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日付変わる前に投稿する気になってしまいました。
後ちょいと長めです。堪忍。
夕刻。盗賊団が壊滅し、龍二は盗賊団員のほぼ全員を超長のロープで縛りつけた。縛らなかったのは、アルスの手で殺害された者達だけで、「死ねば悪人とか関係ねぇわな」という龍二の手で廃坑の入り口付近の地面へ手厚く葬られた。
そして、余ったロープを引き、縛った盗賊達と、村から奪った食料資源(ちょっとつまみ食いした)を引きずりながら廃坑を後にした。いまだ体の痺れの取れないアルスは、龍二の背中の上で力なく背負われている。
猿轡を解かれてもアルスは喋らず、毒による影響で逆らう気力もないのか、大人しく龍二に背負われていた。
「なんか連中から聞いた話によりゃ、オメェ麻痺毒くらったんだってな? 村に帰れば多分解毒薬くらいあるだろうし、もうしばらく辛抱してくれや」
茜色の日の光を浴びつつ村へ帰る道すがら、龍二は背中のアルスに語りかける。その間も、引きずられている盗賊達からなんか悲鳴的な声が聞こえた気がした。多分気のせいだろうと龍二は無視した。
「……ぅん……」
僅かに反応し、龍二の耳元で蚊の鳴くような声で返事を返すアルス。それを聞き、龍二は意外そうな顔をする。
「へぇ、素直じゃん。まぁ、それくらい素直だと可愛げあるんだがな」
「……ぅる、さい……」
「へいへい。やっぱいつも通りだったわ」
呆れるようでいて、どこか楽しそうに笑う龍二。もはや何を言うでもなく、アルスはただ村へ帰り着くまで無言を貫くことにした。
やがて、今回の事件の被害を被った北の村へ辿り着く。少し遠目からでも、騒いでいる声が聞こえてくる。それは襲撃といった類の物ではなく、喜びに満ち溢れた、いわば祭りのような騒ぎ声だった。
「やれやれ、気が早いこって」
呆れたように言いつつ、歩みを進める。村の入り口へ近づくと、村の中では捕らわれていた女性達が、夫や恋人、あるいは親と抱き合い、中には号泣しながら、無事を喜び合っているのが見て取れる。
そして、一番村の入り口に近い場所にいた村人の男性の一人が、龍二を見て声を上げて駆け寄ってきた。
「おお、あなたは旅の方……って、その背にいるのは!?」
「おう、勇者だけど。ちょいと麻痺毒くらった。で、俺は……」
言いかけ、龍二は思った。
(そういや村の人間にゃ知られてねぇよな……)
考えてみれば、突然勇者を背負って、盗賊団をふん縛って引きずってきた男など、怪しい以外何者でもないが……。
「……勇者の……うん、従者。昼間訳あって別行動取ってた」
「ちょ」
龍二は平然と嘘ついた。それも、かなり無理のある物だった。あとついでに龍二の背中から聞こえた。
「な、何と……勇者様の従者の方でしたか!」
「ちが」
「おう、途中で合流したんだわ」
しかしそれに納得した村人に、また龍二の背中から声がしたが龍二がそれを遮った。いろいろひどい。
「後これ、ふん縛った盗賊連中と村から盗まれたっていう金とか食い物な。こいつらはどっか適当な場所に放り込んどけば?」
言って、手に持っていたロープをグイッと引っ張る。先ほどまで口々に喚いていた盗賊達は乱暴に扱われて悲鳴を上げた。従者(という設定)の癖に偉そうだった。
「おお、こ、これは……何とお礼を言えばよろしいのか……!」
感動し、村人は涙ながらに感謝の意を述べる。龍二がお付きであることを、もはや微塵も疑っていなかった。なかなか強かな龍二だった。
「いや、気ニシナーイでいいけどよ。んなことより、当の勇者がこんな状態なんだからさ、麻痺毒消す解毒薬的なもんあればくれよ。こんな状態じゃろくに話もできやしねえ」
アルスを背負い直し、龍二は村人に言った。だが、村人はアルスを見て、首を傾げた。
「解毒薬? ……いえ、しかし」
「んあ? ねぇの?」
もし無いなら、毒が抜けるまで待たなければならない羽目になる。致死性の物ではないと盗賊達から聞いてはいるが、やはりずっと痺れたままでは辛いだろうし、早いうちに治してやりたいのが龍二の本音だった。
だが、村人から出てきた言葉は、予想の斜め上だった。
「いえ、あるにはあるのですが……ほら、勇者様は神々の加護がついているから、しばらくすれば麻痺毒程度、すぐに治るのでは?」
「……は?」
(…………っ)
龍二の背でピクリと、アルスが震えた気がした。
