7 その色、やんごとなき王族
この国の王族はみんな眼が紫で銀の髪。
高貴なお血筋の髪色・眼色固定は異世界の定番ソングみたいなもんだ。
そして、そこまで定番化されているのに、実態は華麗にスルーされている。
なぜなのか。
少し前に、隣のクラスに平民の転入生がやってきた。
その転入生はもろ紫の眼で銀の髪なんだが、誰も、王族の、とか疑わない。
先生すら、だ。
どういうことだ。
顔はめたくた可愛い。というか、現王妃様そっくりだ。
ふとした仕草も上品で、平民とは思えないオーラを持っている。
で、当然のように、高貴なお血筋の男子に好かれる。
平民ちゃんの隣に陣取ってるアイツは確か、ライエン公爵家の長男のディーター君。
この前の生徒会長選でぶっちぎりで会長当選。文武両道のきらきらイケメ~ンで女子人気がすごい。
平民ちゃんはやっかまれて嫌がらせをされてるみたいだ。
・・・なぜみんな気づかない・・・王女に嫌がらせとか怖すぎるぞ。
で、やはりある日唐突に、平民ちゃんは王女だとわかり王城へ。
周りは皆ものすごく驚いている。ディーター君も驚いてる。
いやいやいや・・・お前は気づけよディーター君。
まあ、しょせん王女様のお話なので裏から権力で全てを覆し結局ハッピーエンドなんだけどね。力こそ全てってやつですよ。
ディーター君は王配(仮)となり近々、王宮へ入るとか。ライエン家は次男が継ぐそうだ。。ライエン家に栄光あれ笑
そして俺はといえば、ある仮定をしてみた。
王族における最優先事項。それはその血を継続させること。
つまり、遺伝子を残すとともに、何がなんでも生き延びること。
なので仮にもし、御身がその事項を全うするのに危険と判断される環境に在る場合、
保護色のように王族の特徴が秘匿される能力が自然と発揮されるのではないであろうか。
もしくは出生時にそのような魔法が掛けられているのかもしれない。
そう考えれば、皆が不自然なほど、忠誠を誓う王家の色に気づかないのも納得ができる。
まあ、仮定レベルで立証できるすべもないが。
本当はいったい、どうなんだろーか。
みなさんは、どう思います?