表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another  world.s  作者: 霜月 マイ
異世界突入編
5/14

#5 「学校」

「おっはよう!なおちゃん!」


今日は月曜日。学校なのです!行きたくねぇなぁ、、、ってかここでも俺は高3なのか?したら勉強なんざ余裕のよっちゃんだな!あれ?行く必要なくね?手に職つけるつもりもないし。んじゃ、サボるか?サボるっつーか、調べたいこともあるし。


「いや、俺、今日は学校、休、もうかな、、、」


ちょっと途切れ途切れに言っちまったな、、、でも、ま!この子ぐらいなら今からサボんの口論で押しきれんだろ!さーて、ひきこもろ!


「ねぇ」


「!?ひゃ、ひゃい!」


ひゃい!ってアホか俺。間抜けな声しやがって!いや、違うそうじゃないそこじゃない。なに!?急に怖くなったんだけどぉ!?ちょっとー!ミーちゃーん!怖いよー!


「それ言うのさ、何回目?」


「すんませんした。喜んで学校に行かせていただきます」


逆に押しきられた。


「よろしい!」


ニコニコ笑顔でそんな許可されたけど、決めたよ。なおちゃんもうみーちゃんおこらせない。怖いもん。


ってか、何回目?って言われるってことは俺、何回もサボるってこと言ったのか。救いようがねぇな、、、この!サボり魔なおちゃんめ!


昨日博士の言ってた通りなら俺は学校でハブられてる、怖がられている、、、らしい。裏がとれていないから確実にそうとは言いきれないが、俺がこの世界でも元の世界と同じ行動をしていると考えるとまぁ、恐らく事実なのだろう。そんな中ミーちゃんは俺に絡んでくる。じゃあ、学校でも同じような態度なのだろうか?それも確かに気になることのうちの一つではある。なら、今日ぐらいは学校に行ってみるのもアリだろう。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


家から7、8分ほど歩いたあたりで学校には着いた。外見はひ○らしの学校みたいな。外見だけじゃなく中もそんな感じだった。ちなみに校門がなければ体育館もない。なんでフィクションなのに体育館裏がねぇんだよ。どうかしてんだろこの世界。もっとやる気だせよ。


で。取り敢えず校舎に入り、左に曲がって手前から3つ目の扉を開けるとそこに俺らの教室があった。ちなみに奥にもう一部屋あってそこで部屋は全部だ。、、、2階も一応あったから全部じゃないけど。

そしてここから待望のクラスメイトとご対面だ。どんな反応すんのかな、、、正直、想像しただけで気が滅入るわ。


「?どうしたの?なおちゃん。教室入るよ?」


どうやら顔にでてたっぽい。


「あぁ。悪い悪い。入ろっか」


さて、入る前の教室の雰囲気は、っと。扉越しに分かる浮つき感スゴイな。遠足かなんかあんの?そしてその雰囲気の中!扉を開けてみると!アラ不思議!一気に緊張感がほとばしりましたねぇ。露骨すぎて辛いんだけど。


「おっはよぉう!」


ミーちゃん元気ね。

「お、おう。おはよう」


なんだよモブ男ビビんなよ。しょうが無い。鞄おいてちゃっちゃか教室からでていこう。


まずぅ、カバンを置いてぇ、次にぃ、速攻でぇ、教室からぁ、出る!あばよお前ら!5分後にまた会おう!


