BLACK and WHITE
“あんな奴消してしまえばいい”
“そんなことしちゃダメだよ”
“あいつがいるから俺たちは幸せにはならないんだぞ”
“いつかは分かりあえるさ、ゼッタイ!”
“おまえは分かっていない!自分たちの敵はいつまでたっても俺らの敵なんだよ”
“……でも”
“でもじゃないんだよ!おまえはやっぱり馬鹿なんだな、いつまで人を信じるつもりだ!いい加減人間という動物の性質を分かれっ!”
『!!!!!』
僕が寝ている間に頭の中で議論が行われていたらしい。黒い心を持った奴と白い心を持った奴。さっきの話から行けば黒い奴のほうが有利そうだ。
『人間と同じ…』
黒い奴は大抵強い。あいつも黒だ、黒ばっかり勝ちやがる…それじゃあ白は何なんだ?この世界には白は必要ないのか?僕は黒も白も嫌いだよ。どっちも目立つことをしたがるからね。中間くらいが丁度いい。普通の、普通の人が。
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『あいつらまた、出てくるのかな?』
“私はきっと二人が分かりあえると信じています”
“そいつは無理だな。昨日もいったろ、人間は変わってしまえばそこで終わりさ”
“また変わればイイのですっ”
“変わることが出来ないっつてんだろ!んま出来るとしても難しいよな?”
“…出来ます。出来るといったら出来るのですっ!”
“おまえには何を言っても駄目なようだな…俺はこいつを説得する。いいな”
“えっ…? ダメっ!”
………。目が覚めてしまった。というか説得って何?どういうこと?僕はどうなるんだよ!?
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この日から僕の態度がガラッと変わったのはみんなには内緒だ。白なんていらない。今、僕いや、俺の中には黒しかいらないから。
この世には天使と悪魔がいるというが俺は天使は信じねー。
この世には悪魔がひしめきあい黒い心が人間たちを支配する。
この世には悪魔しかいない、いや、いらないのさ。
悪魔の言葉を僕の支えにして…。
悪魔だけ信じて…。