「それに、解毒薬はどの村でも貴重品。勇者様には誠に申し訳ないとは思いますが、ここは加護の力に頼っていただきたく……」
「シャラップ」
「へ」
遮り、龍二は村人を睨みつけた。その目は、僅かばかり怒りで燃えている。
「アンタ、連中相手に死にもの狂いで戦った奴に対する台詞がそれか? ……加護だかレゴだが関係ねぇ。とにかく薬持ってきてやれ。話はそれからだ」
(…………)
龍二の怒りにあてられ、若干顔色を悪くしつつも、大急ぎで村へと戻っていった。それを見届けることなく、龍二はロープを持って盗賊達を引きずりながら村へと入る。入り口手前でロープを離してから入った瞬間、大勢の村人達が龍二達に気付き、歓声を上げた。
「勇者様だ! 勇者様が帰ってこられたぞ!」
「勇者様バンザーイ!」
「あぁ! あの人よ! あの人が私達を牢屋から出してくれたの!」
「勇者様を背負ってるけど、何かったのかしら? もしかして勇者様のお付きの方?」
誰もが勇者を称え、喜びに沸き立つ。龍二とアルスを取り囲む村人達をのかすように、龍二は右手を振った。
「はーいどいてどいてー。皆さんのヒーローの勇者様は現在ちょいとお疲れ気味なんですよー。休めるところあったらそこで休ませてやりたいんですよー」
進む龍二の下に、先ほどの村人が慌てた様子で駆け寄ってくる。その後ろには、屈強な男達が入り口へと走っていった。ふん縛った盗賊達を連行するためだろう。
「勇者様……の、従者のお方。勇者様のご宿泊は村長の家でよろしいでしょうか? 何分、この村の宿泊施設は、とても勇者様が宿泊するには不便な物と思われまして……それと、解毒薬の用意ができました。後ほどお部屋にお持ちします」
「おお、サンキューサンキュー。いろいろわりぃね」
村人に促され、龍二達は村長の家へと向かう。ふと入り口の方を見ると、数人の男達によって、ミノムシ状態から解放されないまま、ずるずると引きずれていく盗賊達の姿が見えた。なんか哀愁漂っていた。
* * *
「では、これにて失礼いたします」
「おう、ありがとよ。お疲れさん」
村長の家の二階の寝室。解毒薬の瓶を持ってきてくれた村長の世話人である女性に礼を言い、薬を受け取る龍二。村人は会釈した後、扉を閉めて退室した。
村の中で一番大きい家だけにみすぼらしさはなく、かといって豪華絢爛というわけでもない。寧ろ素朴な印象が強いが、こっちの方が休む分には落ち着けるだろう。最も、今は外が祭り騒ぎでやかましく、静かとは縁遠い状況ではあるが。
元は村長夫婦が使っていた物だったのだろう、ダブルサイズのベッドの中央に、アルスを寝かせている。ベッドの傍らの小テーブルには、アルスが身に着けていた鎧一式と丁寧に畳まれた鎖帷子が置かれており、そこに剣が立てかけられていた。
「おーい、起きてるか?」
「…………」
布団を被ったアルスに、龍二は声をかける。布団の下はシャツ一枚なのだが、布団を被っているため見られることはない。
「ほれ、これ。解毒薬。これ飲んで少し寝れば、全身の麻痺治るらしいぞ」
「……ぅ……」
小瓶を見せられ、アルスは布団の中でもぞもぞと動く。やがて、緩慢な動作で右手が布団から出て、震えたまま手を伸ばす。その先には、龍二の持つ薬の瓶。
「……何だ? どうしたいよ?」
「……む」
訝しげに聞く龍二に、アルスは震えながら口を開いた。
「じ……ぶんで、飲む……」
「……無理じゃね?」
さすがに自力で起き上がるのも難しそうなアルスに、それはなかなか難題ではないかと龍二は思い、口にする。それでも尚、アルスは手を伸ばし続けた。
「……の、飲める……から……」
「……はぁ……ったく」
呆れてため息をつく龍二。そして何を思ったか、アルスのベッドの淵に座り込む。
そして、寝ているアルスの後頭部に左手を差し入れたかと思うと、ゆっくりと持ち上げた。
「な……何を……!?」
「だから、飲むんだろ? ほれ、さっさと口開けれ」
蓋の役割をしていたコルク栓を口でくわえて抜き取り、瓶をアルスの口元へと寄せる。龍二はごく普通に、それも当たり前のようにしているが、されているアルスにとっては異常事態だ。
何せ、起き上がったことで布団が捲れあがり、タンクトップ状のシャツ一枚だけという恰好が丸見えなのだ。しかも肌着であるため、下には何も身に着けていない。全裸ではないにしても、この恰好は十分、羞恥を煽っていた。しかも、目の前には異性。いかに勇者であるとしても、アルスだって年頃の少女。恥じらわないはずがない。