悲しきこと体育館裏がないから、仕方なく校舎裏で時間を潰そうかと。ってか、マジで俺に対する評判最悪だな。そりゃあ目つき悪いけどな。目つき悪いってだけヤンキーと思われるケースがあるってのも元の世界で聞いたことあるしな。加えてこの口数の少なさだ。そりゃあ怖がられるのも頷ける。ってか、ロキの野郎嘘つきやがったな。言語覚えろって言ったわりには普通に普通の日本語で文字書かれてたし。元の世界の記憶なんざ欠片も失ってねぇし。


まぁいいや。現状確認でもしよう。まず、身分。これはいうまでもなく学生だな。ここは元の世界と変わんない。それと交友関係。これはひどい。、、、いや元の世界じゃ話すヤツPC以外いなかったしマシっちゃマシか。交友関係、、、友の部類に入れていいか分からんが博士、それとミーちゃんか。と、考えていたせいで周りを全く気にしていなかったから気づかなかったが、人がいたらしい。


「また、お前はこんな所で時間潰しをしているのか」


誰だコイツ?教室にいなかった筈だから、元々ここにいた、、、いや、俺よりあとに学校にきた可能性もあるか。


「なんだ?その初めてみた顔を見るような反応は」


いや、実際その通りなんだよ。マジで誰だよお前。俺のこと知っててこの馴れ馴れしい話し方だ。恐らく知り合いか友人かだろう。だったらタメ口で喋ってこの場は切り抜けて1限の休み時間に職員室に行って生徒の個人情報欄から調べさせていただこう!


「いや、すまん。寝ぼけてた。もう授業始まんのか?」


「あぁ。あと1分もしないうちに始まるぜ」


友人Aが教室に向かったのでおれもそれについて行った。


コイツの外見、、、なんかのアニメで似たようなの見たことある気がするんだよな、、、気の所為かな?気の所為、、、だよな。、、、だよな?


特徴として眼鏡をかけていて背は俺(180cmちょい)よりやや高いくらい。髪はまぁ、、、男の中では長い方、、、なのか?人のこと言えないけど。それで髪色は紺色だが黒が強い感じか。あぁ。校舎がちっちゃいからすぐに教室に着いてしまった、、、


「はいはーい。皆いますかー?」

おぉ!先生!女の人!しかも美人!眼鏡がよく似合う!


「いる、、、ね!はい!では授業を始めまーす」


各々別の教科の教科書、ノートを取りだした。ん!?別々の?どゆこと?


「じゃ、始めくださーい」


おぉ、みんな。なんかやる気のない自習みたい。おk把握。


じゃ、俺もなんか勉強、、、することないな。わかんない単元ないし、理解度カンストしてるし。なにしようか悩んでたけどそこにミーちゃんがこっちきたよ。


「なおーちゃん!じゃ、はい!勉強教えて!」


ウインクしながら片手チョップか。ポイント高いな。


「んー。何考えてるの?」


「や。何でもない。で、どこだ?」


高校2年生の内容っていったらなんだ?あぁ、アレだ。背理法とかのあたりかな?

そう。俺はそうだと完全に思い込んでいた。だからこそ、裏切られたときの絶望感、というものが尋常ではなかった。俺はミーちゃんのことを侮っていたのだ。正直、放棄したくなってしまったほどだ。


ミーちゃんの持ってきた教科書は3年生のだった。しかしそれは高校ではなく中学、のものでもなくでもなく小学生の。


「ん!?はぁぁ!?」


「なに!その失礼な反応は!?」


そりゃあそうだ。誰も高校二年生が小学三年生の算数をしてるとはおもわないだろ!?


「なおちゃんが先に語学からやろうって言ったんじゃん!!」


俺が?語学からやろうって?言ったって?


あ、、、もしかしてだけどアレなんじゃね?


「なぁ、ミーちゃん」


「ん?なに?」


まだちょっと不機嫌だ。これ、読み違えたらキレるかもしんねぇな。


「歴史と語学、文章は完璧?」


「もっちろん!考古学者になれるよ、って先生にも言われたよ!」


しゃあ!あってたぁ!てことはロキ最強説ktkrな感じじゃね?


