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Another  world.s  作者: 霜月 マイ
異世界突入編
6/14

#6 「事件」

俺は今日も学校に向かっていた。


「今日もいい天気だねっ!」


もちろんミーちゃんと一緒に。

なんで昨日あんなに嫌がってた俺が急に行く気になったのかって言うと、自分の幼なじみの頭が残念だとなんか嫌だか

ら、だ。


今日は昨日と比べて早めに家をでたから

当然早く学校に着いた。そして例の如く教室を沈黙させたのち、再び校舎裏へ向かった。


この学校は8時から9時40分まで授業Ⅰ、そっから40分休憩があって10時20分から12時まで授業Ⅱ。そして給食食って1時下校っていうゆるゆるスケジュールだ。


そうこう考えてるうちに誰かきたみたいだった。あれは、、、今日は眼鏡君、じゃなくて青山君も早く来たようだ。


「・・・・・・おっす。」


「おう。」


そう言いながら彼は俺の隣に座ってきた。元の世界と違って事件が多いわけじゃなければゲームとかがあるわけじゃないから喋ることもなくて、なんつか、こう、いづらい。元々対人コミュニケーションが得意な方じゃないから、喋れないし。


どうすっかなー、コイツのことどうやって詳しく知ろっかなー、と考えてたら向こうから話しかけてきてくれた。


「今日は来るの早かったな」


コイツはありがてぇ。親密度(狩矢の一方通行)をあげるためになんとしてもここで会話を途切らせるわけにはいかない!!


「あぁ、そうなんだよ。今日は珍しく学校に行くやる気に満ち溢れててな。早く来きまった。」


「ふーん。めずらしいね。」


「だろ?」


・・・。・・・・・・。あれ!?もしかしなくても会話終わった!?なんで向こうの方が先に切り上げちまってるんだよ!


あ。そういえば、異世界に入ってからずっと気になってたことがあったんだ。それ聞いてみるか。それで会話弾ませてやんよ!(ヤケクソ)


「なぁ、そういや今日の日付ってなんだっけ?」


そう。ずっと気になっていたというのは日付のことだ。日付もそうだが、何より暦は何を参考にしているのかも気になっていた。


ちなみに太陽暦を取り入れている日本での俺の異世界転移時の日付は11月9日だった。だから、もし、取り入れている暦が同じであれば今は11月11日の筈だ。果たしてどうなのだろうか?


「どーした?何か変なものでも食べて記憶とんだか?霜月の10と1日だよ。」


つまり、11月11日ってことだよな?っと、ここでもう1個聞いとこ。


「はいはーい!青山君に問題でぇす!!現在この世界では何暦、を参考にしているのでしょおかぁあ!?ハイお答えくださいっ!」


テンション高めで言ってみた。多分こっちの方が親しみやすいかなーなどと思ったのだが、どうやら見当違いだったらしく。


「グレゴリウス暦だろ?ってか、マジで頭大丈夫か?ヤバいんじゃねーのか?姉さんに診てもらったらどうだ?」


ドン引きされてしまった。まぁ、いいや。ぶっちゃけ頭ヤバいのは事実だし。

しかし。グレゴリウス暦、グレゴリオ暦か。言い方チャラいな。あえて英語読みで言うとか普通しないだろ。


しかし、日付の数え方の基準が元の世界と同じでよかった。凄く分かりやすい。


「なぁ、直樹。相談いいか?」


おっと?青山君、なんか本命っぽい話し始めたな。俺は相談を無下にするような男ではない。ってなわけできいてやることにした。


「なんだ?話してみろよ」


「あぁ。俺さ、ハナちゃんと付き合ってるじゃん?で、今度の日曜日が1年記念日なんだよ。だから何かしてーんだけどよ、何すればいいと思う?」


今度の日曜日、、、もしこの世界の学校が土日休みなのだったら。俺がalívioにきたのが9日で日曜だった。だから、そこに7足して16日か、今度の日曜日ってのは。

まぁ、何日かなんてのは正直どうでもいい。問題はalívioには何があるのかだ。、、、いや。なんもなくていんじゃね?別に。あれじゃん。


「デートに誘えばいいんじゃね?」


「な、、、!」


コイツの反応面白れーな。多分今のじゃ言葉が足らんな。補足説明してやるか。


「いや、だからな?今までの思い出の場所巡りデートをすればいいんじゃないか?」


「確かに・・・・・・」


そう言い青山は顎に手をあて、考えごとをし始めた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


一方その頃。


「ねぇねぇミーちゃん!今度の日曜日1年記念日なんだけどどうすればいいかな!?」


教室の1番後ろの席で、青山の彼女・樋長ハナが全く同じ話を赤井マユミにしていた。


「ぇ。何の話?」


どうやら赤井には樋長の言っていたことの意味が通じなかったらしくそのことについて聞き返した。それもそうだ。いくら国語の成績がよくても学校に来るなりそんなこと言われたら、誰にも伝わらないだろう。