「ちょ……な……!?」
思わず頬を赤く染め、痺れとはまた違う理由で言葉が出てこない。言葉が出ない代わりに、口をパクパクとするしかできない。
が、そこは女心の欠片も理解していない龍二。アルスの頬が赤くなったのを見て、龍二は若干焦った。
「ったく、しゃーねぇな……」
「ンムグッ!?」
もはや形振り構わず、アルスの口に瓶を付けた。目を白黒させ、龍二を払いのけようとする……ものの、意思とは裏腹に、痺れによって手が動かない。何とももどかしい事態に陥っていた。
「ほれ、ゆっくり飲めよ?」
「んん……っ!」
強引にアルスの口を瓶で塞いだが、薬を飲ます時はゆっくりと静かに、アルスが咳き込まないよう細心の注意を払って瓶を傾けていく。もうここまで来たらなるようになれ、と言わんばかりに、大人しく龍二の看護を受けることにし、ゆっくりと流し込まれる薬を喉に流し込む。味は決してうまくはなく、寧ろものすごくまずいが、本当に少しずつ流し込まれていっているため、どうにか咽ずに飲める。
数分後、ようやく瓶の中身を全て飲み干すことができたアルスは、口の中に広がる苦味に不快感を覚えながら、小さく息をついた。そんなアルスに、龍二はベッドの横に置かれた小さな棚の上から水が入ったコップを手に取り、それをアルスに近づけた。
「ほれ、水」
「ん……」
もう抵抗もなく、なすがままにアルスは水を口に含む。口の中の苦味がある程度洗い流され、少しだけ気分が落ち着いた。
「これさえ飲めば、後は寝れば治るだろうよ。まぁ、安静にしているこっちゃな」
龍二はアルスを再び枕へ寝かせてから、布団を肩まで上げて整える。コップを置いてベッドから立ち上がり、扉へと歩いていった。
「じゃあ、俺は下行くわ。なんだかんだで俺も疲れてだりぃわ」
頭を掻いてから、ドアノブに手をかける。そして扉を開けようとした。
「っ……まっ……!」
「んあ?」
が、声をかけられて中断。アルスへ振り返ると、力を振り絞って上半身を少しだけ持ち上げていた。
「おいおい、無茶すんなよ。しんどいだろ、それ?」
「……あ……」
気遣う龍二に、アルスは何とか口を開く。
ただ、痺れているから口を開くのがしんどいというより、言葉にするのを躊躇しているような印象だった。
それから少しして、アルスはようやく口にする。
「あ……ありがと……」
たった一言。その一言を言ってから、アルスは力尽きたかのようにベッドに再び横になった。ついでにぎごちないがながらも顔を背け、龍二に顔を見せないようにした。
「……ヘッ」
出会った時から拒絶しかしなかったアルスの礼を聞き、龍二は小さく笑う。そして、ゆっくりと扉を開け、外へ出た。
「……どいたしましてっと」
扉を閉める瞬間に、龍二はポツリと呟いた。
その日の晩、村は盗賊団に壊滅されかけたところ、たった半日で解決できたことによって、すっかり祭りのような騒ぎとなった。尚、主役の勇者であるアルスは麻痺毒の治癒のためにベッドで休み、従者ということになっている龍二はというと、主役が休んでるのに楽しめる物も楽しめるわけがないだろうという事で参加はしなかった。龍二なりのアルスに対する気遣いでもあった……と思う。ちゃっかり料理だけ取ってきて部屋で食ってたりする辺り気遣いがあったかどうかは疑問だが。
そして夜が明けた。
* * *
早朝。朝日を浴びながら、アルスは愛用の鎧を身にまとい、剣を腰のベルトに差した。
「……はぁ」
窓の外を見て、アルスはため息をつく。本当ならば、明け方にでもすぐ出発したかった……のに、体全体の麻痺がまだ完全に消えていなかった。
少なくとも、昨晩の痺れは完全に消えていたかと思っていた。だが、足を動かすと、ずっと足を組んでいた後に動かした瞬間のような痺れが走り、結局動けなかった。それで結局、動いても大丈夫になるまで、ベッドに横にならざるをえなかった。
そして動けるようになった時には、すっかり朝日は昇っていたという。まぁ、まだ朝の早い時間だから別に問題はないと思うことで納得した。昼までかかるような羽目になるよりまだマシだった。もしそうなっていた時は、あの盗賊の頭(まだ意識不明中)をもう一度半殺しの目に合わせてやろうと思った。頭の寿命が伸びた瞬間だった。
最後、腰に携帯食料等が入った袋を吊り下げる。そして、そのタイミングを見計らったかのように、扉が開いた。
「っ!」