つまりミーちゃんの算数が小学三年生レベルのカラクリはこうだ。


学校にいく年齢になる→ただ、俺は学校に行くのが嫌だから恐らく数年は行かなかった→そのせいでミーちゃんは勉強が出来なかった→で、何かあって学校に行くことになる→ミーちゃんの学力が年相応でないことに数年たって知る→先に語学をやって、文章系やって読解力をあげる(恐らくひっかけ問題対策だろう)→ミーちゃん、算数勉強す←イマココ


あぁ。そしたら仕方ねーわ。そういう俺の性格とか見越してロキがこういう風に世界改変したんだったらすげーわ。


「ねーぇー、なおちゃんはーやーくー」


「分かった分かった」


こうして俺とミーちゃんのお勉強が始まった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「だぁー、、、疲れた、、、」


この学校ってダルイな。一般的な先生が教えるタイプじゃないから生徒同士でおしえるわけだがその代わりに授業時間が長いんだな。ただ1時に終わるのは嬉しいな。結局、職員室に情報がなかったから博士のところに向かってる最中だ。ちなみにミーちゃんには「ちょっと海まで泳いでくる!」と言っておいた。11月に泳ぐキチガイなんていんのかよ(日本基準)。昨日から思ってたけどこの世界ってあんま寒暖の差がないんだな。今がそういう季節なのか、それか異世界特有の気候なのか。そこも博士に聞いてみるか。


「博士。いるか?」


「どうした?」


わぉ。スグにでてきた。もしかして来るの分かってた?


「お茶の用意が出来てる。取り敢えず中に入ったらどうだ」


分かってたなこの人。俺がくること。なんで?超怖いんですケド。ストーカーか何かですか?


昨日きたときは入り口付近で話をしたが今回は奥まで通してもらえて、、、そこにお茶と食べかけのお菓子があった。


「さっきまでロキと話をしていたんだ。」


あぁ、だから、食べかけのお菓子と飲みかけのお茶が2つあるのか。自演かと思った。


「何を話してたんですか?」


博士はほんの少し考えるような素振りを見せて、、、そして口から出た答えはシンプルだった。


「キミについて。」


うーわ、ド・シンプル。つっまんな。いや、つまんなくねぇわ。「キミについて」って、俺について何話してたんだろうな。


「俺についての何を話してたんですか?」


さっきの博士の回答では言葉足らずだったので再度質問してみた。


「順を追って話そうか。そもそも現実世界から異世界転移させることの出来る権限を持っているのは通常6人だ。」


6人。6人といえば昨日聞いた話ででてきた。


「各世界ごとの神様たち、、、か?」


「ご名答。」


五文字かよ。どこぞの何とかクリステルさんかよ。ご・め・い・と・う、つって手ぇ合わせんのかよ。んな、どうでもいいことは置いといて早く続きを聞こう。


「そしてロキはその6人のうちに入っていない。だから、今他のロキ以外の11人は慌てているよ。まぁ、もうすぐしたら神議もあるし、ロキはその時に処罰されるんだろうけどね。」


ロキがその6人のうちに入っていない?他の11人が慌てている?もうすぐ神議もある?


それに。ロキの、、、処罰、だって?


へいへいへーい!!!ざまぁみやがれ馬鹿野郎wwwロキの処罰なんて願ったり叶ったりだ!


いや待てよ。処罰?なんでだ?無断で異世界転移させたことが罪に問われるのか?


「はは。異世界転移の複雑さがキミは分かってないみたいだね。」


確認の意味を込めてか、博士は1拍おいてから説明を再開した。


「まぁ、キミについての問題は大きく2つあってね。まず、異世界転移って言うのはそのまま人のその後の人生を左右する。それが良い方向であれ、悪い方向であれ、な。神様達はそれをなるべく良い方向に傾けようとさせる。つまり、転移後の待遇を手厚くするんだ。だが、キミはどうだった?」


あぁ。あの雑さが問題だったってことか。確かにアレは俺も戸惑ったわ。叫んじゃったし。


「普通は転移させる一ヶ月前に挨拶に伺うんだよ。」


っじかよ!ふざけんなよ!俺なんてあって速攻で現実離れしたぞ!?


