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精神組み換え演奏会
いっそ狂ってしまたいほど美しすぎて穢れてるピアノの旋律。
白と黒の鍵盤を押し込むしなやかな指に魅了され、演奏を邪魔しないように唾をそっと飲み下す。
恍惚に包まれたあなたの表情。
楽譜も暗譜も必要の無い操られた指の動き。
あなたではない誰かが確かに弾いている。
わたしはただただその光景を愚かな目で取り込んでは自分のリビドーが甦る快感に取り憑かれていた。
哲学も倫理も、もういらない。
賢さも、狡さも、諦めすらも必要ない。
こんな時間を与えられた歓喜に、生命はちゃんと答えるはずだ。
目を閉じれば、さらに浮かび上がる音の濃淡。
わたしは精神への侵食を抗えず。
もう二度と、もう二度と
戻れないことを思い知る。