バッ! という勢いで、扉へと顔を向けるアルス。そこにいたのは、昨晩、アルスに解毒薬を持ってきてくれた、この家の使用人の女性だった。
「あ、勇者様! お目覚めになられたのですね」
「……どうも」
その姿を見て、先ほどの勢いを消して小さく挨拶をするアルス。その様子に特に疑問に思うこともなく、使用人は愛想よく笑った。
「村長が下でお待ちです。朝食もご用意させていただきます」
「いえ、お構いなく。村長にご挨拶をしてから、すぐに旅立つ予定ですので」
「え、そうなのですか? 少しくらい、召し上がっていっても……」
少し落胆したような顔をする女性に、アルスは申し訳ない気持ちになりつつも、言葉を続ける。
「申し訳ありません……お心遣い、感謝します。お気持ちだけ受け取れば、ボクは十分ですので」
「……わかりました」
それでもどこか不満気な女性だったが、表情に出さないようにして、部屋を出る。やっぱり申し訳なく思いつつも、アルスはこの村から早く出たかった。
村の人間達は悪くはない。寧ろ、アルスを暖かく歓迎してくれている。誰もアルスのことを、悪く思っている人間はいない。
(……ボクが勇者じゃなかったら、ここまでの待遇はしてくれなかっただろうな)
だが、アルスにとって、それがたまらなく苦痛だった。『勇者だからこそ』受け入れられたのであって、『勇者でなかったら』ここまで歓迎されることはなかった。村の危機を救った人間が、ただの一剣士であったとしても、村長の家ではなく、普通に宿に泊めたに違いなかった。
勇者だから、丁重にもてなす。勇者だから、村人は自分を称える。
そんなもの、アルスは望んでいなかった。アルスが望んでいるのは……。
「……そういえば」
思考を中断し、アルスはもう一度視線を扉へと向けた。
アルスは予想していた人物と違い、使用人の女性が入ってきたが……。
「彼……あれから部屋に来なかったのかな」
アルスの脳裏に浮かぶ、彼。口が悪く、どこか暴力的な青年。一昨日、森で出会って今日まで、彼の性格を把握できていなかったが、というより今でも把握し切れていないが、やることがかなり強引だったのが印象的だった。
おまけに、何を考えてるのか、村人に「勇者の従者です」なんて戯言を言った揚句、部屋で薬を飲ませるためとはいえど、あんな……あんな……。
「―――っば、馬鹿馬鹿しい!」
ぶんぶん、と頭を振ってあの光景を打ち消す。心なしか頬が赤く感じたが、それも全部気のせいだ。きっとこれまで、異性にあそこまで密着されたことがないから、免疫がなかったから動揺したのだ。そうに違いない。
「…………」
それでも。
自分を勇者として見ることなく接してきた彼が来ない事に、胸の奥が何故かもやっとするのを、アルスは感じた。
* * *
「おお、勇者様! お体はもう大丈夫ですかな?」
「ええ、お気遣い、ありがとうございます。すっかりお世話になってしまって」
階段を下り、一階のリビングルームへ通されたアルスを、椅子に座っていた村長は立ち上がって迎え入れられた。アルスは微笑み、一晩泊めてくれたことに礼を言う。
「いえいえ! 我々の救世主である勇者様に少しでもご恩返しができたかと思えば! 寧ろ、村の者達を代表し、心からのお礼を述べさせてくだされ! 本当に、村を救っていただき、ありがとうございました!」
「本当に、ありがとうございました。あのまま捕まっていたら、私達はどうなっていたことか……」
「…………」
頭を深く下げる村長と使用人の女性。それを見たアルスの脳裏に浮かぶのは、彼の姿。
彼がいたからこそ、村人は救われた。彼がいなければ、慢心して敵の罠に嵌まった自分も、今頃はこの村の女性達と同じ末路を辿っていたに違いなかった。
それを思うと、身震いしそうになる。だが、アルスはそれを徹底的に抑え、村長たちに言った。
「いえ……喜んで、いただけてボクも嬉しいです。ところで、一つお聞かせ願えませんでしょうか?」
「はい。私が知ってることでしたら何なりと」
顔を上げた村長に、アルスは問う。
「昨日、ボクをここに運び込んだ彼……えっと、従者……は、一体どこへ?」
少し見回してみても、あの青年の姿はない。それを聞いた村長は、困ったような顔になった。
「勇者様の従者のお方……ですかな? いえ、それが……」
言いよどむ村長に続くような形で、使用人が口を挟む。
「実は従者様は、部屋の数が足りなかったので村の宿へご案内したのですが……」
(っ……!)