「で、2つ目が、そうだね、、、あぁ、そうだ。今、地球上、特に中華人民共和国っていう国かな?で、煩わされてる問題って何がある?」


なんでコイツは違う世界の国のこと知ってんだよ。怖ぇよ。


「環境問題?」


「そうだけどそうじゃない」


んじゃなんだ?マナーか?いや、でもそれだと問題じゃなくて大問題だな。それに俺がきてもそんなに変わんないな。んじゃなんだ?


「大統領就任?」


「それ国が違ぇだろ」


「んじゃ、マナー問題?」


「それはお前がきても変わんねぇだろ!人口急増だよ!人口急・増!!」


あっ、それか。全然思い至らなかったわ。でも、それも俺1人じゃそこまで変わんなくね?


「俺1人じゃ急増にはなんなくね?とか思っただろ。問題は人口は人口だが、急増じゃない。この世界には厳密に総所有人口数と各世界所有人口数が決まっている。1人狂うだけでも大問題なのさ。」


「何がどう問題なんだよ?別に1人ぐらいじゃそんなに変わんねぇだろうが。」


博士ははぁ、と嘆息して、とある映像を見せてくれた。


それは、6つの世界が内側から破裂していく映像だった。


「おい、博士。これの映像は?」


「総所有人口数が1人でも上回った場合、どうなるかという映像だ。見てもらえば分かる通り文字通り世界が壊れる。そういう仕組みになっている。じゃあ、なんでなってないかというと神様は働き者だからね。ちょっと色々したんだよ。」


俺がそこについてとやかく聞いても恐らく理解できないだろう。


ただ、この映像のおかげで1人の誤差がどんな結果を招くのかはよく分かった。しかし、そんなことはどうでもいい。俺が今日ここに来たのは別件だ。


「博士。それはそれとしてよ。今日は俺の交友関係についてちゃんと教えてくれ。」


「苦労した?」


「めっちゃしましたよコンチクショウ!!」


さ、最低だこの人。人が苦労した、っつってんのに笑ってやがる。


「何がおかしいんですか?」


「いや昨日さ、キミ完全に自分に友達は1人もいないと思い込んでるような感じだったから、どうだったかなー、って昨日からずっと気になってたんだよ。」


こ、この野郎、、、ぶん殴ってやろうか?いい笑顔で笑いやがって。


「キミの交友関係についてだよね?」


「あぁ。」


「ごめんって。そんなに怒んなよ。」


「イヤーソンナーオコッテナンテイマセンヨー」


「ばりばり怒ってるじゃん!」


ちゃんとしたこと言わなかったら金輪際口をきかないつもりってレヴェルで怒ってるけど?


「キミの友達は男子が青山瞬翔(あおやましゅんと)ってのが眼鏡かけてて、キミと気さくに話してくれる奴だ。女子がその青山の彼女の樋長(とよなが)ハナちゃん。あとは女教師の青山未来(あおやまみらい)さん。そのくらいかな?あ、瞬翔と未来さんは姉弟だな。」


なるほど。あの人達姉弟か。どうりで似るとこあるわけだ。ってか、やっぱ俺の友人少ねーのな。いや、いるだけいいか。


「他に聞きたいことはあるか?」


「最初にテメェが色々喋ってたろ。アレのおかげで聞くことはもうなくなったよ。」


「だったらもう帰れ。俺は研究に戻りてーから。」


そして、俺は唐突に頭に浮かんだ疑問を聞かずにはいられなかった。だから、聞いてしまったのだ。それについて。


「ところで、博士って名乗ってるけど、何について研究してんの?」


そこで博士は表情をくもらせた。そして、数秒足ってから


「知って幸せになれるものじゃない。いいからもう、帰れ。」


と言われ突き放されてしまった。


研究所からでた時間はまだ2時前。空は晴れ晴れとしていてこれからの異世界生活が良きものになると、そう思った。

更新が滞ってしまい申し訳ございませんでした!受験があったもので時間がとれなかったのですが、これからはじゃんじゃか投稿していこうと思ってるのでどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