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指切り
お面の穴から覗いた光景は、提灯、屋台、人の群
金魚は追い立てられる水の中
夜が明るい、ここは違う世
口に溶ける甘い綿、林檎を閉じ込めた金色の飴
少年が妖しく笑い、手を引いて
笛の音、遠のく境内は
逢い引きするのに絶好の暗闇
目隠し、目隠し
浮き世の理
口封じ、口封じ
あの娘にゃ分からん
密やかな心を花火は脅す
お面、外せば汗が冷やされ
お褒めの言葉に時間が止まる
ヨーヨー弾けて水しぶき
木々の奥から漂う気配
こわやこわやと甘えれば
御髪を撫ぜる、君の夢
指切り指切り
切って、頂戴
偽物宝石、契りにくれた
お面をかぶり、人波へ
離れる距離、躓く石畳
下駄の鼻緒が、ぢくぢく責めて
お面の下で、しくしく泣いて