村の宿。昨晩、アルスが運び込まれる直前、村人の一人がこの村の宿のことを説明していたのを、朦朧とする意識の中で聞いた。
生活環境が整えられている村長の家と、宿泊施設なのに色々と不便な点が多いと言われている宿屋。自分が勇者だからこその区分けに、アルスは内心、腸が煮えくり返る思いを感じた。
「宿の者が言うには、すでに部屋の中はもぬけの空だったらしく……」
「ただ、道具屋には立ち寄ったらしく、いくつかの商品を購入していったようですが、その後に村を発ったらしく……それ以上はわかりませんでした」
「…………」
あの関わるだけで面倒な青年がいない。それを聞き、アルスは安堵した。
(よかった……いないのか)
同時に、一株の寂しさを感じた。
(……え)
寂しい? 何をバカな、とアルスは思う。
さんざん振り回されたし、挙句変なことをして自分を惑わす男だ。いなくったって別にいい。寂しいはずがない。
アルスは、青年のことを考えるのをやめて、村長達との会話へ戻った。
「そうですか……仕方ありませんね」
「よろしいのですか? 勇者様の従者ともあろう方が……」
「いえ、そろそろ彼も故郷に帰りたいと言っていたところです。これを機に、別れた方がお互いのためだと思ったのでしょう」
無論、デタラメだ。まさか自分が、彼の口から出まかせの設定に付き合うことになるとは、アルスは思っていなかった。
「左様でございますか……しかしながら、なんとも無礼な人でございますな。仮にも勇者様の従者であったはずなのに、よもや勇者様に断りもなくいなくなるとは! 何と礼儀知らずな若者か!」
消えた青年に憤慨する村長。だが、それをアルスは、ここへ来た時と同じような、冷やかな気持ちで村長を見ていた。
(……ボクが勇者でなかったら、そこまで怒ったりしないくせに……)
そしてもう一つ、青年のことを悪く言うことに対する怒り。
(そもそも、ボク以上に村のために戦ってくれた彼に対して、その態度は何なの?)
知らないとはいえ、いまだ青年に対する罵倒を止めない村長に、アルスはイライラが溜まっていくのを感じた。
「……もう過ぎた話です。それに、すでにいないとはいえどボクの従者であった彼の悪口はやめていただきたいのですが」
「あ……こ、これは失礼しました!」
土下座しそうなほど深く頭を下げる村長。まだイライラは収まらないが、アルスは小さく息を吐いて、心を落ち着かせた。
「いえ、もう気にしておりません。それより、ボクはそろそろこの村を発ちます」
「そうですか……本来であれば、盛大におもてなしをするべきなのですが……軽微とはいえど、奴らに受けた被害箇所を修繕していくのに追われておりまして、大したことができず本当に申し訳ありません」
「お気持ちだけ、受け取っておきます。本当にお世話になりました」
「いえ、それでは私達の気持ちが収まりませぬ! ……ですから、これを」
食い下がる村長は、恭しく、一つの袋をアルスに差し出した。
「これは……?」
「村の者達が出し合った、勇者様にお出しする感謝の印です。どうぞ、お受け取りくだされ」
「そんな、それこそ……」
「お願いします! 村の者達皆のお気持ちを、どうかお受け取りくださいませ……!」
ズイッと差し出される袋を、アルスは思わず受け取った。ずっしりと重いそれは、チャリチャリと音をたてている。袋の口の隙間から見えるのは、何十枚もある金貨だった。
(……お金が欲しくて、やったわけじゃないのに……)
だが、ここで断ってしまえば、さすがに失礼に値するだろう。それに、何度断ったとしても、この村長は絶対に譲らない。そうなれば、余計な時間を食ってしまう。せっかく早起きしたというのに、それでは意味がなかった。
「……わかりました。大切に、使わせていただきます」
気乗りはしなくとも、アルスは金貨の入った袋を受け取った。
(……気が引くけれど、旅の資金に数枚だけもらって、残りはどこかの教会か施設にでも寄付しよう)
最も、こんな大金を持って歩く気はしなかったが。それでも、例え少しの金貨をもらったとしても、アルスの中の罪悪感は消えなかった。
* * *
「勇者様ー! ありがとうございました!」
「このご恩は絶対に忘れません!」
「どうかお気をつけてー!」
「またお立ち寄りください!」
(もう来ませんよ)
少し肌寒い、朝の空気の中。道具屋で消耗品をいくつか購入してから(勇者という名目で無料で手渡されそうになったが、さすがにそれは固く辞退した)、昨日来た道とは正反対の村の出口からアルスは発った。その際、村人全員から熱い見送りを受け、アルスは内心で答えながら笑顔で手を振った。
村から自身の姿が見えなくなる位置まで着くまで、歓声は聞こえ続けていたが、やがて声すら聞こえない距離までになると、アルスはため息をついた。
「……行く先々、こんなことばっかりか……」
いつだって、そしてこれからも、こういった扱いを受けていく。日陰の世界に生きる人間ではないはずなのに、すでに気分は囚人のそれだった。
(……まぁ、いいか……もう、慣れた)
諦めの心境。誰にも干渉させず、こっちからも踏み込むつもりもない。いつだって一人で、これからだって一人で……アルスは、そうやって生きていくと決めた。生まれ育った故郷を出ていく、その日から。
だからこそ。立ち止まる訳にはいかなかった。
「……一人でも、やっていくんだから……」
そして、道の脇に立つ小さな木の横を通りつつ、アルスは小さく呟いた。
「そんなアルスにドーーーーーーーン!!!」
「みゃああああああああああああああああ!?」
木の上から枝にぶら下がる形で逆さまに木の葉と一緒に降ってきた黒髪の何かに驚いてアルスは軽く宙を飛んだ。
「はきゅ!!」
そして思い切り尻を打った。軽く悶絶した。
「ブハハハハハハハハハハハハ!! 猫!! 猫みてぇな声だった!! クッソ!! こんなんで!! クッソ!! ブッハアアアアアアアアアアアアア!!」
逆さまのまま、そんなアルスを指差して大爆笑する何か……というより、龍二。あまりに揺れるから、枝がギシギシ悲鳴を上げ始めた。
―――バキィッ!
