うしろすがた
誰かに似ている。
誰だ?誰だっけ?
『あっ』
俺だ。
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嫌い、嫌い、大嫌い。いなくなればイイ。あいつが自分から何処かに行かなければ…
「俺があいつに鉄槌を下す」
あいつが不良軍団仲間入りをしてから俺はあいつと帰らなくなり、少々遠回りだがあいつの家の前も通らなくなった。しょうがないあいつの家の匂いやあいつの家が視界に入っただけで吐き気がするのだから。
それほどあいつが嫌いだということなんだよ。
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俺は今日悪魔の言葉に従ってあいつの後をつけてきた。しかし、なんだかいつもはあいつのことを見ると気持ち悪くなったり、怒りがこみ上げてくるのだが、今日は違う感じがする。……なんだろう?ここまで、この喉のところまで出てきているんだが…。答えは悪魔によって消されてしまった。しかし、その瞬間、天使の声も聞こえた。気がする?気のせいか。
とりあえず悪魔の次の言葉を待つしかない。
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あいつが一人になった。まだ悪魔の言葉はきていない。俺は自分から悪魔に聞いてみた。
………反応なし。
おいっ!!俺はどうすりゃいいんだよ!!とりあえず悪魔に声をかけつづけてみるとするか。
声をかけ続け5分くらいたった。
俺はあいつのことを忘れていた。
俺が思い出してあいつを見てみると…。なんとあいつがこっちをむいているではないか!!
『!!!!!!』
ではそろそろ俺は失礼して…。さいならっ。
俺は全速力で走った。正確にいえば逃げた。
悪魔には、明日もこれやれよ。と言われた。なんだかよくわからない。最後に悪魔は笑っていた…。
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昨日と同じくあいつをつけてきた。しかし今日は怒りしか出てこない。今にも殴りかかりたいくらいだ。
つけて20分くらいたったころ。俺は何も考えられなくなり、あいつに飛びかかった。
悪魔は、笑っていた。
俺に気付いたあいつはこちらを振り返った。
俺はあいつの顔を見た瞬間、止まった。
俺が今まで見たことのない顔をあいつはしていた。
でも、でもなにか雰囲気は誰かに似ている。
誰だ?誰だっけ?
『あっ』
俺だ。
そして昔の俺とあいつ、イヤ、僕と少女の関係の時の…。