは、中々の大成功に終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