「だからー。今度の日曜日ね?瞬翔と付き合い始めて1年の記念日なの。だから、何をすればいいのかなー、って話。どうすればいいと思う?」


今度はしっかりと説明をして、また同じことを言った。これで誰にでも伝わる文章にはなっただろう。


しかし、聞いた相手が悪かった。樋長がそのことを聞いた相手は変なところで、頭がとんでる赤井マユミだ。そして、例の如くこの質問でも花のJKらしかぬことを言ってしまった。


「えっと・・・、あ!ハナちゃんの家に瞬翔君連れ込んで、部屋に連れてってベッドに押し倒して、(ピーーー)とか(ピーーー)プレイだったり、(ピーーーーーー)とかしちゃえばいいと思うよ!」



(((な、なんてこと言っちゃってんのー!この人ー!!)))



恐らくその瞬間、クラス全員の心の声が一致しただろう。もし、この場に狩矢がいたら思い切り赤井を怒鳴りつけていただろう。そしたら、またクラスメイトに怖がられるキッカケになるだろうから、いなくて良かったというべきだろう。


全員が赤井に対して色々と(心の中で)ツッコミまくった(いろんな意味で)あと、1人の少女が樋長に提案した。


「あ、あの。1年記念日だったら今までの思い出の場所をまわるデートをしたらいいのでは?」


「えー、委員長ー。そんなのじゃつまんないじゃない?」


どうやらこの眼鏡の気弱そうな女の方は委員長だったようだ。何故委員長がビクビクしているのか分からない。赤井も樋長が前からそのことは気になってたようだ。


そして、樋長は顎に手をあてる青山と全く同じポージングで何事か思案したあと、口を開いた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「「それいいな(ね)!」」


別の場所でとあるカップルがハモった奇跡の瞬間だった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そして、その奇跡が起こった瞬間に教室には先生が入ってきた。


「はーい!皆いるー?・・・あれ?狩矢君と青山君は?」


「多分校舎裏だと思うよー」


やる気のない先生と赤井の会話はそれだけで終わりをむかえ、まるで何も無かったかのように、先生は


「はい、じゃあいつも通り勉強始めてくださーい」


と言って、教室から出ていってしまった。それで向かった先は案の定、狩矢達のところ、校舎裏だった。すると、


「具体的にはどこかな?昼飯とかどうしたらいいかな?服装は?どうしたらいいよ!?」


「そんぐれぇ自分で決めろよ!テメェらの思い出の場所なんざ俺が知るか!」


絶賛お話中の男子が2人。座って楽しそうだった。


「ずぅーいぶんと楽しそうだね。直樹君?瞬翔?」


そう。座って楽しそうだった、のだ。ほんの少し前までは。そこに鬼の形相で佇む先生もとい青山姉が来る前までは。


「先生・・・」「ね、姉さん・・・」


2人がそれを言ったのは同時だった。確実になんかさせられる!!!と、思っていた。のだが、


「私も鬼じゃないわ。教室に戻って勉強しなさい。」


先生はニッコリ笑顔でそう言ったのだ。こういう怒ってるかと思った時に笑う方が怖いんだと言うこと理解してかしなくてかそんなことはこの際どうでもいい。この際どうでもよくないのは、狩矢と青山が半泣きで「すんっ!ませんっしたぁ!」と言いながら教室に戻って行ったことだ。


その状況を招いたそれを見て先生は大爆笑していた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そして、1限が終わった。超絶疲れた。100分テーブルってマジで頭おかしいだろ。いや、大学とかは90分テーブルって聞いたことあるし元の世界の大学生もこんな感じなのか?普通の授業の分大学生の方がキツイだろうな。全国の大学生の皆さん。南無南無。


しばらく考えたあと俺は決心した。


「ミーちゃん。俺ちょっと先生に呼ばれてるから先生んとこ行ってくるね」


「いってらっしゃーい」


チョロい。昨日の海のくだりもそうだったけどミーちゃんって騙されやすそうだな。大丈夫かな?心配になるな。


そしてモチのロン、略してモチロン先生のとこに行くなんて嘘だ。今から俺はこの20分休憩を利用して昨日行えなかった2階の探索をしようと思う。


俺がこの時2階に行くべきじゃなかったと

後悔することになるとは思いもしていなかった。


意を決して2階に上がるとそこも1階と同じ造りをしていた。


「なんだ普通じゃん。つまんねーな。」


俺は部屋の中には何か無いのか見てみようと思った。そして、戸に手をかけた時部屋の中から声が聞こえてきた。


「痛い!痛いです!!もうやめてください!」


扉を少し開けて部屋の中を確認してみた。すると、見えてきたのは


「ーーー!」


針を持った男が何人かで何人かの人達を刺していた。おれはその場から逃げさるようにして立ち去った。そして、職員室にノックもせずに入っていった。そこにいたのは青山先生1人だった。


