夢現(ゆめうつつ)
ゆらりゆらりと揺れる影
さらりさらりと流されて
一つ二つと消えていく
蛍の光は朧気で
止むことの無き人の夢
終わりの見えぬ旅路にて
あれはあなたの後ろ髪
霞に紛れもう見えない
星に臨むのはあなたの面影
あなたを想わせるその光は
いと美しきかな
はらりはらりと落つる雪
ほろりほろりと涙して
あの温もりが身に染みて
一人虚ろな空を見る
果てることなき人の夢
いつかは終わる旅路にて
あれは私の宝物
瞼の裏に浮き沈む
月に望むのはあなたの温もり
ひどく曖昧なその心は
いと愛おしきかな
ひらりひらりと散る桜
ふらりふらりと誘われて
ただ煌々と照らしている
小さき焔の気高きことよ
ゆらりゆらりと揺れる影
さらりさらりと流されて
あのきれいな日には戻れない
道標なき道を進め
夢と現に生きている
人の命は儚いもので
謳われる事なきその気高さ
私は空に届けよう