案の定、折れた。
「おっと」
そこは予想外にも華麗に着地を決めた龍二。
「あぎゅ!」
頭に命中するアルス。
「プギャーーーー!! 都合よく頭に命中するってないわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
龍二の大爆笑再び。
「っっっっっ!!!」
しばらく頭を抑えて悶絶していたアルスだったが、ようやく立ち直ったかと思いきや、腰の剣を抜剣。目を吊り上げたまま龍二に切っ先を向けた。
「コロス!!!」
ついでに目がめっちゃ怒りに燃えていた。
「殺されたくないので、避けます!」
「あああああああああああああああああ!!!」
「フゥーハハハァァァァァァァァ!!」
そしてしばらくの間、鬼も逃げ出す顔のアルスの光速の剣舞と、それを笑いながら避ける龍二という意味不明でいて殺伐的な光景が繰り広げられた。
* * *
「ゼェ、ゼェ、ゼェ……!」
「あ、お疲れー。もう終わりか?」
「だま……れ……!!」
地面に剣を突き刺して杖代わりにし、それにもたれるような態勢を取って息を整えるアルス。すでに汗だくで息も荒かった。
対し、同じように動きまくっていたはずの龍二は、木にもたれながら耳クソをほじって余裕綽々の表情でアルスが落ち着くのを待った。
「はぁ、はぁ……で!?」
「でっていう」
「うるさいちょっと黙れ!!」
ボロクソだったはずなのに、アルスは妙に元気だった。
「何で! 君が!! ここに!! いるの!?」
「いちゃ悪いか?」
「いいか悪いかで言ったら圧倒的に悪い!!」
ずんずんと龍二に接近し、龍二の耳元で叫ぶアルス。それを龍二は、片耳閉じてしれーっとした表情で受け流した。ついでにいつの間にか龍二に対する敬語は消えていた。
「そりゃオメェ、お前がこっち来ると思って待ってたに決まってんじゃん何言ってんの」
「君が何言ってるんだあああああああああああああ!!」
「どうどう」
「ボクは馬じゃなあああああああああああああい!!」
叫ぶたびに体力と精神をゴリゴリ削っていく龍二の波状攻撃に、アルスはもうボロボロだった。いろいろ。
「はい落ち着いてー。吸ってー、吐いてー」
「……もう、何も言わない」
もはやツッコむ気も失せ、アルスはギロリと龍二を睨みつけた。
「……真面目な話だ。何で君がここにいるんだ。いきなり村から消えたりして、一体何のつもり?」
少しだけ、殺気を込めて言い放つアルスに、龍二は平然とした顔をしてアルスの目を見返した。
「んー? そらお前。昨日言っただろ?」
「昨日……?」
何を言ったのか。アルスは腕を組んで記憶を手繰りよせる。確かにいろいろ龍二は言っていたが、思い当たる節がなかなか見つからない。
だが、ある一つの言葉を思い出す。思えば、これが原因で村長は怒っていた。
アルスは、まさか、と思って、龍二へと視線を戻した。
「まさか……君」
間違っていて欲しいと願いを込め、聞いた。
「ボクの従者って……本気で言っていたのか!?」
「モチのロンよ」
ビシィッとサムズアップをして返答した龍二。その顔は、いつものような眠そうな顔だった。
(じ、じゃあ、まさか、この人……!?)
旅に同行するつもりか……!?