「!・・・なんだ直樹君か。どうかしたの?」


「2階って何があるんですか?」


息切れをおこしながら尋ねた。これで知ってるなんて分かったりしたら最悪だ。


「ん?なんで急に?何もないよ?もうすぐしたら何か運び入れるって(おおがい)の奴は言ってたけど。」


頁?頁って誰だ?全く全然心当たりがない。と思っていたら先生が俺の疑問を察したらしく


「私以外のもう一人の先生だよ。君は本当に昔から興味のないことに関しては鳥以下の記憶力だな。ごめん間違えた。以下じゃなくて未満か。」


そう言って先生は笑いだした。そういう気分ではなかったので俺はこんなの放っておいて教室へ戻ろうとした。が、直前でふと気になって先生にもう1つ尋ねた。


「その頁先生は今どこに?」


「さぁ?教室じゃない?」


かたをすくめながら言った返事はかなりてきとうだった。俺はもう諦めて頁先生に当たろうと思って1階にあるもう一つの教室へ行った。


「あ?」


しかし、誰もいなかった。もうすぐ2限も始まるからと結局胸糞悪い中教室へ戻ってきた。


そうして俺が教室に戻ったら間も無くして先生がきて2限の始まりを告げた。しかし、そんな気分じゃなかった俺は2限は寝て過ごし飯は1口も食べずに11月11日という今日が終わった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


その後12日は「気分が悪い」と言って学校を休んで13日。再度件の部屋の前に来ていた。そしたら、まさかの新発見があった。


「は?」


今1人の少年が頁先生と言って刺された。 そのことを知った瞬間耐えきれなくなった。結局13日は早退してしまった。いや、学校にきて1限の前に帰ったから早退ではなくこの日も休みか。そんなことはどうでもよかった。ともかくあのイジメ、、、以上に酷い拷問のようなもの。アレの手引きをしていたのが学校の教師で、刺されていたのがその生徒だったという事実を知ってからもうどうすれば良いか全くもって分からなくなってしまった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「なぁ瞬翔。今からちょっといいか?学校休むことになるけど。」


イジメを目撃してから3日後ようやく人に相談することにした。


「何をするんだ?いやそれより最近何があったんだ?学校休んでよ。皆心配してたぞ。」


「そのことについて今から話すんだよ。」


「ここじゃ駄目なのか?」


「あともう1人交えて話したいんだ。」


こう言ったら物分かりはいい奴だったらしくスグに一緒に住んでる先生に事情を話して行く支度をしてくれた。支度を始めたと思ったらスグに玄関に戻ってきて


「じゃあ、そのもう1人の場所に行こうか」


と、そう言ってくれた。


もう1人というのは博士のことだった。博士のラボに言って本日二度目となる事情説明を行うと快く奥まで通してもらえた。


「へー。ここの奥ってこんななってるんだな。」


初めてきた青山の感想がこれだった。味気ないなーとか思っていると博士がお茶を持ってきながら、


「面白いものは何も無いとこだが、掛けてくれ。お茶だけならだせる。」


「「ありがとうございます。」」


俺らは素直に礼を言ってお茶を1口飲んだあと博士が早速本題について聞いてきた。


「で?その見たくなかったものってなんだ?」


ん?っと思った人がいるだろうから説明しよう!俺は瞬翔を連れてくる時はちゃんと全部話したが、博士には「見たくないものを見てしまった。相談にのってくれ」としか言っていない。だから、まずは博士に全て洗いざらい説明するのが先だ。


「ざっくりとした説明になるけど学校で教師が生徒を支配して生徒同士針で刺し合いをしていた。あの光景こそ地獄と呼ぶに相応しいと思うようなそんな感じのものだ。でもって、今博士のもとを訪れ、かつ瞬翔にも来てもらったのはどうすれば解決できるのかってのを相談に来たってわけだ。」


言っといてなんだがもし俺が博士視点、もしくは瞬翔視点だったら何言ってんだコイツってなるな。しかし、その予想に反して2人は適応能力が高くそしてその2人のうちの1人、瞬翔の方がある提案をしてきた。


「なぁ。そしたらよ。こんなのはどうだ?」


そうして瞬翔が言ったことに対して1人は賛成というかのように顔を輝かせそして、もう1人のこの面子の中で唯一眼鏡をかけていない奴は青ざめた表情でその提案を聞いていた。

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