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家は蜘蛛女の巣  作者: ナイタン
2/3

1日目 帰宅

16時…「ただいま」玄関を開け声をかけると

「お帰り~」家の奥から女性の声が聴こえた初めて聴く声だが同時にずっと聴いてきた声、秋山昇の母親の声だ

記憶を頼りにキッチンに進み冷蔵庫の中に買ってきた食料をしまっているとその母親「秋山玲香」がやってきた

「暑かったでしょう?」

「うん、そうだね」一時間前に家を出た息子が娘になって帰ってきたことなどまったく気付いていない

「じゃあ部屋にいるから」

そう言って二階にある自分?の部屋に向かいベットに寝転んだ

既にこの家のすべての物が自分の影響を受けている

いかにも男の部屋という感じだが問題なくこの家で一番落ち着く場所に変わっている、夕飯までまだ時間がある少し休もう……


時刻は18時秋山涼は帰宅した

「!?」玄関に触れた瞬間何か違和感を感じたそれが何なのかわからぬまま家の中に入ったそこはいつもと変わらない自分の家だ

さっき感じた違和感はもうないキッチンに向かうとこれから夕飯のようだ出かけていた父親「和也」も帰ってきていて食卓に付いていた

「涼、お姉ちゃんを呼んできて」

「えっ?あぁわかった」

答えてまたさっきの違和感を感じた、お姉ちゃん?でいいんだよな自分には5才離れた姉がいる…はず

部屋にいるその姉「三雲」を呼んでくる、いつも通りの事だかっ

「兄ぃ…姉ちゃんご飯」

ドアを開けて部屋に入るとベットの上で三雲が寝ていた、俺の声で目が覚めたのか少し身動ぎした後起き上がり俺の方を向いた

ドキッ

綺麗だっ…姉は近所の人やクラスメイトからそういわれていたが

実の姉ということもありあまり実感がなかったが

今は素直にそう思えた、まるで初めて合ったように

「今いくよ」

起きた三雲はそういいながら俺の横を通りドアの前で停まり振り返らずにこういった「どうしたの?涼ちゃん」

「いやっ何でもないよ」

「そう、じゃ行こうよお腹すいたし」

部屋を出た姉を追い廊下に出ようとするとき机スミに置かれたた写真瞬立てが目に入った

小学生の時家族で旅行にいったときの写真が飾ってある

いつもは気にもしないが今日はなぜか手に取って見たくなった

そこには三年前に亡くなった祖母、父、母、俺、そして一人の男が写っていたその顔はよく知っている気がする俺や家族を呼ぶ声、笑い声もすぐ思い出せる

けどそれが誰かはわからない、旅先で仲良くなった人かな?

旅行の記憶と写真を照らし会わせすぐにあることに気付く

姉が三雲がいない、記憶では確かにこの場所にいたはずだし

この写真も一緒に撮ったはず

頭が混乱する、この男は誰だ?

姉は何故写っていない?

「涼!?涼ちゃん!?」

「ハッ」下から聴こえた俺を呼ぶ母さんの声に我にかえり

さっき感じた違和感が消えていく

そうだこれから夕飯だった

手に持った写真立てを戻して慌てて部屋を出ていく


夕食後、風呂上がりの俺はアイスを口にしながら階段を上がっていく、二階に脚を踏み入れた瞬間例の違和感にさいなまれた、その正体がわからぬまま姉の部屋の前まで来ていた

「姉ちゃん、風呂空いたよ」それだけ伝えると返事を待たず

自室に向かって歩きだす、その時

ガチャ

俺の背後で急にドア開が開かれた、振り向こうとする前に背中に軽い衝撃を受けた

「うぁ?!」白く細い腕が俺の胸の前で組まれ暖かい重みを背中に感じる、背後から抱きつかれいた、

相手が姉だということにはすぐに気付き何をするんだと抗議の声を上げようとするが

「ねぇ涼ちゃん」耳元で囁かれる

「さっき何ですぐにこなかったの?」

今日何度も感じた違和感その理由に気付いてしまった

「ふ…」俺が答えないでいると三雲は微笑い

「お姉ちゃんの部屋で何してたのぉ」楽しそうな口調でそう言った

俺は驚きの声を出しそうになるのを押さえ絞り出すように答えた

「な、何もしてないよ・・・姉ちゃん」

「・・・・それならいいけど」

少し間をおいてからそう言うと背中の重みが消えた

少し迷って後ろを振り向くと階段へ向かっていく三雲の後ろ姿が見えた、風呂場へいくのだろう

自室に戻った俺は自分が気付いてしまった事態に愕然とした

秋山三雲は俺の姉じゃない、この家にはそんな人間はいない

今日朝までこの家にいたのは秋山昇…俺の兄さちゃんだ

「あいつは誰だ?」













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