「なんだ? ダメか?」
驚愕に顔を染めるアルスに、龍二は能天気に首を傾げた。それを見て、アルスはブチッと何かが切れたのを感じた。
「っ! 君は!! ボクが昨日言っていたことを忘れたのか!?」
「忘れました!!」
ビシィッ! と敬礼して返事する龍二。剣をもう一度振り回したい気持ちになったが、抑え込んで無視した。
「言ったはずだ! ボクは一人で旅をするって!! お供なんていらない!! 足手まといと一緒に行くなんてボクはごめんだ!!」
「…………」
アルスの叫びを、龍二はふざけて返さないで無言のまま聞き続ける。
「大体! 昨日の従者っていう話は君が勝手にでっち上げた話だろう!? あの時はそれでよかったかもしれないけど、ボクにとってはホントに迷惑なんだ!!」
「…………」
「わかる!? ボクは勇者なんだよ!! 勇者は一人で旅して、戦って、人々を守るために存在しているんだ!! そこにはボク以外誰もいない!! 神々の加護がある限り、助けなんていらない!! 昨日だって君は余計なことをして」
「うるせぇ」
「……っ!?」
たった一言。たった一言だった。だが、アルスはその一言で、捲し立てていた言葉を中断せざるをえなかった。
その一言に乗せられた怒気は……自分が発していた殺気とはまた違う、だが圧倒的なまでに口を閉ざさせる力を持っていたからだ。
絶対的にして圧倒的。逆らうことすら許されない存在感。強者として持ち合わせている全てを感じさせる何かが、そこにはあった。
アルスは知らない。これまで戦ってきたどんな魔物よりも。どんな人間よりも。どんな種族よりも。これ以上の威圧を感じさせる者がいたということを、知っているはずがなかった。
「あ……」
何を言おうとしたか。何を言うべきか。全てが脳の中から滑り落ち、口に出た言葉は情けない声。一昨日出会ったばかりのはずの目の前の青年が、全く別の存在にしか感じられない。
そんなアルスに……龍二は、一歩前へ踏み出す。ビクリとアルスは震え、後ろへ下がろうとした。だが、足が竦んでそれは叶わない。
「ひ」
目の前まで近づいた龍二に、アルスは恐怖に慄き、そして、
「そぉい」
―――ビシッ
「むきゅ!?」
軽い脳天チョップをくらった。
「んなこと言う口はどの口だ? あ?」
「い……つぅ……!」
軽いとは言っても割と力が込められていたのか、あるいは元々そういう力があったのか、アルスは叩かれた脳天を抑えて涙目で座り込んだ。先ほどまでの震えはもうないが、逆に痛みに悶える結果になった。
「ったく……いいか? よーく聞けよこのバカアルス」
「……?」
座り込むアルスに、龍二はしゃがみこんで目線を合わせる。顔を寄せられたアルスは、涙目のまま龍二を見た。
「俺がお前についていく理由は三つだ」
言って、右手の人差し指を立てた。
「一つは、俺は元のせか……んにゃ、家へ帰りたい」
「え……」
一つ目から意味がわからなかった。
「だが、俺の家はちょっと特別でな。俺はこの世界の国なんてわかりゃしねぇし、帰ろうにもこれじゃ身動き取れねえし、何をすりゃいいのかすらもわからない。だからこそ、世界を旅しようとしているお前についていきゃあ、何かわかると思った。そういうことだ」
「…………」
「んで、二つ目」
そしてさらに、中指を立ててVサインの形を作る。
「さっき言ったように、国もわかりゃしなけりゃ、文字すらわからねぇ。この世界の仕組みも、法もだ。そんなわけだから、一つ目の目的と同様、オメェの存在がベストマッチ! っちゅーわけよ」
「…………」
「そして……三つ目だ」
最後、薬指を立てた。
「……ぶっちゃけ、これが一番の理由なんだがな」
そして、困ったように頭を掻き、ため息をついた。
「……見てて放っておけるわけねぇだろ。お前」
「え……」
予想外な答えに、無言だったアルスは思わず声を上げた。
「昨日だよ昨日。一人で敵陣突っ込んでいきやがって。腕に覚えがあるのは確かだろうけどよ、限度があんだろ限度。何? 勇者だから? バカかオメェ。自分の力を過信して突っ込んで挙句捕まっちまってたら意味ねぇだろ」
「う……」
アルスにとって、それはすごく耳の痛い話だった。
「いいか? 世の中にゃな、一人でやるにも限界があることが山ほどあんだよ。一人で生きてると思ってんのか? 違うね、大間違い。それが昨日の戦いでわからなかったか?」
「それは……」
「一人でやれるんなら、俺だって止めやしねぇ。がな、お前はまだまだ成長途中だろ。一人でなんでもこなそうとすること自体がバカだって言ってんだよ」
「う……うぅぅぅ……!」
ズケズケと言われまくり、アルスは痛みとは別に涙目になる。キュッと唇を噛みしめ、膝の上で拳を握りしめて、プルプル震えながら泣くのを必死にこらえていた。
「……はぁ。ったく……だから、何が言いてぇかってのはな」
頭を掻き、そして、
ポンと。アルスの頭に右手を置いた。
「あ……」
そして、龍二を見る。先ほどまで説教をかましていた時の厳しい顔つきとは違い、今の龍二は、穏やかで、そして小さな笑みを浮かべていた。
「勇者ってことで気張りすぎんなや。お前はお前。他の誰がお前の事見てなかろうが、俺は見てるってことを知っとけ」
「っ……!」
見ていた。
見ていてくれていた。
見ていると、言ってくれた。
「よっし、じゃあ行くかねーっと。あぁ、断ろうとしてもあれだかんな。勝手に後ろからついていくぞ。マジで」
伸びをしながら立ち上がった龍二は、両腕をぶんぶん回す。そして、アルスに手を差し出した。
「ほれ。立ちな」
「…………」
最初、躊躇うかのようにその手を見続けていたアルス。やがてゆっくりと、それも怯えた子供のように、その手を繊細な物に触れるかのように掴む。瞬間、龍二がグイッと引き上げてくれた。
「さてと、それでは……」
上っていた木の裏に置いておいた麻袋を引っ掴んで背負った。事前に村で買っていた道具一式だった。抜かりない。
「この道真っ直ぐ進むかぁ。ガンガン行くぞニューワールドー」
荷物を背負って、ずんずん歩き出す龍二。アルスは、龍二のその背を目で追った。
(『お前に言われたらムカつくな。まぁハッキリ言うと別に頭おかしくなってねぇよ。寧ろ現実を受け止めようとしてんだけど脳が受け止めてくれねぇのに困ってる』)
「っ……!」
目を閉じ、少し息を吸ってから、アルスは尻についた砂を払った。そして、アルスは早歩きで龍二の後を追う。のんびり歩いていた龍二を追い抜くのに、時間はかからなかった。
「およ?」
「…………」
龍二の先を少し進んでから、アルスは立ち止まった。龍二もそれに倣って停止する。
「……ボクより先に歩かないでよ」
振り返り、龍二をまだちょっと腫れた目で睨みつけた。
「君は……ボクの従者でしょ? ……リュウジ」
言って、再び前を向いて歩き出すアルス。言われた龍二は、最初少し呆けていたが、やがてうんうんと頷いた。
「はいはーいっと。待ってくださいよーごしゅじーんっつってな」
笑いながらアルスの後を追う。アルスは、龍二を置いていかない程度の速度のまま、決してその速さを緩めなかった。
(『わりぃわりぃ、ショックすぎて忘れてた。俺ぁ荒木龍二。危ねぇところをマジサンキュー』)
(……なんなんだよ、もう……!)
(『そんだけつっけんどんな性格だと、オメェ余計女性に見られねぇんじゃねぇか?』)
(初見でボクのことを女だってわかっちゃうし……!)
(『いろいろあんがとな。武運を祈ってるぜ』)
(底抜けに能天気だし……!)
(『ようアルス。なんか変なことんなってんな。手ぇ貸そうか?』)
(何の見返りもないのに、ボクを助けに来て……!)
(『アンタ、連中相手に死にもの狂いで戦った奴に対する台詞がそれか? ……加護だかレゴだが関係ねぇ。とにかく薬持ってきてやれ。話はそっからだ』)
(加護があるにも関わらずに、解毒薬、持ってきてくれたりして……!)
(『……どいたしましてっと』)
(あんな形でだけど、薬も、飲まして、くれて……!)
(『……見てて放っておけるわけねぇだろ。お前』)
(ボクは、勇者、なのに……! なのに……!)
(『勇者ってことで気張りすぎんなや。お前はお前。他の誰がお前の事見てなかろうが、俺は見てるってことを知っとけ』)
「う……うぇ……! ひぐっ!」
誰かに見てほしかった。弱いはずの自分を見てほしかった。
誰かに助けてほしかった。痛みと悲しみから、苦しみから、助けてほしかった。
誰かに差し伸べられたかった。傷だらけになったこの手を掴んでくれる手で、差し伸べられたかった。
ただ、それだけが願いだった。それ以外は、いらなかった。
「うぁ……! ぁぁ……!」
この日少女は、生まれ故郷の村を旅立ち、勇者として戦い続けてきて、
「うあぁぁぁぁっ……! あぁぁぁぁっ……!」
初めて、小さな声で涙を流した。
悲しみから来るものでも、痛みから来るものでもない……暖かい涙だった。
~第一章 勇者と出会う~ 終
はい、という感じで一章終わりました。ありがとうございます。
さて、ここでお知らせがあります。
書き溜めていたストック終了のお知らせ。
というわけで、次の更新はストック溜まってからということになります。待っていてくださる方々がいてくだされば嬉しいです。
というかなんだかんだここまで書いていって、総合評価とブックマーク数、そんでアクセス解析みて、あぁ読んでくれてるんだなぁと思うと、嬉しさでちょっとやばいです。
というのも、この作品。実は勇魔以上本編に大長編で組み込もうとしてた奴なんですが。
予想以上の長さとなったため、構想だけ練ってお蔵入りした物でして。
で、掘り出してみて、肉付けしていこうみたいな感じで書いていったのがこちら。
なんかいろいろ昔のノリが強い気がするとです。
まぁ私は書いてて楽しいんですがね。読んでくださってる方々も楽しんでってくれれば幸い。
あと、感想、批評などなどお待ちしております。仁王立ちでお待ちしております。ただし悪口とか中傷は受け止めずにそのまま昇竜拳という名の削除かまします。慈悲はない。でもごめんなさい。
では皆様、第二章で会いましょう。




